美しい花を、色鮮やかなままに長く楽しむことができる「押し花」。
アレンジ次第で、世界に一つだけのインテリアやアクセサリーを作ることができます。
今回は、押し花の簡単な作り方や、適切な保存方法もご紹介します。
押し花とは?
押し花とは、花や葉っぱを平らにして「乾燥」させたものです。
通常であれば枯れると茶色くなってしまう花や葉っぱですが、押し花なら、色鮮やかなまま保つことができます。
作った押し花は、しおりにしたり、アクセサリーや、スマホケースに挟んだりして、さまざまにアレンジできることが魅力です。
最近では、結婚式のブーケを押し花にして、記念に保存する人も増えているようですね!
押し花はアレンジの仕方では、絵画としても楽しむことができます。
作り方はとても簡単!
どこの家庭にもある道具で、すぐにでも作れます。
押し花の作り方や保存方法をご紹介いたします。
押し花に向いている花は?
押し花には、向いている花と向いていない花があります。
向いている花の特徴は、「厚みがあまりない、水分が抜けやすい花」です。
最初のうちは、野に咲いているような草花がおすすめです。
子どもの頃、公園や道端の草花を摘んだとき、あっという間にしおれてしまったことを覚えていませんか?
これが、「水分が抜けやすい花」という証です。
押し花に向いている花の一例は以下の通りです。
初めて押し花作りに挑戦するなら、押し花に向いている花を使って練習してみてくださいね。
押し花に向いていない花
一方で、押し花に不向きな花があります。
不向きといっても、押し花にできないわけではありませんが、難易度が高いため、初心者にはおすすめできない花です。
不向きな花の特徴は、「厚みがあり、水分が多い花」です。
菊、ダリア、すいせん、チューリップなどが挙げられます。
水分が抜けにくい花は、乾燥されるまでの時間が長いため、途中で劣化してしまうのです。
わかりやすくいうと、花屋が切り花で売ってそうな花の種類は、花持ちが良い=水分が抜けにくいです。
押し花に人気の花は?
押し花で人気の高い花は、やはり少々難易度が上がります。
押し花作りに慣れてきたら、ぜひ挑戦してみて下さいね。
いくつかご紹介します。
バラ
押し花でよく使われる人気のバラ。
ぜひ色鮮やかな状態で保存したいですね!
バラは花びらの数が多いので、そのまま押しても、きれいな押し花にはなりません。
このように1枚1枚、花びらを分解して押し花にしていきます。
出典;https://ameblo.jp
乾燥し終わった花びらを、重ねて立体的に組み立てていきます。
ひまわり
ひまわりは難易度が高い花です。
中心の花芯が分厚くて硬いためです。
小さいひまわりの方が、花芯が柔らかいのでおすすめです。
押し花にするときは、花芯の裏をカッターでそぎ落として厚みを薄くします。
出典;http://tomohana.seesaa.net
茎もきれいに切り落とせば、通常どおり押し花ができます。
朝顔
お子さんが持ち帰った朝顔で、押し花に挑戦する人が多いようですね。
朝顔はその名の通り、朝に摘みましょう。
時間と共に閉じてしまうからです。
摘んだ後は劣化が早いので、すぐに加工に取り掛かってください。
このように、白から色が変わる部分を切って、小分けにします。
出典;http://asagao.blog.jp
押したあさがおは花びらが薄く、取ろうとするとすぐに破れてしまうので、ティッシュやキッチンペーパーにベビーパウダーを少々はたくと取りやすくなります。
クローバー
押し花にするのに最も簡単なクローバーは、押し花作りの入門にぴったり!
道端や公園にも必ずと言っていいほど生えていますね。
もし四つ葉のクローバーを見つけたなら、ぜひ押し花にして残しましょう!
お守り代わりにキーホルダーにしてはいかがでしょうか?
押し花の簡単な作り方【オーソドックス編】
押し花のオーソドックスかつ簡単な作り方をご紹介します。
まずは、昔ながらの「おもしを置くやり方」です。
用意するもの
- 花
- 薄紙(押し花シート、ティッシュ、キッチンペーパーなど)
- 新聞紙
- おもし(本など重ねて2kg以上)
下処理の仕方
花も茎も一緒に押し花にする場合は、この作業は必要ありません。
ただ、ハンドメイド作品などで花部分だけ押し花にしたい場合や、分厚い花などを押す場合などは、ちょっとした下処理があります。
その① 花部分のみを押し花にする場合
茎を、花の根元(ガク)のギリギリのところで切り落とします。
朝顔やペチュニアのようなラッパ状の花は、このように白から色が変わる部分を切り落とします。
出典;http://asagao.blog.jp
その② 分厚い花を押し花にする場合
出典;http://tomohana.seesaa.net
茎を花の裏から切り落とします。
花の裏をカッターでそぎ落として厚みを薄くします。
例:ひまわり、ガーベラなど
その③ 立体的な花を押し花にする場合
出典;https://www.asoview.com
花びらを1枚1枚、分解します。
花びら1枚に反りがある場合は、そのまま押すとシワができてしまいます。
その場合は、花びらの付け根部分に少し切れ込みを入れて、平らになるようにするとシワが防げます。
例:バラ、カーネーション、チューリップなど
作り方(オーソドックス編)
- 新鮮な花を選び、虫や汚れを取ります。
- 新聞紙の上に、薄紙を敷きます。
- 薄紙の上に、花びらを並べます。※重ならないように
- 並べた花びらの上に、また薄紙をひきます。
- 次に上から新聞紙をひきます。
- おもしを置きます。
- 1週間ほど放置(乾燥)させて、完成です!
