2019年 十三夜はいつ?意味や由来、お供え物や片見月についても紹介します

お月見と言ったら十五夜を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし実は十五夜以外にもお月見をする日があります。

それは十三夜です。
始めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。

ここでは十三夜の意味や由来などをご紹介していきます。

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十三夜とは

十三夜1

日本の秋は美しいですね。空は澄みわたり、樹々の葉はたちまち色づきます。

美しい秋の季節は短く、そのあとに長く厳しい冬がやってきます。

そんな深まる秋のなかで、中天に澄み昇るお月様を眺める日「十三夜」

読み方は「じゅうさんや」といいます。

この日が一年のうちで2番目に美しい月夜とされています。

有名な「十五夜」の、およそ1ヶ月後に巡ってくるのが「十三夜」です。

その夜はすすきを飾り、十五夜のように月見団子や秋の収穫物をお供えして、お月見する風習があります。

もちろん、美しい月を鑑賞するとともに、この時期は稲作の収穫を終える地域も多いことから、秋の収穫を感謝する意味もあるといわれています。

中国から十五夜の風習が入ってくるよりも前から、日本には独自の「十三夜」の風習がありました。

ここでは、現在忘れかけられている「十三夜」に目を向けてみましょう。

十三夜の歴史

十五夜は中国が発祥ですが、十三夜は日本発祥の風習です。

延喜19年(919年)に、十五夜の宴に加え、9月13日の月夜を「十三夜」と呼び祝うようになったというのが、最初の記録として残されています。

しかし実は民間には、十三夜は十五夜よりもずっと広く普及していた風習でした。

なぜなら当時、十三夜の月の出具合によって、翌年の作物の豊凶を占っていたためです。

十五夜が普及すると、「十五夜が大麦」「十三夜が小麦」の作柄を占うようになり、よく晴れれば豊作になると考えられ、非常に大きな意味を持つ月夜だったそうです。

このように庶民たちは、中国伝来の「美しい満月を観賞する風習」と違い、収穫を迎えた喜びと感謝、また農作物が豊作になることを願い、十三夜の月を愛でていたのです。

現在では、「十三夜」も話題にならないほど遠いものになってしまいましたが、そんな先人たちの歴史に思いを馳せながら、何ひとつ変わらない光で澄み輝いている十三夜の月を眺めてみるのもいいですね。

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2019年の十三夜はいつ?

お月見ができる「十三夜」はいつなのでしょうか。

今年は10月11日(金)が十三夜です。

十三夜は、満月よりも左側が少し欠けた月を見ることができます。

それから満月になるのは3日後の10月14日(月・祝)です。

2018年の十三夜はこのような感じでした。

十五夜はあいにくの曇り空でしたが、十三夜では秋晴れとなり、澄んだ空気にくっきりと美しい月が浮かんでいました。

十五夜の時期は、秋雨前線の影響で天気がすぐれないことも多いのですが、十三夜は「十三夜の曇りなし」という言葉もあるほど、比較的晴れることが多いようです。

十三夜は満月じゃない?

十三夜2

そもそも十三夜は、満月を見られることはありません。

古来より日本人は、満月よりも少し欠けている月に、そこはかとない美しさを見出し、趣きを感じていたのです。

「月は満月よりも、幾分欠けているほうが風情がある」
清少納言の有名な言葉です。

「不足の美」「未完成の美」「余白の美」「引き算の美学」 という、日本人独特の美的価値観によって、満月よりも少し欠けている十三夜の月のほうが美しいともいわれていました。

目に見えるものが全てではなく、大切なものは人々が心の中で完成させたものが本当の美であるとされ、月が欠けた部分はその美しさを、より引立たせる大切な要素でした。

西洋の美とされる、均整で完璧を求めるスタンスに比べると、人々の「美」に対する感覚は一様ではないことがわかりますね。

こうした美意識は、月だけでなく、絵画や建築や工芸品、和歌など、日本文化の全てにおける根底に表れています。

このような美意識を生んだ背景には、豊かな自然環境の中で、季節のうつろいを楽しみ、自然と一体となって生きてきた歴史があったためといわれています。

現在では、世界の多くの文化との交流のなかで、日本文化は変わる部分と変わらない部分を保っており、日本人の美意識や考え方そのものが、たくさんの世界の人々にも受け入れられるようになっています。

今年は十三夜の月を見て、昔の人の感性と、現代を生きる自分の感性の違いを体験してみるのも面白いですね。

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十三夜は毎年日にちが違う

十三夜日にち

旧暦の9月13日を「十三夜」と呼びます。

ですので新暦に置き換えると、十三夜はこのような日程になります。

2019年 10月11日
2020年 10月29日
2021年 10月18日
2022年 10月8日
2023年 10月27日
2024年 10月15日

旧暦では9月13日と固定されていますが、新暦では毎年日にちが違い、10月初旬~下旬頃にあたります。

これは、旧暦は月の満ち欠けによって月日を数えることを基準にしていたので、現在の太陽の進行を基準にしている新暦とはズレが生じるためです。

十五夜も同様ですが、これだけ幅があると毎年早めに暦を確認しなくてはいけませんね。

十三夜が2回来る!?

