生花のような状態で美しさを保つ、プリザーブドフラワー。
購入すると高額なので、なかなか手が出せないと思っている人も多いのではないでしょうか?
でもプリザーブドフラワーは、家庭でも簡単に作ることができるのです。
そこで今回は、プリザーブドフラワーの基本の作り方2種類と、可愛いアレンジ方法もご紹介いたします。
プリザーブドフラワーとは?
プリザーブドフラワーとは、生花に特殊な保存加工をして、「水やりなし・日光なし・お手入れなし」で長い期間楽しめる花のことです。
ドライフラワーと違って枯れることもなく、まるで生花のようなソフトな状態が長く続くことが、大きな魅力です。
保管状態によりますが、数ヶ月~数年にわたって鮮度ある美しさを保つといわれています。
生花との違いはどんなもの?
プリザーブドフラワーを初めて目にする人は、本物の花と見間違う人もいるほどで、その質感のリアリティは素晴らしいものがあります。
生花との違いを挙げるならば、このようなものです。
このことから、生花では表現しきれなかった、デザイン性に富んだ作品をつくることができます。
ブリザードフラワーと言い間違える人が多い
プリザーブドフラワーと似た単語で、ブリザードフラワーやプリザードフラワーなどと、誤って呼ばれることがあります。
これは「プリザーブド」という英単語が日本では馴染みがないため、間違えて「ブリザードフラワー」や「プリザードフラワー」、「ブリザーブドフラワー」などと呼ばれてしまうのです。
中でも、ブリザードフラワーと間違えている人が多く、凍らせた花のことだと思っている人もいるようです。
プリザーブドは英語でpreservedと書き、「保存された」という意味です。
せっかくなので、正式名称で覚えたいですね。
プリザーブドフラワーに向いている花は?
プリザーブドフラワーを作るには、どんな花でも上手くいくわけではありません。
向いている花と、そうでない花があります。
向いている花の特徴は、「花びらが多く、厚くしっかりした花」です。
具体的には、以下のような花が向いています。
この他にもプリザーブドフラワーにしている花もありますが、初心者にはかなり加工がしにくいです。
プロや慣れている人なら綺麗にできますが、多くの場合は綺麗に着色できなかったり、作れたと思っても寿命が短かったりします。
最初のうちは、向いている花を使って挑戦してみるのがおすすめです。
花の「状態」も超重要
向いている否かは、花の種類だけではありません。
花の鮮度が悪いと、綺麗なプリザーブドフラワーができません。
ですので、次のような花を選んでみてください。
新鮮で綺麗な花を選んで作りましょう!
意外と簡単!基本の作り方
プリザーブドフラワーの基本的な作り方は、意外と簡単です。
大まかな流れは、大きく分けると以下の4ステップです。
工程が少ないぶん比較的簡単にできますが、作業工程だけで2日〜3日かかります。
それでも家庭で作るには、時間がかからない方法です。
なぜなら専用の薬剤を使用するため、時間短縮となっています。
慣れないと手間取ることがあるかもしれませんが、何度も挑戦してコツをつかめば、綺麗に作れるようになりますよ。
用意するもの
- 花
- A液(脱水用・脱色用)※1
- B液(着色用) ※1
- 花を入れる密閉容器(ジャムの空き瓶でもOK)3個
- ピンセット
- 乾燥台 ※2
基本の作り方
①花を切る
出典;https://www.youtube.com
花の茎を、アレンジメントしやすい長さに切ります。(おすすめは花の根元から2~3cm)
②脱色する
出典;https://www.youtube.com
容器に花を入れ、その上からA液を花が隠れるくらい注ぎます。
ピンセットで茎をつかみ、軽く揺り動かして花びらの間の空気を抜いたら、容器の蓋をシッカリ閉めましょう。
※花が浮いてきてしまうなら、アルミ箔で落とし蓋をすると良いです。
③ 花の色が無くなくなるのを待つ
出典;https://www.youtube.com
5〜6時間ほど経つと、花の色が無くなってきます。
④別の容器に移す
出典;https://www.youtube.com
12時間ほど経つと、A液が黄色くなってくるので、ピンセットで花を取り出し、別の容器に移します。
花が固くなっているので、傷つけないようにご注意ください。
⑤着色する
出典;https://www.youtube.com
花全体が隠れるくらいB液を注ぎ、容器の蓋をシッカリ閉めます。
※花が浮いてきてしまうなら、アルミ箔で落とし蓋をすると良いでしょう。
⑥また別の容器に移す
