毎月10日は、「パンケーキの日」です。
知らなかった、という方も多いのはないでしょうか?
それもそのはず、2015年に定められた比較的新しい記念日です。
今回は、パンケーキの日にちなんで、いろいろな角度からパンケーキについてご紹介してみたいと思います。
パンケーキの日とは?
毎月10日は、「パンケーキの日」です。
2015年、ハムやソーセージでおなじみの『日本ハム株式会社』が、日本記念日協会に申請し、認定されました。
え、日本ハムが?なぜパンケーキの記念日を作ったの?
日本ハムというと、ハム・ソーセージのイメージが強いですよね。
しかし同社はスイーツから健康食品まで、幅広い食品を扱っている食品メーカーなのです。
とくにパンケーキにおいては、オーブントースターで温めるだけで「専門店のような味わい」を楽しめるということで、女性を中心に人気のようです。
そこで、みんなから愛され続けてきたパンケーキをより親しんでもらう日にしてもらいたいという思いがこめられて、「パンケーキの日」が制定されました。
パンケーキの日はなぜ、毎月10日?
そもそもなぜ、パンケーキの日は毎月「10日」なのでしょう?
それは、パンケーキを食べる時に使うフォークを「1」に、丸いパンケーキを「0」に見立て、「1」と「0」を合わせたことが由来です。
パンケーキの見た目で連想された記念日なんて、なかなかユニークですよね!
パンケーキとホットケーキの違い
子どもの頃、みんな「ホットケーキ」と言っていたのに、いつの間にか「パンケーキ」なんて呼ぶようになったなあ。
そう感じる人も多いのではないでしょうか?
では、パンケーキとホットケーキの違いは何なのか、みていきましょう!
パンケーキは「総称」
パンケーキの「パン」とは、柄の付いた浅いなべを意味しています。
つまりフライパンです。
ですので、パンケーキとは、このようなものです。
フライパンを使って、小麦粉や卵などをまぜて作る液状の生地をうすく焼いた食べ物に対する『総称』
つまり、「ホットケーキ」はパンケーキのひとつというわけです。
そのため、薄い「クレープ」もパンケーキのひとつになります。
海外では、日本の「お好み焼き」もパンケーキの一種として認識されることがあるようです。
パンケーキは古代エジプトから食べられていたというほど、とてもシンプルな料理ですので、さまざまな料理がパンケーキに該当しそうですね!
日本では区別されている?
ホットケーキはパンケーキの一種。
つまり「どちらも同じもの」なのですが、日本では慣例で呼びわけている傾向があるようです。
その線引きは、このようなイメージです。
甘さ | 厚さ | 食べるシーン | |
---|---|---|---|
パンケーキ | ない | 薄い | 食事 |
ホットケーキ | ある | 厚い | おやつ |
ホットケーキのイメージ
生地にベーキングパウダーが入っているのでよく膨らみます。
そして生地自体にも砂糖が入っているだけでなく、さらにメープルシロップやはちみつをかけ、甘いおやつとしていただきます。
パンケーキのイメージ
甘くなく、ベーキングパウダーが入っていないので薄いのが基本です。
ですのでスクランブルエッグやベーコンなどを添えて、食事向けに食べることができます。
日本での両者は、生地の「甘さ」や「厚さ」で違うという区別をしていることが多いようです。
森永製菓による「違い」の見解は?
森永製菓さんによると、同社でも「ホットケーキは甘く分厚いもの、パンケーキは甘さがないもの」という区別をして、販売しているそうです。
●ホットケーキ
小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを混ぜて、フライパンなどで円形に焼いたもの。
甘くて、厚みのあるもの。●パンケーキ
引用;森永製菓株式会社
森永製菓では、砂糖不使用で甘くなく、食事に合うような品質にしています。
水だけでもおいしく作れます。
パンケーキとホットケーキ、じつはどちらも同じもの
しかし製粉メーカーさんが仰るには、正直なところ、とくに厳密な決まりはないとのことです。
お店屋さんで提供されているパンケーキやホットケーキは、ただのネーミングにしか過ぎないようです。
海外から進出したお店などのオシャレなものがパンケーキ、喫茶店などで提供されている昔ながらのメニューがホットケーキ、という名が世間の主流となっています。
このことから、トレンドに敏感な女性目線で、「ホットケーキ」を「パンケーキ」に名前を変更をするお店も多いようです。
パンケーキという言葉は総称ですので、名前を変えても問題ないですし、そちらのほう若い女性が好まれる傾向にあるからです。
世界のパンケーキにも特徴があるよ!
