雨が続いた後に、しばらく使っていない和室を開けてみたら、畳にカビが生えていた!なんてことはありませんか?
すぐに掃除したいところですが、実は畳のカビをそのまま掃除するのはNGなのです。
そこで今回は、畳のカビの正しい除去方法と、その後の簡単な予防方法もあわせてご紹介します。
畳のカビ掃除でやってはいけない方法
畳にカビが生えているのを見つけたら「急いで取らなきゃ」と、雑巾で拭いてしまいたくなりますよね。
でもちょっと待って!
畳のカビは、やみくもに掃除しても取れることはほとんどなく、ますます悪化してしまう可能性があるのです。
とくに、以下のような対処法は絶対にやらないでください。
水拭き
畳を濡れた雑巾で拭くのはNGです。
畳の湿度が上がり、カビのエサとなってさらに増殖してしまう原因になります。
乾拭き
逆に乾いた雑巾であっても、カビを拭き取ることはおすすめしません。
カビの胞子が畳の目の中に入り込んでしまい、その後の掃除の労力が増えてしまうことのなります。
掃除機
カビは掃除機でも吸えますが、排気口から部屋の中にまき散らしてしまうことがあります。
また、カビの胞子が畳の目の中に入り込んでしまう可能性もありますので、状況を悪化させないためにも、やめておきましょう。
畳にカビが生えているのを発見した場合は、次の方法で対処しましょう。
エタノールが効果的!畳のカビ取り方法
畳に生えたカビを取り除くには、やはり殺菌・除菌の定番「消毒用エタノール」を使うのがおすすめです。
ドラックストアなどでも購入できますし、他の道具は100均で揃います。
用意するもの
- 消毒用エタノール・・・適量
- スプレーボトル・・・1本
- たわし・・・1個
- 乾いたタオル(雑巾など)・・1枚
- マスク・・・1枚
- 掃除機
畳に生えたカビの掃除のやり方!
①部屋の窓を開けて風通しを良くし、マスクをします。
②消毒用エタノールをスプレーボトルに入れ替えます(ボトルの半分くらいでOK)。
出典;https://youtu.be
③カビの生えた畳に、まんべんなく噴きかけます。
出典;https://youtu.be
カビ菌はエタノールで殺菌されますので、しっかり噴きかけていきましょう。
④エタノールが乾いたら、畳の目に沿って、たわしでブラッシングしていきます。
出典;https://youtu.be
カビの死骸を掻き出す感覚で、上向きに浮き立たせながら、一定方向にブラッシングしてくださいね。
⑤描き出したカビの死骸に、もう一度エタノールを噴きかけます。
出典;https://youtu.be
⑥カビの死骸を掃除機で吸い取ります。
出典;https://youtu.be
この時、掃除機は畳の目に沿って、全体的に掃除機をかけて下さい。
排気で舞い上がらせないよう、掃除機の本体を持ち上げながら、ゆっくりとかけると良いでしょう。
⑦カビを除去し終えたら、仕上げに乾いた雑巾で畳の水分をしっかり拭き取って、完了です。
畳以外にもカビが発生している場合がありますので、周辺を確認してみて下さいね。
畳のプロによる解説は、こちらの動画からチェックしてみて下さい。
畳に黒カビのシミが残った!しっかり除去掃除するには?
畳に生えたカビが、根深い黒カビだった場合は、前章のようにエタノールを使って掃除をしても、「黒いシミ」が残ってしまう場合があります。
そのようにシミになってしまった場合は、「漂白」して除去することができます。
ただし、シミ部分にのみ漂白するにとどめるのが基本です。
広範囲を漂白するとなると、畳が変色しまったり、畳を傷めることになりますので、おすすめできません。
用意するもの
- 酸素系漂白剤(粉末)・・・適量
- 重曹・・・適量
- 水・・・少量
- 綿棒・・・1本
- 乾いた雑巾・・・1枚
- 濡れた雑巾(固く絞る)・・・1枚
- ゴム手袋
畳のカビのシミの取り方
- 酸素系漂白剤と重曹を1:1で混ぜ、水を少し足してペースト状にします。
このペースト綿棒で畳に直接塗るものなので、水の量で使いやすい硬さに調節してくださいね。 - 綿棒を使って、ペーストを畳のカビのシミ部分に塗っていきます。
シミ以外の部分には塗らないようにして下さいね。 - 5分くらい放置し、濡れた雑巾で叩くようにしてペーストを拭き取って下さい。
- シミが取れるまで、2、3を繰り返してください。
- シミが取れたら、最後に乾いた雑巾で拭いて完了です。
畳にカビが生える原因は?
