おうち時間が長くなったといわれる昨今。
今こそ、防災対策をしっかり見直すチャンスではないでしょうか?
日本には「防災の日」という記念日があります。
今年の防災の日はいつなのか、またどのような由来があるのか、災害発生時の初期行動や備えについてもご紹介します。
防災の日とは?
私たちが暮らす日本は、世界でも「自然災害が多い国」として有名です。
例えば、地震でいうと、日本の国土の広さは全世界のたった0.28%しかないのに、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の2割は、日本で発生しています。
近年では、震度4以上の地震が毎年40回以上も発生しています。
地震だけでなく、毎年のようにやってくる、台風、集中豪雨、豪雪、津波、干ばつ、冷害など、その被害をあげればキリがないほどです。
そこで、わたしたちが防災の備えを意識するために制定された「防災の日」という記念日があります。
防災の日は、毎年9月1日。
この防災の日を含む1週間は「防災週間」として、全国の自治体や学校で、さまざまな防災関連のイベントが行われます。
2022年の「防災の日」と「防災週間」はいつ?
防災の日は毎年9月1日、防災の日を中心とした1週間が防災週間となっています
今年の「防災の日」と「防災週間」は、いつなのかご紹介します。
防災の日
防災の日は、毎年9月1日です。
2022年は、9月1日(木)が、防災の日です。
防災週間
防災週間は、毎年8月30日~9月5日の、7日間です。
2022年は、8月30日(火)~9月5日(月)が、防災週間となっています。
防災週間とは、9月1日の防災の日に合わせて、「防災意識を強化する期間」となっています。
1983年5月に中央防災会議によって定められた、防災の日よりも新しい制定日です。
この1週間、国や自治体などによって、防災訓練や防災知識を高めるための講演会、ポスターの展示など、各種イベントが行われます。
防災の日は祝日?
防災の日は、記念日ではありますが、祝日ではありません。
また、曜日も関係なく、「毎年9月1日」で固定されています。
防災の日の由来とは?
なぜ9月1日が、防災の日となったのでしょう?
それには、歴史に残る過去の大災害に関係した2つの理由がありますので、ご紹介します。
①関東大震災
出典;https://morinoproject.com
9月1日を防災の日となったのは、今から101年前に日本を襲った巨大地震、「関東大震災」がきっかけです。
なにしろ101年前の地震ですから、そもそもよく知らない、という方も多いのではないでしょうか?
では、どんな災害だったのでしょう。
1923年(大正12年)9月1日、午前11時58分、関東地方を中心に、マグニチュード7.9の大震災が襲いました。
最大振り幅はなんと20センチという、想像を絶する恐ろしい規模の地震でした。
地震そのものの揺れでは、建物の倒壊・山崩れ・崖崩れの被害。
沿岸部では、津波による被害。
お昼ご飯の支度の時間帯だったことから、火災による被害。
東京だけでも140~150件の火災が同時発生し、三日三晩燃え続けたことで、東京の80%を焼き尽くしました。
こういった不運が重なり、死者・行方不明者は、じつに14万人にものぼるという、空前の大惨事となったのです。
ぼくたちが経験した「東日本大震災」での死者・行方不明者は、およそ2万人。
そう考えると、関東大震災の規模がいかに凄まじいものかがわかるね・・。
これは、明治以降の日本の地震被害としては「最大規模の被害」となっており、これはつまり、日本災害史上、最大級の大地震といっても過言ではありません。
この震災で亡くなった方々を追悼をしようと、9月1日は「震災記念日」とし、午前11時58分を期して、追悼会、慰霊祭、祈祷会などが行なわれるようになりました。
そして1960年(昭和35年)、この震災を教訓として、災害への備えを怠らないようにしようとの戒めをこめて、9月1日を「防災の日」として制定されたのです。
②伊勢湾台風
もう一つの理由としては、9月は台風シーズンを迎える時期にあたる、ということが挙げられています。
古くから日本では、9月1日頃は、立春から数えて210日目ということで、『二百十日』という雑節のひとつがあり、台風が来襲する厄日とされていました。
ただ統計的にみると、過去に大きな被害を発生させた台風は、9月半ば以降からです。
ですので、9月1日頃が特に台風が来襲しやすいというわけではなく、台風期を控えての警戒期ということです。
出典;https://ja.wikipedia.org
防災の日が制定された前の年、1959年(昭和34年)年9月26日には、ほぼ全国にわたって甚大な被害をもたらした「伊勢湾台風」が発生しました。
死者・行方不明者の数は5,000人を超え、明治以降の日本における台風災害としては史上最悪の惨事となりました。
こうしてみると、昔からの「二百十日」は単なる知恵のひとつではなく、近代の日本の自然災害と深く結びついているようです。
大災害となった伊勢湾台風の教訓は、以後、いろいろな防災対策に生かされてきました。
9月1日の「防災の日」は、台風災害を思い出すにも意義のある日にもなっています。
防災の日に備えよう!実践編!