旧暦の場合、季節とのズレを調整するために、3年に1度、月と月の間に「閏月(うるうづき)」というものが挿入され、1年が13ヶ月になります。

そのため、9月と10月の間に「潤(うるう)9月」があると、9月の十三夜が2度訪れます。

その2度目の十三夜のことを「後の十三夜(のちのじゅうさんや)」といいます。

100年~200年近くないと起こりえない非常に珍しいことなのですが、2014年は、171年ぶりに閏9月がある年で、「後の十三夜」が発生しました。

その前に「後の十三夜」があったのは、1843年(天保14年)。黒船来航の10年前です。

閏月が生じるのは単なる旧暦のうえでのことですので、特段大きく見えたり明るく見えたりするわけではなく、十三夜と同じ、欠けた月が見えるだけです。

とはいえこの希少なタイミングで立ち会えた方は、幻を見たような特別な感情を抱いたに違いありません。

なお、現在の暦法がそのまま適用されると仮定した場合、次回は90年後、2109年とのことです。
私たちは頑張っても…難しいですね…。

組織や個人が月の所有権を呼号し合う昨今ですが、2109年になっても、十三夜に余情を感じる日本人の誇れる感性をつないでいてほしいですね。

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十三夜のお供え物は?

十三夜栗

十三夜も、十五夜と同じようにお供え物をし、お月見をします。

お供え物は、十五夜の時と似ています。

  • 月見団子(13個)
  • 季節の果物や野菜
  • すすき(もしくは秋の七草)

これらを月見台に置き、お月見をします。

月見団子の数は、現在では十五夜が15個に対して、十三夜は13個供えるのが一般的です。

積み重ね方は、下から8個、4個・1個です。

季節の果物や野菜も、この頃にちょうど収穫期を迎える栗や枝豆(または大豆)がお供え物の主役となります。

すすきを飾ったら部屋の明かりを消して、お月見ムードを盛り上げましょう。

詳しいお月見のやり方は、十五夜の記事をご参照下さい。

片見月とは?

十三夜3

十五夜にお月見をしたら、十三夜にもお月見をするのが一般的です。

これは十五夜にしかお月見をしないことを「片見月(かたみつき)」といって縁起が悪いとされ、翌月の十三夜も見るべきとされていたためです。

さらに江戸時代では両方の名月を眺めるばかりでなく、「同じ場所で眺めること」とまで考えられていました。

そのため江戸の人々は、十五夜によそで月を眺めた時には、十三夜の日にもわざわざ同じ場所に出かけて行って月を眺めたそうです。

それが面倒で、十五夜・十三夜の日には外出を控えたという人もいたほど、片月見を忌むという慣習は定着していました。

このことから江戸時代の吉原遊郭では、2度目のお客を呼ぶための口実にもしていたそうです。

吉原ではどちらの日も「紋日(もんび)」と呼ばれる特別な日に設定し、お客達はいつも以上に気前のよいところを見せようと散財したといわれています。

昔の人の営業戦略は、日本の企業経営の源流ともいえますね!

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十三夜の別名とは

十三夜にはいくつかの別名があります。

関連性や占いなど、日本らしい味わい豊かな名前がありますよ。

「栗名月」「豆名月」

十三夜の時期は、お供え物に出す栗や枝豆が、ちょうど食べ頃になることから、「栗名月」や「豆名月」ともいわれています。

十三夜は、お供え物もその名前にふさわしく用意されるのが習慣となりました。

「後の名月」

十五夜のことを「中秋の名月」と呼ぶのに対して、十三夜は「後の名月(のちのめいげつ)」とも呼ばれています。

中秋の名月の後に巡ってくるもうひとつの名月であることから、その名の由来とされています。

「小麦の名月」

十三夜の夜の月の出具合によって、翌年の小麦の豊作、凶作を占う風習からきています。

主に新潟県の佐渡や長野県の北安曇郡などでそのような占いが行われていたとされ、その地方で呼ばれる別名です。

樋口一葉の「十三夜」とは?

十三夜樋口一葉
出典;http://suwachiharu.seesaa.net

十三夜といえば、樋口一葉の短編小説の「十三夜」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

樋口一葉の描く十三夜は、日本文学史上に残る傑作といわれている作品です。

夫からの仕打ちに耐えかねて離婚を決意しますが、一人息子を失うことを怖れて離婚をとどまり、かつての初恋の男性と偶然再会するもその思いの内を伝えることなく別れ行く。
そんなままならぬ運命に涙する女性の姿を、憂いをおびた十三夜の月が照らし出すという、叙情的な悲哀を描いたものです。

十三夜の月が煌々と照らされているにもかかわらず、柳が風でなびいて寂しさが一層際立つ描写がされています。

そんな「十三夜」の世界は、まさに十五夜には存在しえなかった、詩情ともいうべき情景描写が実に見事です。

秋の夜長は、読書をしながらゆったり過ごすのもいいですね。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

十三夜は、十五夜と同じく名月を鑑賞する習慣です。

澄んだ大気に包まれ、美しい月を眺めたり、虫の声に耳を傾けたりしながら、ゆったりと心を癒してみてはいかがでしょうか。