運動会定番の白熱競技といえば「リレー」ではないでしょうか?
リレーはみんなで心を合わせて勝利を勝ち取るものであり、その最後の走者は「アンカー」と呼ばれます。
なぜリレーの最終走者を「アンカー」と呼ぶのでしょうか?
今回は、最後の走者をアンカーと呼ぶちょっと意外な理由や意味について、ご紹介したいと思います。
アンカーの語源は?
運動会などでは、最終競技として行われることが多いリレー。
陸上競技においては、リレーは足の速い人が抜擢され、足の速い人同士が集まってリレーを行うのが一般的です。
なかでも最終走者のことを、アンカーと呼びます。
英語では「anchor」と書きます。
この「anchor」は、日本語で「錨(いかり)」を意味します。
錨とは、船が流れないよう停めておくときに沈める、鉄の重りのことです。
それにしてもリレーの走者と錨は、なにか関係あるのでしょうか?
「リレーのアンカー=錨」の由来をみていきましょう!
アンカーの由来
出典;https://ja.wikipedia.org
「アンカー」という言葉が使われるようになったのは、20世紀初頭に『綱引き』がオリンピックの正式種目だったころです。
綱引きでは、最後尾で引っぱる選手が最も重要とされていました。
なので最後尾は、屈強な体格で、体重がどっしり重い選手が務めていたのです。
つまり、体重が重くて力持ち!まさに船の錨のよう!
さらにあのお馴染みの錨のマークは、古くからヨーロッパなどで「希望と信頼の象徴」として大切にされてきました。
このことから、最後尾の選手は「アンカー」と呼ばれるようになりました。
やがてリレー種目の最終走者にも、「アンカー」と使われるようになったのです。
1900年パリオリンピックから、1920年アントワープオリンピックまでの5大会で行われ、夏季オリンピックの人気競技だったそうです。
その後オリンピック種目には国際的な統括組織が必要となり、組織を持たなかった綱引きは、残念ながら姿を消すこととなりました。
しかし国際綱引連盟(TWIF)が2002年にIOCに加盟しましたので、近いうちに競技種目として復活する可能性がありますよ!
アンカーはかっこいい?実は最も遅い人かも?
運動会のリレーのアンカーというと、最も足が速い人が選ばれるイメージがありますよね。
しかし陸上競技の世界では、最も速い選手は中間の区間を走ることが多いです。
なぜなら、助走がないアンカーの走る距離は一番短いためです。
走者の配置は、勝敗が別れる最も重要なポイントであり、多くのチームは最も速い選手を少しでも長く走らせる戦略をとっている傾向にあります。
とはいえ、一概にアンカーは「最も遅い人」という事ではありません。
リレーは非常に難しく奥深い競技ですので、チームによってさまざまな戦略があります。
アンカーは最終的な順番を決めるわけですから、大事な走者である事には変わりありません。
いろいろな種類の「アンカー」
ちなみにアンカー(anchor)は、陸上リレーの最終走者のことだけではありません。
これらのアンカーの語源はすべて、前述した語源(錨)と同じです。
さまざまな分野によって違いますが、「主要人物」という意味として共通していますね!
おわりに
船が大変な暴風雨に見舞われても、錨がしっかりとしていれば船は流されることなく、最後まで人々の希望をつなぐ重要な航海用具です。
陸上競技のリレーなどで最後の役を引き受けるアンカーは、その選手にチームの最後の希望と期待がかけられているのがわかりますね。
アンカーは錨のように、最終的に重要なポジションであることは間違いないようです。