除菌・殺菌・抗菌・滅菌・消毒の違いは知っていますか?最強はどれ?

薬局やスーパーなどの売り場に行くと、「除菌」「殺菌」「抗菌」「滅菌」などの様々なワードがつけられた商品がありますよね。

どれも同じような効果があると思ってしまいませんか?

実は、どれも意味が違いますので、買う前に知っておきたいですね。

そこで今回は、それぞれの効果の違いや、1番効果のあるものはどれなのかもご紹介していきす。

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〇〇菌ワードのそれぞれの違いとは?

殺菌する子ども

「滅菌」、「滅菌」、「抗菌」、「滅菌」、「消毒」。

スーパーや薬局でよく目にしますが、何がどう違うのか迷ってしまいますよね。

それぞれ5つの意味や効果について、ご紹介いたします。

除菌とは

菌を取り除くことです。

菌を殺さなくても、菌を少しでも減らせれば「除菌」と謳えるので、どの程度菌を減らすかについて定義がありません。

ですから、極端にいうと水洗いだって除菌に入ります。

食器用洗剤や洗濯洗剤などの、雑貨品表示のものによく記されていますよね。

「除菌」という表現は、薬事法上、「医薬品」や「医薬部外品」ではない商品に使われるものです。

ですので、もし殺菌や消毒効果があっても「殺菌」や「消毒」を謳うことができません。

殺菌とは

特定の菌(細菌やウイルス)を殺すことです。

ただし、殺す菌の種類や量にはっきりした定義がありません。

例えば1割の菌が殺せたけど、9割の菌が残った。これでも「殺菌」と謳うことができてしまいます。

「殺菌」という表現は、消毒薬などの「医薬品」とか、薬用せっけんなどの「医薬部外品」のみに使用できます。

滅菌とは

あらゆる菌を完全に殺すことです。

滅菌に関しては定義がはっきりしています。

菌やウイルスなどの残量が「100万分の1になる」ことを「滅菌」と決められています。

私たちは普段見かけることはあまりありませんよね。

病院で使う医療用器具や注射などに、滅菌処理がほどこされています。

抗菌とは

菌が増えるのを抑えることです。

菌を殺したり取り除くわけではありませんが、もともと菌が住みにくい環境ですよ、という意味です。

よくキッチン用品やバスルーム用品、おもちゃや文房具など、ありとあらゆるものに「抗菌」と記されていますよね。

あくまでも増やさないようにしているだけで、菌を殺す効果はありません。

消毒とは

菌やウイルスを減らしたり、無毒化することです。

必ずしも菌をすべて殺したり除去するものではなく、害の無い程度まで減らしたり、感染力を失わせて無毒化させることをいいます。

売られている消毒薬だけでなく、日光消毒・紫外線消毒・煮沸消毒・焼却消毒などの方法もありますよね。

「消毒」という表現も、殺菌と同じく「医薬品・医薬部外品」の製品に記されています。

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どれが最強?菌がなくなる王者とは

消毒用エタノールでウイルス撃退

「除菌」「殺菌」「抗菌」「滅菌」「消毒」、それぞれ5つのなかでどれが最強なのでしょうか?

それはなんといっても「滅菌」です。

順番と役割は以下のとおりです。

滅菌 > 殺菌 > 消毒 > 除菌 > 抗菌

  • 滅菌・・・完全に殺す
  • 殺菌・・・ある程度殺す
  • 消毒・・・病原性をなくす
  • 除菌・・・殺さないで取り除く
  • 抗菌・・・殺さないで増殖を防ぐ

滅菌は、有害・無害を問わず、どんな菌であっても死滅させて除去します。

それも、菌やウイルスなどの残量が100万分の1になることで「滅菌」と名乗れるという厳しい条件をクリアしたものですので、菌の除去率は最強だと言えます。

例えば「滅菌ガーゼ」などの医療用品や器具に使われています。

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除菌シートは意味がないの?効果は?

除菌シート

除菌シートといえば100均にも売っていますし、常に持ち歩いている人も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、残念ながら除菌効果はあまり期待しない方が良さそうです。

除菌シートの商品表示をよく見てみると、小さく『すべての種類の菌を除去できるわけではありません』と書かれているのはお気づきでしょうか。

わたしたちの周りには多種多様な菌が存在しているため、除菌シートを使ったことによって全ての種類の菌を除去できるわけではない、ということです。

そしてここからが問題です。

除菌という言葉は、あくまで「硬い表面」から生きた細菌数をある程度(1割でも)減らすことができれば「除菌」と表記できるのです。

硬い表面とはテーブルとかドアノブとかでしょうか?手指などの身体部分を含まないということなのです。

一生懸命手を拭いていたのに、なんだかキツネにつままれたような気分になってきましたね・・・。

そこで埼玉県消費生活センターが、除菌シートで「テーブル」を拭くテストを行ったところ、1回の拭き取りでは全ての菌を除去することはできなかったようです。

除菌シートの効果

出典;https://www.pref.saitama.lg.jp
画像クリックで拡大します

アルコールタイプ、ノンアルコールタイプでもあまり効果は変わらず(アルコールの方が若干優勢ですが)、いずれも3回目で大部分の細菌を減少させることができたようです。

ただ驚くべきは、ただの水道水で拭きとったものと何ら変わらない結果となったことです。

つまりテストの結果、除菌成分の効果ではなく、物理的な拭き取りが大きく関与している可能性があるとのことです。

詳細 埼玉県庁

テーブルでさえ3回も(新しいシートで)拭かないと除去できないのですから、手を洗えない環境なら、除菌シートは「ないよりは清潔にできる程度」と考えたほうが良さそうです。

新型コロナウイルスは、今のところアルコール抵抗性を持っていないため、アルコールの除菌効果が期待できます。

ただし、アルコール濃度は高すぎても低すぎても効果が小さくなるため、適切な濃度のものを選ぶ必要があります。

新型コロナウイルスについては、厚生労働省では70~95%の濃度のものを選ぶことが推奨され、それを1分間接触させることで効果が期待できるとされています。

ただし市販の除菌シートはそこまで高濃度のものはあまり出回っておらず(あっても高値)、手指には使用できませんので、ジェルやスプレータイプを使用することをおすすめします。

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感染症を予防をするなら手洗いしかない

手を洗う

東京都健康安全研究センターの研究によると、流水のみでもウイルス量は100分の1に、ハンドソープと使えば1万分の1に減らすことができることが実証されています。

センターによる手洗いの効果は以下の通りです。

洗い方菌の数
手を洗っていない100万個
流水だけで15秒洗う1万個
ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐ数100個
ハンドソープで60秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐ数10個
ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐ×2数個

実験結果でも、ハンドソープの種類云々より、物理的に洗い流すことのほうが効果が現れているそうです。

手を洗う時は、ハンドソープをしっかり泡立ててよく洗い流すことが最も綺麗になる方法だったようですね。

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おわりに

「除菌」「殺菌」などと書いてあるものを使えば、なんでも(ある程度は)ばい菌をやっつけてくれると思っていましたが、ちょっと違っていたようです。

健康な暮らしを守っていくには清潔が第一ではありますが、便利グッズもどれを使うべきかを見極めて、正しい使い方をすることが大切なようですね。

今後、身の回りに商品を選ぶときの目安にしてみてはいかがでしょうか。

 

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