真冬だというのに、Tシャツ姿で街を歩いている外国人を見たことはないでしょうか?
思わず二度見してしまいますが、彼らはまったく寒そうな顔はしていませんよね。
なぜ彼らは冬に半袖で外を歩けるのでしょうか?
調べてみると日本人と外国人との面白い違いがわかりましたので、ご紹介したいと思います!
真冬に遭遇する半袖外国人の謎
そろそろヒートテックを買い足そうかな・・・なんて悩んでいる日本人はどれだけいることでしょう。
冬本番となると、暖かいニットに厚手のアウターの「着ぶくれスタイル」がスタンダードになっていきますね。
そこで、たまに遭遇する半袖を着た外国人ですが、なぜ寒いのに平気なのでしょうか・・・・。
ムキムキの筋肉や、自慢のタトゥーを見せびらかしたいために、やせ我慢しているのでしょうか?
はたまた、上着を忘れてきちゃったの?
ちょっと気になる彼らの謎に迫ってみました。
日本人と外国人の平均体温は?
「日本人の平熱」として最もよく引用される値は、36.8℃とされています。
意外と高いと感じる方もいるかもしれませんね。
これは、1957年に東京大学の教授らが3,000人余りの日本人の体温を測って導き出した平均値です。
一方、「欧米人の平熱」として最も引用される値は、37.0℃です。
これは19世紀に、ドイツ人の医師が調査した平均値です。
意外と日本人と欧米人の平均体温はほとんど変わらないですね!
ますますわからなくなりましたが、ではその日本人と外国人との体感温度の差はどこからくるのでしょう?
調査してみると、4つの要因がわかってきました。
最近の日本人は平均体温が下がってきている
前述したように、少なくとも1957年の調査では、日本人の平熱は36.8℃が平均値とされていました。
しかし最近の日本人の平熱は、35.5℃〜36.2℃と言われており、中には34℃台という人も少なくないようです。
その原因の1つとして「現代人の運動不足」が指摘されています。
運動しないことで筋力が衰え、筋力が衰えると熱をつくりにくいので、体温も下がっていくのです。
これは日本人だけではなく、運動不足は先進国共通の現象です。
しかし、肉食中心の欧米人は、体温の低下を最小限にとどめているようです。
でも気になるのは、欧米人の体温が37℃だからといって、真冬にTシャツ姿で過ごせるものなのか・・・?ということですよね?
調べてみると、それにはまだまだ諸説があるようでした。
筋肉量が多い
筋肉は、体の中で最も大きい熱源です。
欧米人は日本人よりも骨格が大きく、それだけ筋肉が収まるスペースが大きいので、筋肉がつきやすい構造になっています。
ですので、日本人と比べると筋肉の量が多く、いったん体を動かすと熱を作りやすいのです。
その結果、欧米人はすぐに体温が高くなり、それを維持できるため、寒さにも強いと言われています。
平均体温と筋肉量の違いが、日本人と外国人の体感温度のギャップが生まれているんだね!
観光バスツアーの『はとバス』では、通常では車内の温度を一年中25℃に設定していますが、欧米人観光客向けのツアーでは、23℃に下げているそうです。
太っている
日本人でも、太っている人は暑がりな印象がありますよね。
脂肪は、熱は作らないものの、体内の熱を逃しにくいため、断熱材の役割を果たしています。
そのため、太っている人は脂肪の防寒着を着ている状態と考えられています。
日本人に比べて筋肉がつきやすい欧米人ですが、脂肪もつきやすい人が多いです。
経済協力開発機構(OECD)の最新のデータによると、米国の成人の肥満率は33.8%と世界一!
なお、日本人の肥満率は3.9%だそうですから、米国の肥満率がどれだけ高いかが分かりますね。
その体質の歴史を紐解くと、欧米の白人はもともと狩猟民族だったことに由来しているようです。
狩りが失敗して獲物にありつけない日に備えて、餓死しないよう体内に脂肪を蓄える必要があったため、彼らは自然と太りやすい体型になったと言われています。
一方、日本人は農耕民族でしたから、田畑で育てた食物を備蓄しながら必要に応じて食べていたため、余分な栄養素を体内に蓄える必要がなく、欧米人に比べると脂肪が付きにくいとされています。
はるか太古の昔から先祖代々で獲得してきた生体システムを、今も僕たちは受け継いでいるんだね!
ベージュ脂肪細胞を持っている
太りやすいだけでなく、最近の研究では「ベージュ脂肪細胞」という、長時間寒いところにいるとできる脂肪細胞が発見されました。
このベージュ脂肪細胞は、特定のたんぱく質を作ることで、熱をかんたんに生成することがわかったのです。
すると体の発熱能力がどんどん強まり、寒さに強い体質へと体を変えるということです。
これはまさしく寒さへの最強兵器ということですよね。
もし真冬で半袖で出歩いている外国人を見たら、ベージュ脂肪細胞を持っている可能性がありますね!
