あと少し身長が高かったら、人生は変わっていただろうか。
そんなふうに思った経験はありませんか?
さまざまな研究では、高身長の方が「社会的信頼が持たれやすく、稼げて、モテる」というデータが確認されています。
しかし遺伝だからとあきらめる必要はありません!
今回は、これから成長期になる子どものための「身長を伸ばす方法」などについて、ご紹介していきます。
身長の高い低いは「親の遺伝」なの?
お父さんが高身長だから、子供も背が高い。
なんて例がよくありますよね。
身長の遺伝はありますが、わずか20%程度のことです。
つまり残り80%は、そのほかの要因(幼少期の生活環境)で身長の高さが決まる、ということです。
私たちの努力次第で、身長を伸ばせる予感がしますね。
身長の遺伝率は80%じゃないの?
割合には様々な説がありますが、現在では20%~30%くらい、という説が広く知られています。
親子で身長が似やすいことから、遺伝率80%なんて説もありましたが、身長が似る主な要因は「生活習慣」が似ていることだとわかってきています。
親も人間ですから、子どもの頃に育った環境を、当たり前に、そのまま自分の子供に与えていることが多いですよね。
もし親のあなたの身長が低めでしたら、今の食生活や生活習慣を、一度ふり返ってみる必要があるかもしれませんね!
子どもの予測身長の計算方法!
将来、子どもは身長が何cmになるか、ちょっと知りたいですよね。
こちらの計算式で、計算してみて下さい。
これはあくまでも、遺伝だけの要素で割り出される予測の数値です。
身長の遺伝は20%程度ですので、残り80%を努力して、予測を上回る高身長に仕上げていきたいところですね。
年代別!日本人の平均身長は?
厚生労働省の調べによる、2016年(平成28年)の日本人の平均身長・体重は、以下のようなものでした。
【男性】
年齢・性別 | 身長 | 体重 |
---|---|---|
20代男性 | 171.5cm | 67.2kg |
30代男性 | 171.5cm | 69.2kg |
40代男性 | 171.4cm | 70.9kg |
50代男性 | 169.8cm | 69.7kg |
60代男性 | 167.0cm | 66.6kg |
70代男性 | 162.1cm | 61.6kg |
【女性】
年齢・性別 | 身長 | 体重 |
---|---|---|
20代女性 | 157.8cm | 52.1kg |
30代女性 | 158.1cm | 53.6kg |
40代女性 | 157.9cm | 55.5kg |
50代女性 | 156.7cm | 55.2kg |
60代女性 | 153.4cm | 53.9kg |
70代女性 | 148.8cm | 50.5kg |
「最近の若い子は手足が長くて背が高いよね」なんて言われていますよね。
しかしこのようにデータで見てみると、20代~40代までの身長は、ほぼ横ばい状態です。
体重が少ないぶんスラリと背が高く見えるという錯覚ですね。
ただ、ずっと昔に比べるともちろん大きくなっています。
過去100年もさかのぼれば、今は約15cmも伸びているそうです。
なぜ昔の人は身長が低かったの?
日本人の体格の変化は、やはり食生活や生活習慣の変化が影響していることがわかっています。
食生活では、昔の日本食では「動物性たんぱく質」や「カルシウム」のとり方が少ないものでした。
それでも「先祖伝来の食生活だから」と、それで良いように思われている風潮だったため、骨の成長の停滞につながったと言われています。
戦後になってからは、欧米型食生活による「動物性たんぱく質」や「乳製品」を食べる量が増えていきました。
その後の子どもたちの身長の伸び方は、非常に目覚ましいものだったようです。
世界から見て日本人の身長が低いことは、昔から遺伝のように思われていたようです。
しかし当時、ハワイや米国に移住した日系人二世は、身長が高い人ばかりで、終戦後に進駐軍のメンバーとして来日した際には、誰もがその体格の違いに驚いたと言われています!
なぜ近年は平均身長が止まっているの?
てっきり、今の日本人はどんどん高身長になっているのかと思いましたね。
いまの40代(昭和53~54年生)が高身長のピークで、それからはあまり変わっていないどころか、少しづつ低くなっている傾向にあります。
これには、「低出生体重児」が、昭和55年以降増えていることが関係しているのではと言われています。
低体重で生まれると、将来も身長が低い傾向にあるようです。
昭和55年からの約40年間に、低体重で生まれてくる赤ちゃんが5.1%~9.7%と倍増しており、平均身長が下降気味なのは、こうしたことが関係しているかもしれない、との見方がされています。
身長の成長期(伸び盛り)は何歳から何歳まで?
