あなたの知り合いや上司に、自分の奥さんのことを話すときは何て呼んでいますか?
「うちの奥さんが・・」「うちの嫁が・・」など、色んなパターンがあると思います。
しかし社会人ならば、誰に話しても恥ずかしくない正しい呼び方をマスターしたいですね!
そこで今回は、「自分の妻の正しい呼び方」について解説していきます。
妻・奥さん・嫁・家内・女房・・正しい呼び方は?
友人や親族など、親しい間柄の中ならあまり気にする必要はないかもしれません。
しかし、上司や目上の方などに自分の奥さんの話をするとき、また奥さんを紹介するときなどは、一般常識を心得ておきたいですね。
この項では、自分の奥さんのことを正しくはどう呼ぶべきか、その意味も解説します。
正しくは「妻」。その意味とは
結論から言うと、奥さんの話をするときは「妻」と呼ぶのが正解です。
また、奥さんを紹介する際も「わたしの妻です」と紹介します。
なぜなら、婚姻制度上、婚姻関係にある女性は「妻」であり、書類の続柄にも「妻」となっていますね。
ですので、夫が配偶者のことをいう最も一般的な呼称は「妻」であり、書類と同じく、奥さんのことを誰かに話すときも「妻」と呼ぶのが正式となります。
そういえば、安部元首相の答弁の中でも、昭恵夫人を「妻」と呼んでいたね!
「嫁・奥さん・家内・女房・かみさん」この呼び方の本当の意味は?
妻にはさまざまな似た呼び方がありますよね。
そこで、三省堂辞書を引いてそれぞれの意味を調べてみたところ、おもしろい事実がわかってきました。
「嫁」は息子の妻。
意外ですが、夫自身が妻を「うちの嫁さん」と呼ぶのはおかしな話になります。
正しくは、息子の妻を、息子側の両親がよぶ呼び方です。
つまりあなた(夫)の両親のみが許された呼び方ということです。
「嫁」とは読んで字のごとく、嫁ぐとも読みますから、嫁ぎ先で使われる言葉ということがわかりますね。
「嫁呼び」論争が勃発したことも
出典;https://www.fnn.jp
俳優の松山ケンイチさんが、某バラエティ番組に出演した際、「髪が伸びた時には自分で切ったり、嫁に切ってもらっている」と発言したことで、SNS上では「嫁」発言をめぐる物議を呼びました。
「嫁という間違った言葉を広めないでもらいたい」などという批判の声が続出し、Twitterのトレンド入りするほどの注目を集めたのです。
嫁という言葉は、漢字の成り立ちそのままに「女に家を背負わせている=家事は女性がするもの」という風潮を肯定してしまう印象があるようです。
またそれを理想としている男性が「嫁」という言葉を使っているイメージでしょうか。
少なくとも軽いノリで「嫁が~」と使ってしまうのは注意が必要のようですね。
「奥さん」は他人の妻。
奥さんは、他人の妻です。
「奥様」がくだけた言葉で、奥様は読んで字のごとく、もとは大名の奥方など身分の高い人への呼び名でした。
それがのちに武家・富商などにも言うようになり、現在でも尊敬の意味が込められている言葉でもあります。
ですのであなた(夫)が妻を「うちの奥さんが~」と呼ぶのは、間違いになります。
相手の妻をいう言葉ですから、「〇〇さんの奥さんは~」と使うのが正解です。
目上の人の奥さんを呼ぶ場合は「奥様」と呼びます。
「家内」は家の中で暮らす人。亭主の妻。
家内はちょっと古風なイメージではありますが、夫が妻を呼ぶ言葉としては間違いありません。
「妻」と違う点は、目上の人に対して妻を謙遜する意味で使う呼称です。
「うちの家内です」や「うちの家内が大変お世話になりました」などと使います。
ただ注意点としては、「家内」=「家の中にいる人」という意味があるということです。
「家内」の語源をたどると、明治時代に男性のみが社会に出て、女性は主婦業に専念するという風潮から使われるようになった言葉です。
つまり現代社会におけるライフスタイルの変化から、外で仕事をしている妻をあえて「家内」と呼ぶのは、あまりイメージが良くないとも言われています。
「女房」は朝廷に仕える女官。
朝廷に仕える女官とは、つまり「身の回りの世話をする女性」です。
ですので「女房」という言葉は「使用人・家政婦」を連想する人も多く、あまり好まれていません。
親しい間柄で使うならOKですが、目上の人の前で妻をそう呼ぶのは避けたほうが良いでしょう。
「かみさん」は商人の妻。その家の女主人。