ちなみに、ベージュ細胞が増えた人は、脂肪がどんどん燃え、肥満になりにくくなるそうです。
それを目的に現在、ベージュ細胞を人工的に増やそうと、世界中で研究が進んでいます。
そんな技術が開発されれば、私たち日本人もベージュ細胞を持てる可能性はゼロではありませんね!
私たちも寒さに強い人になろう!
外国人のように真冬にTシャツ姿で歩けるなんて、ある意味うらやましいですよね!
私たち日本人も、せめて寒さを感じにくい体になってみたいものです。
そこで、寒い冬を乗り越えるために、体温上げるための方法をまとめてみました。
筋肉をつける
あなたの平熱は何度でしょうか?
平熱が上げるためには、運動して筋肉量を増やすことが最短の方法です。
まず効率よく筋肉をつけるには、下半身を鍛えることをおすすめします。
なぜなら、人間の筋肉の約70%は下半身に集中していますので、下半身を鍛えることは、体の約70%割の筋肉を鍛えることになるからです。
おすすめは、下半身を大きくゆっくり動かすスクワットです。
- 両手を頭のうしろに回し、足は肩幅に開いて立つ。
- 10秒かけゆっくりと腰を落とす。背中は丸めないように。
- お尻が膝の位置より下になったら、10秒かけてゆっくりと立ち上がる。
これを5回、3セット行いましょう。
普段から運動に慣れていない方は、毎日しないほうが良く、最初は週1〜2回から行います。
いったん筋肉を破壊してから休息させることで、強い筋肉に生まれ変わっていきます。
筋肉をしっかりつけると体温が上昇し、少しでも寒さを感じにくい体になります。
たんぱく質を多く摂る
私たちの脳やカラダを動かすエネルギーは、糖質だけでなくタンパク質からも得ています。
しかしタンパク質が不足してしまうと、必要なエネルギーを得ようと今度は筋肉を分解し始めるため、筋肉量が減っていきます。
筋肉量の減少は、体温も下がっていくだけでなく、体力や免疫力の低下を招いてしまいます。
そこで適度に運動し、たんぱく質類を多く摂取することで筋肉が増え、体の内から「基礎代謝」を上昇させることができます。
基礎代謝を上げることができれば、太りにくくなるだけでなく、体温が高く保たれ、血流も良くなり、健康が維持されやすくなるのです。
タンパク質は身体の中に貯めておくことができませんので、毎食バランスよく食べましょう。
体を温める食べ物を摂取する
アルピニストである野口健さんによると、寒さ対策のコツとしては、「生姜などの体を温める物を摂ること」と述べていました。
野口さんは生姜湯にはちみつを入れて飲んでいたそうです。
「いくらアウターに力を入れても、身体に入れるモノを温めないとどうしようもない」とのことです。
超極寒の登山で、酸素なし環境を何度も体験している野口さんが言うと説得力ありますね。
体を温める食べ物を見分けるコツ
体を温める食べ物の見分け方にはいくつかあります。
旬が冬の食べ物、寒冷地で育つ、地中で育つ、水分が少ない、発酵食品、色が暖色であることなどです。
これに当てはめられるのは、一例にこのような食べ物です。
野菜類
ニンジン、タマネギ、レンコン、ゴボウ、ジャガイモ、山芋、かぼちゃ、ネギ、ニラ、にんにくなど
果物類
りんご、みかん、ぶどう、桃、さくらんぼ、プルーンなど
動物性食品
卵、鮭などの赤身の魚、アサリ、小魚、レバー、チーズなど
その他
玄米、納豆、キムチ、唐辛子、黒豆、小豆、ピーナッツ、ゴマなど
体を温めるおすすめの飲み物
発酵している飲み物
紅茶、プーアル茶、ウーロン茶、日本酒、紹興酒など
地中で育ったもので作った飲み物
タンポポ茶、タンポポコーヒー、ゴボウ茶など
ポリフェノールで血流を良くしてくれる
ココア、黒豆茶、赤ワインなど
ショウガオールで体を温める
ショウガ湯、ショウガ紅茶など
湯船に浸かろう
お風呂で体温を上げるのに最も重要なのは「肩まで湯船に浸かること」です。
湯船に浸かると、温浴効果によって手や足先などの末梢神経が拡張し、たくさんの血液が体中を巡るようになり、体温が上がります。
また、お湯に浸かった時の水圧も一役買っており、血液やリンパ液が押し上げられ、むくみが改善、体の隅々にまで血液を送ることができるので、温熱効果もアップします。
自然には勝てないですから、自分が賢く、たくましくなって、上手に自然に適応していきましょうね!
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おわりに
日本人と体つきも文化も異なる外国人を見かけると、不思議に思うことがたくさんありますよね!
欧米人の平熱が、私たち日本人より高めだということは事実なようですから、やはり圧倒的に日本人とは違う体質によるもののようです。
今後、真冬に元気いっぱいのTシャツ姿の外国人を見かけたら、もう驚くことなく「ああ、平熱が高くて暖かいんだな」と、温かい目で見守ることができそうです。