⑥12〜24時間ほどで花に色が着くので、ピンセットで静かに花を取り出し、また別の容器に移します。
出典;https://www.youtube.com
⑦すすぐ
出典;https://www.youtube.com
容器にA液を注ぎ、1分ほど揺り動かしてすすぎます。
⑧乾燥させる
出典;https://www.youtube.com
ピンセットで静かに花を取り出し、乾燥台に乗せ、形を整えて乾燥させます。
花びらのベタベタする感じがなくなれば、完成です。
安く作るにはグリセリンとエタノールを使おう
プリザーブドフラワー専用の薬剤は、結構高いですよね。
もっと安く作りたいなら、グリセリンと消毒用エタノールを使ってみてはいかがでしょうか。
ただ欠点としては、前の章の「基本的な作り方」よりも、完成までに時間がかかってしまうことです。
用意するもの
- 花
- 消毒用エタノール(メタノール)
- 精製グリセリン
- インク(万年筆用、または100均のプリンター用補充インク)
- 花を入れる密閉容器(ジャムの空き瓶でもOK)3個
- ピンセット
- 割り箸
- 乾燥台
経済的な作り方
脱色するのに1日、着色するのに1日ほどかかります。
乾燥も含めて完成するまでに、5日~10日はかかると考えましょう。
「時間がかかっても材料費を安くしたい」
そんな方は、こちらの作り方で作ってみてくださいね。
ポイントは、グリセリン液を35℃程度に温めることです。
このちょっとしたひと手間が、着色料の浸透性が高まり、綺麗に仕上がります。
プリザーブドフラワーをプレゼント用にアレンジしよう
プリザーブドフラワーを作ることができたら、次は、綺麗に飾って楽しめるようにアレンジしてみたいですよね!
100均に売っている材料でもできますので、手軽に安く作れます。
アレンジする時は、次の4つの点を意識してみてください。
これを意識するだけで、お店に売っているようなクオリティのものが作れてしまいます。
アイデア次第で様々なオリジナリティを出せますし、お店で売っているものなどを参考に、アレンジの腕を磨いていくのも良いですね。
ぜひ自分の思い描くものを作ってみてくださいね。
プリザーブドフラワーアレンジ【母の日】
母の日の定番の花は「カーネーション」。
プリザーブドフラワーにしやすい花の1つです。
カーネーションを使ったアレンジをして、プレゼントしてみてはいかがでしょうか。
手作りプリザーブドフラワーで、手作りのアレンジ。
きっとお母さんも、心から感激してくれること間違いありません!
ガラスドーム
動画ではバラを使っていますが、これをカーネーションに変えて作ってみてはいかがでしょうか。
参考にしてみてくださいね。
【材料】
- ガーランドパール
- 花器
- 固定用りぼん
- サハラ
- かすみ草
- バラ(カーネーションでもOK)
- アートリーフ
- ワイヤー
フラワーボックス
動画は造花を使っていますが、もちろんプリザーブドフラワーでも問題ありません。
あまり花を詰めすぎると、プリザーブドフラワーが壊れてしまう恐れがあるのでご注意下さい。
動画ほど花を詰めなくても、バランスよくできれば綺麗なフラワーボックスになります。
ペーパークッションを入れる前に、底にオアシスを敷き、花を挿して動かないように固定してもいいですね。
いつも身近で飾れるよう、壁掛けにもなる額アレンジもおすすめです。
【材料】
- プリザーブドフラワー
- ウッドボックス
- フォトフレーム(L版サイズ)
- ペーパークッション
- ペンキ
- 刷毛
- ボンド
- 両面テープ
- ペーパークッション
- 飾り(ビーズやレースなど)
プリザーブドフラワーアレンジ【誕生日】
誕生日と言ったら、やはり花束が嬉しいですよね。
手間いらずなプリザーブドフラワーなら、忙しい人にもピッタリではないでしょうか。
このような壁掛けにアレンジした花束なら、どこに飾ってもサマになるのでおすすめです。
【材料】
- バラ
- あじさい
- ハートリーフ
- シルバーデージー
- アナハリス
- 姫小判草
- ペッパーベリー
- かすみ草
- サンウィーバイン
- 飾り(リボン・パールピック・ベリーペップ)
- フローラルテープ
- ボンド
- グルーガン
などを使用しているそうです。
実際に作るときは、全部揃える必要はなく、好みの材料で花束感を出してみて下さい。
メインのバラはプリザードフラワーで、それ以外の飾りは100均で揃えることができます。
思いついたアイデアをそのままに、あなたらしいアレンジをしてみてくださいね!