畳にカビが生えるのはやはり湿気です。
カビは湿度が70%以上、温度が25℃以上になると、発生しやすくなります。
畳はもともと、室内の過度な湿気を吸ってくれる機能があります。
ですから、「畳のカビ気持ち悪い!」と思いがちですが、カビが生える程に湿気を吸ってくれた畳に感謝したほうが良さそうですね。
そして、現状の部屋の環境を、もう一度見直してみましょう。
現代の住宅にある畳
最近の家は、和室といっても壁がクロスで覆われている部屋がほとんどですし、柱などの材木も表面加工がされてあります。
したがって、和室内では「畳」が一番湿気を溜め込みやすい条件になります。
畳以外の材質が湿気を吸ってくれないため、畳が自分の能力以上に湿気を吸わされてしまうのです。
部屋の風通しが悪い
現代の住宅は、昔の家と違って気密性が高くつくられています。
昔の家のように隙間風なんてありませんし、快適になったことは嬉しいことなのですが、空気がこもりやすくなっています。
私たちが意識的に換気をしなければ、カビが生えやすいのです。
新しい畳ほどカビが生えやすい
意外なのですが、畳が新しいという点も、カビが発生しやすい原因となります。
新しい畳ほど湿気を吸収する能力が高いため、畳を換えて1~2年程度の畳はカビが生えやすいのです。
せっかく買い換えたばかりの畳にカビが生えてしまわないよう、適度な掃除をしてしばらく注視しておきましょう。
畳のカビを生やさないための予防対策は?
梅雨などの雨が続く時期になると、発生しやすい畳のカビ。
それを防ぐには、意外に簡単な次の5つの方法で防ぐことができます。
①お酢は殺菌効果がある!
1ヶ月に1度くらい、お酢を使ってお掃除することをおすすめします。
お酢は殺菌効果があるだけでなく、畳の表面に膜をはって、汚れを防止する効果もあります。
バケツ半分くらいの水に、お酢を大さじ2杯入れ、雑巾を固く絞って拭いていくだけです。
最後に窓をしばらく開放して、畳をよく乾燥させたら完了です。
湿気の多い時期ではなく、空気が乾燥したお天気の良い日を選んで行いましょう。
②換気・風通しを良くしよう
部屋に空気がこもってしまうと、湿度が高くなり、温度も上がっていきます。
天気の良い日には窓を開放し、こまめに部屋の空気を入れ替えましょう。
また、家具と壁に隙間を大きく開けるなど、風の通り道をつくるようにしてみて下さい。
③エアコンや除湿機で除湿する
高温多湿の日本。自然の力ではなかなかカビに勝てません。
そうなると家電を利用して、湿度を下げたり逃したりするのが一番効果的です。
ただエアコンや除湿機を使っていても、部屋干しをしてしまうのはやはりNGです。
特に新しい畳ほど湿気を吸収する能力が高いので、部屋干しは畳の部屋では止めておきましょう。
④こまめに掃除してほこりを除去
ほこりやたまっていると、それはカビのエサになってしまします。
ですので、定期的な掃除は欠かさないようにしましょう。
掃除機をかけるときは、掃除機本体を持ち上げてゆっくりとかければ、排気でカビ菌が舞い上がってしまうことを防げます。
⑤素足で歩く
畳のプロによると、カビの予防には「素足で歩くこと」が推奨されています。
皮脂が自然に畳表をコーティングし、畳にツヤが出て、カビそのものを寄せつけないようにしてくれると言われています。
畳の上を歩くときは、靴下よりも、素足でいることを心がけてみて下さい。
畳のカビ予防は、ちょっとしたことから始められるのですね。
おわりに
日本人に長い間愛されている畳ですが、意外にお手入れが大変ですよね。
ですがその吸湿機能のおかげで、夏でもさらりとしてくれて、冬は温かいので、日本の環境に適したありがたい床材なのです。
普段からこまめにお掃除をして、その良さを引き出してあげましょう!
畳もキレイになれば、気分もスッキリしますよね。