日本は自然災害が多い国ですが、その発生タイミングは年々さま変わりしてきています。
だからこそ常に、命を守るための行動や災害時の生活をシミュレーションしておく必要があります。
この項では、「地震発生時」の初期行動などを下記にまとめましたので、ぜひチェックをしてみて下さいね。
地震だ!地震発生時の初期行動!
- STEP1すぐに身を守る態勢に!
落下物に注意。
第一に頭を守る(そばにクッションがあれば使う)。 - STEP2揺れが収まったら
靴やスリッパで足を保護する。
- STEP3火の始末
安全を確かめて、落ち着いて消火。
もし出火していても、1~2分程度では拡大しない。近くの消火器やバケツを用いて消火活動を。 - STEP4家族の無事を確認
救護・手当など。
- STEP5出口を確保
窓や戸を開ける。
- STEP6状況を確認
必要ならば避難。
状況に応じて順番は変わることもあると思います。
まずは、命を守ること、けがをしないことを最優先です。
家を離れる時の行動!
- STEP1電気のブレーカーを落とす
- STEP2ガスの元栓を閉める
- STEP3コンセントを抜く
- STEP4窓、ドアの鍵をしめる
- STEP5ドアに張り紙をする
「〇〇に避難しています」という家族の状況を書いた紙をドアに貼る。
- STEP6徒歩で避難する
車を使うと渋滞を引き起こし、緊急車両の妨げになるため、特別な場合を除き徒歩が原則とされています。
災害時の行動はどうするか、家族ルールを話し合って決めておきましょう。
主に、待ち合わせ場所・避難場所・ルートの確認です。
在宅避難する場合
自宅で安全が確保できる状況であれば、在宅避難をしましょう。
これには事前に住宅の耐震化を行い、備蓄品を日頃から備え、可能なかぎり在宅避難できる準備を整えておくことが大切です。
こちらの記事には、災害用非常食を買わなくても、いつものスーパーで買える非常食の備えについてまとめています。
防災グッズを点検する日があります
防災グッズ・非常食の点検が推奨されている、「防災用品点検の日」というものがあります。
防災用品点検の日は、年に4回あります。
3ヶ月に1回の、季節の変わり目となる時期となっています。
このような項目でチェックしてみて下さい。
季節によって必要な衣類も違いますよね。
防災グッズは、災害時に使用できなくては意味がありません。
3ヶ月に1回、定期的に見直して、入れ替えておきましょう。
おわりに
「天災は忘れた頃にやってくる」とは言われていますが、近年では、忘れる暇もないくらい、毎年のように大規模な災害が起きていますよね。
将来的には、未曾有の規模の自然災害が起きることが、各方面のデータから示されています。
その災害はいつ起きるかわかりません。
だからこそ、命を守るための行動を、繰り返しシミュレーションする「防災の日」があります。
歴史に残る過去の大災害を知ることで、その教訓から学び、被害を少しでも減らしていきたいですね。