リレーの「アンカー」の意味・語源とは?由来は「船のいかり」とオリンピック種目!

運動会の花形といえば、クラスの命運を背負って走る「リレーの最終走者」。

その呼び名でお馴染みの「アンカー(Anchor)」ですが、英語で直訳すると「船のいかり」です。

あの海の底に沈める鉄の重りのこと。

……なぜ陸上で猛ダッシュする走者が、海の底の「いかり」に例えられているのでしょうか?

今回は、このちょっと意外で熱い「アンカーの由来」についてご紹介します!

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1. 犯人はかつての五輪競技『綱引き』だった

1912年ストックホルムオリンピックの綱引き競技(英国対スウェーデン戦)の様子
1912年のストックホルムオリンピックで行われた綱引き競技(イギリス対スウェーデン)の古写真。

「アンカー」という言葉がスポーツ界で使われ始めたのは、今から100年以上も前の20世紀初頭。

その発祥は、なんと陸上競技……ではなく、当時オリンピックの正式種目だった『綱引き』です。

最後尾に君臨する「絶対倒れない男」

当時の綱引きにおいて、一番後ろ(最後尾)を守る選手はまさにチームの生命線でした。

ここがズルッと滑って倒れたら、一瞬で全員引きずられて即ゲームオーバーです。

そのため、最後尾には「チーム内で最も体重が重く、屈強で、ビクともしない怪力巨漢マッチョ」がドカンと配置されました。

地面に足をめり込ませ、必死に踏ん張り続けるそのド迫力な姿。 それを見た人々は思いました。

「あいつ……船をビタッと留める『いかり(anchor)』そのものじゃね?」

これが、スポーツ界で「アンカー」という言葉が誕生したすべての始まりです。

「重いだけ」じゃない!ヨーロッパに伝わる素敵な由来

船のいかり

ちなみに、古くからヨーロッパにおいて「いかり」のマークは「希望と信頼の象徴」とされてきました。

荒波のなかでも船を留めてくれる「いかり」のように、アンカーとは単に重いだけではなく、「チーム全員の希望と信頼をその背中に乗っけて耐え抜く男」という最高にかっこいいポジション名だったのです。

この「ラストで全てを背負う最強の男=アンカー」という熱い概念が、のちに陸上リレーの最終走者にもスライドして使われるようになりました。

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2. え、実は「アンカー=一番足が遅い人」説の衝撃

運動会のグラウンドで走る子どもたちの足元

運動会のリレーといえば、「クラスで一番足が速いヒーロー&ヒロインが走る花形ポジション」というイメージがありますよね。

しかし、陸上競技のガチすぎる世界を覗いてみると、話は一変します。

ガチの陸上界では「エースは中間」が鉄則!?

実は、プロや本格的なリレー戦略において、「チームで一番速い選手」はアンカーではなく中間区間(2走や3走)に配置されることが多いのです。

理由は至ってシンプル。

アンカーはバトンを受け取る「テイクオーバーゾーン」の都合上、助走などの距離を計算すると、実質的に走る距離が一番短くなるケースがあるから。

勝ちに行く監督からすれば、こう考えるのがロジカルというわけです。

「一番速いエースを、1メートルでも長い距離走らせたい!」

ドヤ顔で走っていたあの頃の自分へ……

……ちょっと待ってください。 じゃあ、あのアンカーに抜擢された人は一体だれなのか?

戦術を紐解いていくと、恐ろしい事実に行き着きます。

  • 「エースより微妙に足が遅い人」
  • 「バトンパスが下手すぎて、渡す側(最後)に回された人」

……という可能性すら浮上してくるわけです。

「アンカー=チーム最強のスーパースター」と信じ込んで、胸を張ってバトンを受け取っていたあの頃の自分に、そっと優しく真実を教えてあげたくなりますね。

それでも「最恐のプレッシャー」と戦う男たち

とはいえ、最終的な着順を決めるのはやっぱりアンカーです。

途中でどんなに大きなリードを作っても、最後にまくられたらそこで試合終了。

一番速いわけじゃないかもしれないけれど、「チームで一番心臓がバクバクするポジション」であることに間違いはありません。

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3. 「アンカー」の意外な使い道、実はこんなところにも

バトンを持って陸上競技場のトラックを走る女子選手

「アンカー」という言葉、実は陸上競技や綱引きの専売特許ではありません。

世の中を見渡してみると、さまざまな業界の「ラストを締める重鎮」にこの名前が使われています。

陸上だけじゃない!スポーツ界のアンカーたち

まず分かりやすいのが、他のスポーツへの応用です。

  • 水泳のメドレーリレー
    最終泳者(主に自由形)
     
  • 登山のパーティー
    ロープで結び合った仲間の一番後ろで、滑落を防ぐ頼れる存在

どちらも「自分が失敗したら終わる」という絶妙な緊張感を背負っています。

言葉の世界にも!?ニュース番組や出版業界のアンカー

実はスポーツ界を飛び出して、メディアの世界でも「アンカー」は大活躍しています。

  • ニュース番組の「アンカーパーソン」
    各現場からのレポートを受け取り、番組の最後にコメントをピシッとまとめて締めくくる解説者・ニュースキャスター
     
  • 出版・新聞業界
    複数のライターが取材してきた原稿をまとめ、最終的にひとつの記事として完成させるベテラン記者

バラバラに散らばった情報というバトンを受け取り、最後に綺麗にゴールへ叩き込む――まさに言葉のリレーの最終走者というわけです。

共通点は「最後にすべてを背負う重責」

こうして並べてみると、すべてのアンカーに共通しているテーマが見えてきます。

それは、「最後に登場し、全体を支え、絶対に失敗が許されない主要人物」であること。

運動会で走る小学生も、ニュース番組で話すキャスターも、背中にズッシリと乗っかっている重圧は(規模こそ違えど)みんな仲間というわけですね!

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おわりに

リレーのアンカーの語源は、まさかの「船のいかり」と「綱引きの巨漢ファイター」でした。

次に運動会や陸上競技で「アンカー!」と叫ぶ声を聞いたときは、ぜひランナーの背後に目に見えない巨大な鉄のいかりを思い浮かべてみてください。

「あいつ、今まさにチーム全員の『希望と信頼』を背負って激走してやがる……!」

そう思うと、ただのバトンリレーが急に壮大なスペクタクルドラマに見えてくるはずです。

 

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