プリザーブドフラワーアレンジ【結婚祝い】
結婚祝いの贈り物に、プリザーブドフラワーをあしらったフォトフレームなんていかがでしょうか。
白いパールをつけたら華やかさが増しますね。
何を作ろうか考えている方は参考にしてみてください。
【材料】
- バラ
- ワイヤープランツ
- パール
- かすみ草
- あじさい
- フォトフレーム
プリザーブドフラワーを綺麗に保存できる年数は?
生花のように美しいプリザーブドフラワー。
しかし、永遠に綺麗な状態が保たれるわけではありません。
ヨーロッパの気候では10年ほど持つようですが、湿気の多い日本では、だいたい1〜2年だと言われています。
保存状態によっては、5年ほど持つ場合もあるようです。
せっかくのプリザーブドフラワー、寿命が1年なんてもったいないですね。
ぜひ綺麗な状態を長く保てるよう、次の保存方法を実践してみてください。
長持ちさせる保存方法3つ
プリザードフラワーの弱点は、「湿気」と「直射日光」です。
プリザーブドフラワーを湿度の高い日本で長く持たせるために、工夫していく必要があります。
快適な環境で花を保存して、少しでも長く綺麗な花を楽しみましょう!
①高温多湿な場所に置かない
プリザーブドフラワーを高温多湿な場所に置いておくと、花びらが透明になったり、着色液がしみ出てきたり、ひび割れてしまうことがあります。
特にキッチンや洗面所では痛みやすいため、これらの場所に飾るのはおすすめできません。
プリザーブドフラワーは、温度が18〜25℃、湿度が30〜50%の環境だと、長くキレイに保存できるといわれています。
夏にはエアコンなどを使って、空調を整えてあげることが大切なようです。
②直射日光はNG
よく見える場所に飾りたいものですが、直射日光を浴びせてしまうと、ひび割れ・色あせの原因になってしまいます。
直射日光だけでなく、スポットライトのような強い照明も良くありませんので、風通しの良い涼しい場所に置くようにしましょう。
③クリアケースに入れる
湿気対策としては、クリアケースやガラスケースなどに入れることがおすすめです。
そのときに、見えない場所にシリカゲルなどの乾燥剤を入れておくと良いでしょう。
ほこりがついてしまったら?
クリアケースにいれていない状態では、どうしても花にほこりが付いてしまいますが、手でほこりを払ってしまうと、花が壊れるので気をつけましょう。
ほこりが付いた際には、
- お化粧用のチークブラシなどで、そっとほこりを払う。
- ドライヤーの弱風で、ほこりを飛ばす。
このどちらかの方法で払いましょう。
おわりに
プリザーブドフラワーの作り方は工程が少ないため、意外と簡単だと感じるかもしれませんね。
ただ綺麗に作れるようになるには、回数を重ねて、慣れやコツをつかむ必要があります。
失敗しても繰り返して、綺麗に作れるまで何回でも挑戦してみてください。
ぜひ今年の母の日や誕生日は、心を込めた手作りプリザーブドフラワーを、プレゼントしてみてはいかがでしょうか。