日本のパンケーキは、「ホットケーキ」と呼ばれ、さらに「甘いもの」として浸透していますよね。
もちろん海外でも、独自の形や味で、パンケーキが親しまれているようですよ!
下記では、国ごとに異なるパンケーキの代表例を、一部ご紹介します。
国名 | パンケーキの特徴 |
---|---|
フランス | 薄く焼かれて「クレープ」と呼ぶ。 |
ドイツ | 中に具を入れた「プリンゼン」が一般的。 |
アメリカ・カナダ | 果物やメイプルシロップを添えて、朝食として食べることが多い。 |
イギリス | 牛乳多めで薄く焼かれる。シロップをかけてデザートにしたり、具を巻いて食事としても。 |
オーストリア | 小片にちぎったパンケーキに、粉砂糖とフルーツソースをかける「カイザーシューマレン」が最も有名。 |
中国 | 甘くない薄い生地で「薄餅」と呼ばれ、食事として食べる。薄餅の一種がパンケーキ。 |
パンケーキといえば、焼くだけのシンプルな生地に、ソースや具材を添えるスタイル。
しかし国によっては、生地の中に具材を包んだり、挟んだりするパンケーキもあるのですね!
また、デザートではなく、食事として出される国もたくさんあるようです。
パンケーキの由来
日本では長年「ホットケーキ」として親しまれていましたが、近年では「パンケーキ」と呼ばれるようになり、インスタ映えするルックスで種類も豊富になりましたね。
しかし、その歴史について知っている方は多くないようです。
いつどこで始まったのか、日本のブーム到来までの歴史をみていきましょう!
始まりはナント紀元前の大昔!
パンケーキの始まりは、古代エジプト時代といわれています。
その頃の日本はまだ縄文時代ですから、そんな昔にパンケーキ!?と驚くかもしれませんね。
しかし当時の材料は、水と粉、あとは焼く道具(平らな石)さえあれが、作ることができました。
今のように、牛乳・卵・砂糖などを入れた、旨味たっぷりのパンケーキとは違うものだったかもしれませんが、古代エジプト時代の人々は、パンケーキの源流とも言うべき大きな革命を起こしたということです。
縄文時代の日本人だって、木の実の粉でパンやクッキーを焼いていたそうだよ。ご先祖さまはすごいね!
日本に入ってきたのは明治時代
日本では、1884年(明治17年)、雑誌で『PANCAKE(薄餅)』という名前で、パンケーキのレシピが紹介されたのが始まりと言われています。
そして20年後になると、西洋料理専門書で『パンケーク』というレシピが掲載されました。
みんなの前に登場したのは大正時代
1923年(大正12年)、関東大震災直後、東京日本橋の三越の食堂で「ハットケーキ」というメニュー名で出されました。
これが、私たちの誰もがイメージできる、バターとメープルシロップがトッピングされた、あの姿の食べ物だったそうです。
ちなみに「ハットケーキ」のネーミングは、ホットケーキをネイティブに発音したものです。
パンケーキの「パン」が、食パンなどの「パン」と間違われないよう、焼き立てをイメージできる「HOT CAKE」(ハットケーキ)にしたと言われています。
西洋から入ってきたパンケーキは、ホットケーキというハイカラなデザートとして、庶民の憧れの存在となっていきました。
震災復興の陰には、温かくて美味しいホットケーキがあったんだね。
ホットケーキミックスが登場したのは昭和
1931年(昭和6年)、ホーム食品が家庭用に「ホットケーキの素」を発売しました。
この手軽で便利なホットケーキミックスの登場で、家庭でも憧れのホットケーキが食べられるようになりました。
これを機に、各製粉会社がホットケーキミックスに参入。
1957年(昭和32年)には、生地に甘みのある「森永ホットケーキの素」が販売されると大変な人気を博し、日本では、ホットケーキといえば甘いものとして浸透されるようになっていきました。
ホットケーキは家庭だけでなく、ホテルやデパートで、そして喫茶店やパーラーのスイーツとして、日本のパンケーキは「ホットケーキ」というスタイルで独自の発展を遂げていったのです。
パンケーキブーム到来!二つの人気店の上陸
そんな日本の家庭料理ホットケーキは、一変することとなります。
bills
2008年(平成20年)、オーストラリア発の「bills」というレストランが日本に上陸。
billsとは、ニューヨークタイムズ紙が「世界一の朝食」として取り上げたことがきっかけで広まった、オーストラリア・シドニー発祥のレストランです。
ハリウッドセレブたちも足繁く通っている人気店として知られ、テレビや雑誌などのメディアにたびたび取り上げられていたことで、当時の日本でも話題を呼んでいました。
そこで提供された「リコッタパンケーキ」は、今までのホットケーキとは明らかに違うビジュアル、食感、味わいだったのです。
若い女性やグルメたちには、まるで黒船襲来のごとく衝撃を受けたそうです。
本来「スクランブルエッグ」で有名なレストランだったのですが、日本では瞬く間に「パンケーキ」で有名なレストランになりました。
Eggs’n Things
そして2年後の2010年(平成22年)、決定的なブームのきっかけとなったのは、東京・原宿に、ハワイ発の「Eggs’n Things」というレストランが登場したことです。
生クリームたっぷりに、季節のフルーツとソースをトッピングした、フォトジェニックな「映えスイーツ」として提供したことで、人気が爆発!