成長期とは、最も身長が伸びる時期です。
人生においてそのチャンスは短く、正念場になります。
この期間は、身長が1年で8~9cm大きくなる年もあり、子どもから大人へと身体が変化する、少しナイーブな時期でもあります。
この時期が、身長を出来る限り伸ばせる「ラストスパート」です。
大人の体に成長するとともに骨が固まり、身長が止まります。
女の子の場合は、初潮後に身長があまり伸びなくなります。
医学的に言うと、膝の関節部分に「骨端線」という軟骨が残っているまでは、「成長期」と呼びますが、その軟骨が硬くなったときに、身長の伸びが止まります。
ただし、伸び盛りの訪れは、子どもそれぞれ。
一概に全ての人が当てはまるとは言いきれず、例えば男性では25歳くらいでも骨端線が残っていて、身長が伸びることもあります。
成長が遅いからといって、焦る必要はありませんが、思春期後に訪れる成長期を逃さないよう、よ~く観察しておいてくださいね。
身長を伸ばす方法【食事編】
親からの遺伝の要素は20%。
では残り80%は、どんな要因が関係するのでしょうか?
それは主に「栄養・睡眠・運動・生活環境・自然環境・病気」といったものが、代表です。
それ以外に、近年では「親の愛情」という、精神的な要素も大きく関わっているかもしれないことが、わかってきました。
さまざまな条件からみていきましょう。
身長を伸ばす食べ物・栄養素
成長期の子どもにとって毎日の食生活は大人以上に、成長と発育に大切な土台になります。
身長を伸ばすホルモンである「成長ホルモン」は、「良質のアミノ酸」で構成されているのですが、主にたんぱく質が分解されることで作られます。
たんぱく質と言えば、牛乳、チーズなどの乳製品、納豆などの豆類、卵、肉類などなど、いつもの食卓に並ぶ食事をバランスよく食べれば、じゅうぶんに摂取できるはずです。
もちろん貴重な成長期ですから、たんぱく質の他に、野菜もたっぷりと摂らせましょう。
忙しい家庭では、手っ取り早く丼物などの一品料理にしたり、レトルトなどの加工食品を大量投下してしまう日もあるかと思います。
そういった食習慣があると、身長の伸びが悪くなるだけでなく、肥満体質になることが知られています。
子どもの背を高くしたいと願っているなら、良質な食事で、おかずをたくさん食べるという意識を持つことが重要になります。
とくに成長期というラストスパートにおいては、エネルギー摂取量を増やしていくことも大切ですね。
牛乳は身長が伸びるの?真相は?
昔から「牛乳を飲むと身長が伸びる」と、まことしやかに囁かれていますよね。
これには否定的な文献も見られています。
牛乳会社の策略だとか、乳業各社や協会と国の癒着があるからだ、という意見もありますね。
ただ近年の科学的な評価から見ると、答えは「伸びる可能性が高くなる」が有力のようです。
牛乳を飲むことで身長が伸びるというデータは、現在世界でも報告されており、今もなお、各国で追跡調査されています。
科学的な立場から「牛乳は身長を高くするために必要な栄養素を摂取できる食品のひとつ」と評価されているようです。
ただ、牛乳を飲んだ人が100%伸びるわけではなく、それには遺伝、成長ホルモン量、運動量など、個々の要因が大きいのです。
確かに、カルシウムは骨の密度を上げる作用がありますが、成長促進作用はありません。
しかしそこから骨の成長をうながして身長を伸ばすには、「カルシウム」と「たんぱく質」両方を、不足することなく摂取することが必要なのです。
不足してしまうようなら、伸びる可能性を十分に発揮することが出来なくなる、とも考えられるのです。
牛乳については、巷ではいろいろ言われていますが、身長を伸ばす観点で言えば、
たんぱく質とカルシウムが両方入っていて、尚且つたんぱく質を吸収するのに役立つ「ミネラル」も多く含まれている「牛乳」が良い、ということになるわけです。
しかもカルシウムなどの栄養素は「継続して摂取する」ことが大切なため、手軽に飲める牛乳が最も結果につながりやすいという側面もあります。
乳製品なしでカルシウムを毎日じゅうぶんに摂取しようと思うと、実はなかなか大変なんですよね・・。
牛乳だけでは、たんぱく質は思ったほど摂取できませんので、たんぱく質は他の食品で摂ると良いですよ!
