運動会で速く走れたらカッコいいですよね。
ですが遺伝だからとあきらめる必要はありません。
少しの努力と正しいフォームが習得できれば、誰でも1等賞を獲得することが可能です。
今回は、運動会の徒競走(50m・100m走)を速く走る方法を、トレーニング方法とあわせてご紹介いたします。
足の速さは遺伝なの?
足の速さは遺伝が関係していると言われていますね。
運動能力と遺伝の関係については、1970年代から研究が行われていますが、最近も「運動能力の66%は遺伝要因で決まる」という研究成果が報告されました。
しかし足の速さは、父親と母親の遺伝子の「組み合わせ」で決まるものであることもわかっています。
つまり、どんな足の速い両親の子どもでも、組み合わせによってその子どもは両親の足の速さを受け継ぐことができず、大成しないこともあるのです。
つまり逆をいうと、鈍足な両親の子どもでも、組み合わせによってその子どもは両親の鈍足を受け継がず、大成してしまう場合もあるということです。
遺伝の割合が高いものの、遺伝が全てではありませんので、両親が足が遅いからと諦める必要はありません。
遺伝よりも生活環境?
「うちはどっちも運動できるほうじゃないし、仕方ないよね。」
このように遺伝で有利不利と安直に議論を終えてしまうことが見事な反証です。
運動があまり得意でない親を持つ子どもは、幼少期にあまり外で活発に運動をする機会が与えられない傾向があります。
つまり足の速さは、遺伝よりも「幼少期に運動する環境が子どもに与えられていたか」が総合的に作用しています。
出典;https://ja.wikipedia.org
たとえば、ジャマイカの選手などの黒人選手の、圧倒的な瞬発力やバネの力は驚異的ですよね。
日本人より生まれながらに身体能力の違いを感じてしまいます。
これについて、黒人の筋肉や骨格のデータ、遺伝子研究などから、多くの研究者が科学的に解明しようと試みてきたのですが、未だはっきりと実証ができていません。
つまり人種や遺伝ではなく、実は「生活環境による多種多様な要因があるのではないか」と言われているのです。
例えば、幼少期から足での長距離移動を強いられてる生活をしてる人が多いこと、貧困から脱出するために学業を放棄してスポーツに励む子どもが多いなどで、ある意味では英才教育を受けてるのと同じですよね。
このことから近年は、黒人選手が育った環境に注目して研究が続けられているのです。
平和かつ安心安全に育った日本人選手は、練習方法やフォームを徹底的に磨き抜くことで、驚異的身体能力の黒人選手と互角に勝負できるようになっています。
遺伝にはフォームで勝てる
科学的な分析の結果、子どもの足の速さは、そんな遺伝的要因よりも「フォームにある」ということもわかっています。
速く走るためのフォームを身に付ければ、足の速い同級生と互角の勝負することが可能ということです。
例え両親が足が遅くても、幼少期によく運動する環境が与えられなかったとしても、一度努力してみる価値が大いにありますね!
速く走る7つのコツとは?
鈍足な子どもを運動会までに速くするには、頭脳で勝負です。
陸上トップアスリートやトレーナ達が伝授している、速く走るコツを調査してみました。
彼らは、子どもが速く走るためにはまず「走る=楽しい」と感じてもらうことが、強力なイメージトレーニングになると言っています。
飽きずに楽しく、コツを習得できるよう工夫をしていきましょう!
①スタート
スタート前には、必ず靴紐やテープをしっかり締め直し、靴と足をフィットさせることが大切です。
また女子100m走の金メダリストのアドバイスによると、スタート時のピストル音の反応を早くするために、集中して音を聞く訓練が良いそうです。
効果的なのは、手を打つ音を聞いて、素早く走り出す練習です。これなら家の中でもできそうですね。
②姿勢は一直線
出典;https://www.mizuno.jp
自分は「焼き鳥」だと思いましょう。
頭の先~腰まで、串が突き刺さっているのをイメージして下さい。
そのまま走れば、足から頭までが一直線になり、その姿勢が保ちやすくなります。
そして視線をまっすぐ、進行方向へ向けます。
③腕ふりは加速力アップ!