「かみさん」とは自分の妻、または他人の妻を呼ぶときに使います。
ただ注意してほしいのは、日本人ならではの謙譲語での呼び方ではないので、話す相手が親しい間柄でない限り、使わないようにしましょう。
なぜなら「かみさん」は、本来は「上様」、つまり貴人などの目上の人のことをさす言葉です。
それがやがて商人の妻や女主人などをさす「おかみさん」に変化していき、現在は一般庶民の妻をさすようになった経緯があります。
ですから、「かかあ天下」や「姉さん女房」のように、尻に敷かれている夫が「うちのかみさんが~」とネタ話をするときに使うのには適しています。
上司などの目上の人の奥様に対しては、使わないようにお気を付けくださいね。
アメリカの刑事ドラマ『刑事コロンボ』のコロンボ警部が、いつも「うちのかみさんがねぇ」と良く口にしていたよね!なんだかコロンボの人となりがさらに際立つ呼び方だよね。
妻への呼び方アンケート結果!1位は意外にも・・・
ゲンナイ製薬株式会社が「夫婦の呼び方に関するアンケート調査」を行ったところ、夫は妻のことを紹介する際、実際にはこのような呼び方を使っていることがわかりました。
順位 | 呼び方 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 嫁 | 42.8%(711名) |
2位 | 妻 | 39.9%(664名) |
3位 | その他 | 13.6%(226名) |
4位 | 奥さん | 2.6%(43名) |
5位 | 相方 | 0.6%(10名) |
6位 | 家内 | 0.5%(9名) |
圧倒的に「うちの嫁です」と言っているパターンが多いようです。確かによく耳にしますね。
続いて少しの差ですが、「うちの妻です」と紹介する男性です。やはり妻という言葉は日本語らしい余韻も感じられ、スマートな印象を受けますね。
3位の「その他」ですが、「かみさん」「配偶者」「ワイフ」などが挙げられていました。親しい間柄のなかでフレンドリーに呼んでいるのが見えますね。
あなたはどのように呼んでいましたか?
妻は夫にこのように紹介されたい!1位は圧倒的に・・・
続いて、「妻は夫にこのように紹介されたい」と思っていることもアンケートでわかりました。
順位 | 呼び方 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 妻 | 67.2%(1,118名) |
2位 | 嫁 | 21.0%(349名) |
3位 | その他 | 7.8%(130名) |
4位 | 奥さん | 1.6%(27名) |
5位 | 相方 | 1.6%(26名) |
6位 | 家内 | 0.8%(13名) |
なんと過半数が「妻」です!圧倒的ですね!
実際に男性が多く使っている「嫁」は、たったの2割。
女性が呼んでほしい理想と現実は、かなりの隔たりがあることがわかります。
何はともあれ夫は、どのシーンでも奥さんのことを「妻」と呼べば間違いないということですね。
奥さんの呼び方!英語では?
日本では妻の呼び方にはたくさんの類似語がありますよね。
しかし英語での妻の呼び方は「wife」。これ一択になります。
- 自分の妻・・・my wife
- 他人の妻・・・your wife
少しカジュアルな言い方になると「wifey」です。
類似語としては、妻をパートナー(my partner)と呼ぶ人もいます。
ただし、パートナーと呼ぶのは、当人が言う場合に限ります。
他人の妻をyour partnerという表現は使わず、ここはやはりyour wifeという表現をします。
そしてその後は、名前(ファーストネーム)で言うことが多く、他人の妻へも名前を知っている場合は名前で呼ぶのが一般的です。
他人に自分の妻の話をするときに名前を使うという習慣は、日本にはない文化ですよね!
おわりに
妻の呼び方にはたくさんの類似語がありますが、本来の意味を勘違いして使っていては、妻にも他者にも不快感を与えてしまう場合があります。
親しい間柄では気にしないと思っているかもしれませんが、長年寄り添う奥さんの呼び方というのは、とても大切なもののひとつです。
どんな場面でも間違いない呼び方は「妻」ですので、ぜひ恥ずかしがらずに使っていきましょう。
またこの機会に、奥さまになんて呼んで欲しいのか聞いてみるのもいいですね!