「行列ができる店」としてメディアに取り上げられて以来、原宿には次々とパンケーキ店が出現していき、「パンケーキの聖地」と化していきました。
SNSをちょっと覗けば、「パンケーキ」の虜になっている人々が続出。
もはやホットケーキという呼び名は影を潜め、パンケーキという名前が世間の主流となっていったのです。
現在でもパンケーキは、自宅で楽しめるお菓子としても、カフェメニューのスイーツとしても親しまれていますよね。
ガッテン流!ふっくら美味しいパンケーキを作ろう!
スーパーには、いろいろなホットケーキミックスが売っていますよね。
手軽に作るには、製粉メーカーの企業努力の結晶を使わない手はありません。
NHK『ためしてガッテン』で紹介された内容によると、ふっくら系を作るには「ちょっとしたコツ」があるようです。
- STEP1卵と牛乳は、先に混ぜます。
ミックスも最初から混ぜてしまうとグルテンが形成され、ふっくらとしなくなるからです。
- STEP2ミックスを加えたら、軽く混ぜるのみ。
20回くらい、大きくざっくりと混ぜます。少しダマが残るくらいでOK!
- STEP3油を薄く塗り、中火で一分間予熱します。
- STEP4濡れふきんでフライパンを1秒間冷まします。
そのまま焼くと大きな穴がボコボコ空いた、見栄えの悪いホットケーキになるからです。
- STEP5弱火にします。
- STEP6なるべく高い位置から生地を一気に落とします。
こうすると丸くなりやすいのです。
- STEP7表を3分間、焼きます。
生地に火が通り過ぎると膨らみが悪くなります。プツプツと小さな泡がでたら・・
- STEP8ためらわず一気にひっくり返します。
水平に落とせば、焼く面が均一になります。
- STEP9ここで、ふたをします。
生地の中心まで均一に火が通り、うまく焼くことができます。
- FINAL!裏は2分間焼きます。完成!
上の10個の工程を守るだけで、弾力のあるふっくらモチモチ、厚みのあるパンケーキに仕上がります。
こちらの動画もぜひ参考にしてみて下さいね。
さらにふっくら裏ワザ!
上のポイント以外にも、ふっくらと膨らませるいくつかの裏技があるようです。
パンケーキを作る機会があれば、ぜひ参考に作ってみて下さいね。
ヨーグルトを入れて化学反応を起こす
卵液の中に「ヨーグルト」を混ぜると、ベーキングパウダーが反応し、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。
この炭酸ガスによって、ふっくらと弾力のあるパンケーキができます。
ミックス200gに対し、ヨーグルト大さじ1~2程度でOKです。
マヨネーズを入れて化学反応を起こす
こちらも、ヨーグルトと全く同じ原理です。
卵液の中に「マヨネーズ」を混ぜると、ベーキングパウダーが反応し、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。
この炭酸ガスによって、ふっくらと弾力のあるパンケーキができます。
ミックス200gに対し、マヨネーズ大さじ2程度でOKです。
出来上がりにマヨネーズの味は残りませんので、ご安心くださいね。
スポンジケーキみたいにメレンゲを作る
卵を白身と黄身に分け、卵白をメレンゲ状にしっかり作ってから加えると、よりふっくらと仕上がります。
ぜひお試しくださいね!
おわりに
「ホットケーキとパンケーキは同じもの」とは言いますが、厳密にいうと、パンケーキの一種がホットケーキだったようです。
今はお店屋さんに行かなくても、おうちでホットケーキミックスを使って、まるでお店のようなふわふわで美味しいパンケーキを作ることができます。
毎月10日はパンケーキの日ですので、月に1度の新しみな習慣のひとつとして、美味しいパンケーキを味わってみてはいかがでしょうか?