出典;https://www.mizuno.jp
腕ふりは、走る速さと重要な関係があります。
走っているときに「腕を多く・速くふる」ことで、足もおのずと速く動くので、自然とスピードが増していきます。
腕ふりのフォームのポイントは3つ。
ヒジから下を動かすのではなく、腕全体を動かすようにします。
④膝は高く上げる
出典;https://www.mizuno.jp
速く走るためには、膝を高く、ヘソの辺りまで上げて下さい。
そして後ろに蹴った足のかかとを、お尻につくほど蹴り上げるのです。
そうすると、自然と膝はヘソの辺りまで上がります。
地面を蹴ったパワーでスピードに乗り、ぐんぐんと伸びるように走ることができます。
その時も背中が曲がってはいけません。背筋は「焼き鳥」のイメージのまま、膝を上げて走ってください。
「姿勢」「腕」「ひざ」のフォームを覚えれば、速く走る基本はマスターできるよ!
以下に、ミズノスポーツサービスによる「親子でできる走り方練習」の動画があります。
親子で遊びの延長で、やってみてくださいね!
⑤力を入れ過ぎない
小学生によく見られるのが、気持ちが先走るあまり、過剰に力が入りすぎてバランスが崩れ、かえって遅くなる走り方をしている子どもだそうです。
70~80%の力で走るイメージで挑めば、一番スムーズに、スピードに乗った状態で走ることができるそうですので、ぜひ覚えておきましょう。
⑥ゴールより5~6メートル先まで走りぬく意識&体力
小学生に多くみられるのは、ゴールラインに近づくと無意識のうちにスピードを落としてしまうそうです。
トップアスリートでさえも、ゴール地点をゴールとして意識していると失速することがあるそうです。
ですので、ゴール前でもスピードを落とさず、ゴールよりも5~6メートル先を意識して全力で走り抜くことができれば、まさかの首位交代劇も期待できます。
そこで、普段から休日に体を動かす経験を積ませ、体力向上につなげたいですね。
おすすめの遊びは鬼ごっこです。
遊ぶエリアがせまければ瞬発的な能力が養われますし、逃げるエリアを広ければ、全身持久力も鍛えられます。
運動会まで1週間しかない!今からできることは?
人間は、短距離走のような瞬発的な強い運動をするとき、筋肉にある「クレアチンリン酸」という物質でエネルギーをまかなっています。
そのクレアチンリン酸は、わずか8秒ほどしか持続しません。
ですので、8秒以内で終わるような、瞬発力を鍛える運動遊びがおすすめです。
アスリートのトレーニング指導をしている方のアドバイスによると、意外ですが、バッティングセンターの「ストラックアウト」などおすすめだそうです。
また、スタートの改善も含めると「ビーチフラッグス」も推奨していました。
自分の思うように体を動かせれるようになれば、自信をつけることができますね。
⑦寝る前にはイメージトレーニングをしよう
イメージトレーニングは、そもそもスポーツのトレーニング法の一種です。
そのパフォーマンス向上効果は科学的にも証明されていますので、ピュアな子どもがイメージ力を磨くことができたら、大人よりも絶大な効果が期待できます。
具体的には夜寝る前に、目を閉じて、自分が走ってトップでゴールテープを切る瞬間までを思い浮かべます。
きれいなフォームで走るアスリート選手をモデルに、明確なイメージをもち、それを自分に置き換えて走っている姿を再現するのです。
その時に感じた空気、光景、音、臭い、感触など、リアルにイメージすることで、脳は類似の経験をしたと錯覚します。
脳内で成功イメージを反復して記憶を喚起することで、よりスムーズに鮮明なイメージを浮かべることができるようになります。
それによって得た自信や感触を、毎晩のように体験しましょう。
これを、運動会の日まで実践するだけでも、大きな効果があるそうです。
おわりに
小学生の子どもたちによる「速く走りたい」という思いは、今も昔も変わりませんね。
親としても、できることなら1番にゴールテープを切る我が子の雄姿を見たいな・・と思ってしまいますよね。
遺伝だからとあきらめず、親子で一緒に手をとって夢の実現に奮闘できたら、本番ではきっと、私たちに最高の恩返しの姿を魅せてくれるはずです。