背を伸ばす栄養素「亜鉛」
「亜鉛」という栄養素は、背を伸ばすのに欠かせない重要な栄養素として知られています。
成長期に亜鉛が不足すると身長の伸びが悪くなることがわかっています。
WHO(世界保健機構)が定めている1日に必要な亜鉛摂取量は15mgですが、日本人の1日の平均亜鉛摂取量を見ると、わずか10mgしか摂取できていないそうです。
ピーナツ、牛肉、ラム肉、牡蠣、レバー、卵黄、プロセスチーズ、納豆、高野豆腐、ゴマ、玄米などに多く含まれています。
背を高くするためには、たんぱく質と合わせてこれらの食品を積極的に摂取することが推奨されています。
身長を伸ばすには、食べるタイミングも重要
成長ホルモンは「空腹時」に分泌されやすい、という特徴があります。
胃の中が空っぽ状態のときに胃や腸から分泌される、グレリン(空腹ホルモン)というホルモンが、強い力で成長ホルモンの分泌を促してくれるのです。
ですから、食事と食事の間に、きちんと「空腹の時間」を作ることが大切です。
ちょこちょこおやつを食べたり、まったり時間をかけて食事したりせず、最低でも食後2時間は、食べることを控えましょう。
身長を伸ばす方法【睡眠編】
誰もが知っていることわざ「寝る子は育つ」。
実は、身長を高くすることについて、食事よりも注目されているのが、この「睡眠」との関係です。
睡眠が身長の伸びに大きく影響すると言われています。
現代の子どもは、昔に比べて睡眠時間が短くなっているようで、その証拠のひとつとして、身長の伸びが40年前をピークに、それからはあまり変わっていないどころか、少しづつ低くなっているのが現状です。
成長ホルモンは食事の後や、日中に活動しているときにも分泌されますが、夜に熟睡している時が最も多く分泌されます。
つまり、夜しっかり寝ている子どもは、寝ていない子どもより、当然背が伸びやすくなっているのです。
背を伸ばすには何時間睡眠をとればいいの?
身長を高くするための観点で言えば、一般的に言う理想の睡眠時間よりも長くなります。
小学生に上がるまでは10時間以上、低学年では10時間、高学年~中学生では9時間半ほどを目標に、睡眠をとるのがベストだと言われています。
注意したいのが、成長ホルモンは体内の血糖値が高い時には分泌されない特徴があります。
ですから、寝る前2時間以内の飲食は避けなくてはなりません。
また、明るい光を浴びるとは睡眠の長さや深さに影響を与えるため、夜間はなるべく明るい光を避けます。
寝る際には寝室には豆電球をつけず、ほのかに月あかりがカーテンの隙間から入る程度、または、視界に入らないよう足元を薄く照らす程度がベストです。
身長を伸ばす方法【メンタル編】
子供の身長を伸ばしたいならば、少し心にとめておきたいことが一つあります。
実は、人がストレスを感じたときに「コルチゾール」というホルモンが出るのですが、これには成長ホルモンの分泌を阻害してしまう作用を持っています。
我が子の身長がなかなか伸びないと気にし過ぎているのを見せていると、今度はそれがストレスとなって、ますます背が伸びにくくなってしまうということです。
また近年では「親の愛情」という、精神的な要素も大きく関わっている可能性があると言われています。
思春期はナーバスな時期かもしれませんが、子どもに愛情を伝えるコミュニケーションを増やし、ぜひ親子のリラックスタイム楽しんでみてはいかがでしょうか。
おわりに
これまで子どもの身長の高低は、ほぼ親からの遺伝で決まってしまう、と考えられてきました。
しかし食生活や睡眠など、身の回りの環境を整えてあげると、日本人でも欧米人並みの身長を手に入れることは不可能ではないということです。
予測身長を上回る高い身長を目指して、「背を伸ばしたい」と願うお子さんの悲願を叶えてあげて下さいね!