押し花の簡単な作り方【電子レンジ編】
電子レンジを使って、高速で押し花を作ることができます。
最もスピーディーでお手軽ですが、色具合や仕上がりは若干見劣りしますので、気楽に試したいという方にはおすすめです。
ただし「加熱のし過ぎ」には注意して下さい。
過熱が長すぎると、花が焦げてしまったり、すぐに変色してしまったりもします。
加熱が足りないと感じたら、10秒ずつ加熱していきましょう。
用意するもの
- 花
- 小さめの段ボールの下敷き 2枚
- キッチンペーパー
- 輪ゴム
- おもし(お皿)
作り方(電子レンジ編)
①ダンボールの上にキッチンペーパーをひき、花びらが重ならないように並べます。
出典;https://www.youtube.com
②その上にキッチンペーパーをひき、さらに段ボールを重ねます。
出典;https://www.youtube.com
③花びらがずれないように上から輪ゴムをかけます。
出典;https://www.youtube.com
④上からおもし用のお皿を置き、電子レンジ600Wで30秒~1分加熱。
出典;http://blogs.yahoo.co.jp
⑤キッチンペーパーをゆっくりはがし、そのまま常温で花びらを乾燥させれば完成です。
出典;https://www.youtube.com
触れたときにパリパリになっていればOKです。
まだシンナリとしていたら、10秒ずつ慎重に加熱時間を延長して下さい。
押し花の簡単な作り方【アイロン編】
アイロンを使った押し花の作り方です。
約3分ほどでスピーディーに仕上がり、電子レンジよりも縮みや変形などの失敗がありません。
ただしアイロンで花にシワがよってしまったり、ティッシュに張り付いて剥がしにくいこともありますので、加減を見ながら調節していく必要があります。
用意するもの
- 花
- ティシュペーパー
- 新聞紙
- アイロン
作り方(アイロン編)
- アイロン台の上に新聞紙を置き、その上にティッシュを敷きます。
- ティッシュの上に花びらがくっつかないように並べます。
- 花びらの上にティッシュをひきます。
- その上からアイロンを低温で20~30秒押し当てます。
- アイロンを離し、冷ます。
- 再度10秒ほどアイロンを押し当てる。
- ⑤⑥を5回ほど繰り返して、しっかり乾燥させたら完成です。
押し花の簡単な作り方【シリカゲル編】
一番きれいに押し花が作れる方法です。
あらかじめ、厚めの本にティッシュで挟んで1~2日花を乾燥させてください。
花びらが平らになるので、加工しやすくなるからです。
シリカゲルとは?
お菓子やおせんべいの袋に入っている乾燥材のことです。
二酸化ケイ素という成分から作られているもので、空気中の水分を吸収してくれるものです。
ドライフラワーを作るときにも使用されています。
最もきれいに押し花が作ることができ、ネットからも購入できます。
用意するもの
- 花
- シリカゲル
- タッパー
作り方(シリカゲル編)
①あらかじめ、厚めの本にティッシュで挟んで1~2日花を乾燥させます。
②シリカゲルをタッパーに半分ほど敷き詰めます。
出典;https://handmadetoshokan.com
③花びらを入れます。
出典;https://handmadetoshokan.com
④上からシリカゲルをそっと入れていきます。
出典;https://handmadetoshokan.com
⑤花びらが全て隠れるよう、シリカゲルを敷き詰めます。
出典;https://handmadetoshokan.com
⑥蓋をして、丸1日放置したら完成です。
出典;https://handmadetoshokan.com
花びらをそっと取り出し、綺麗にパリッとなっていたらOKです。
しんなりしていて乾燥が足りていない場合は、放置時間を延長して下さい。
押し花の保存方法は?
完成した押し花をすぐ使用しない場合、どのように保存していけばいいのでしょうか?
また、アクセサリーや額縁などの作品にした場合、長い間キレイに保てる保管方法も解説します。
使用しない押し花の保存方法は?
せっかく乾燥させた押し花ですので、その後も湿気を吸わないように、密封状態で保存しましょう。
ジップロックなどチャック付きの袋に、お菓子などに入っている乾燥剤(シリカゲル)か乾燥シートと一緒に中に入れておき、日光の当たらない場所に保管してください。
たとえば、湿気の少ない引き出しや、戸棚の中などが適しています。
押し花の作品の保存は?
押し花を使用したアクセサリーや、額縁に入った作品なども、やはり「日に当てない」ことが大切です。
アクセサリーであれば、アクセサリーケースに入れて引き出しの中に保存しましょう。
額縁の場合、日の当たらない場所(廊下や窓のないトイレなど)がおすすめです。
正しい保存方法で、できるだけ色あせないように楽しみましょう。
押し花は永久?その保存期間と寿命
作った押し花は、永久に色褪せない、劣化しないわけではありません。
花本来の色合いを維持できる期間の目安はどのくらいなのでしょうか?
押し花は色褪せるもの
着色している場合などを除き、全く色褪せずに鮮やかなまま永久に楽しむことはできません。
もし押し花を使った作品を購入する場合には、「いずれ色褪せるもの」ということを念頭に、検討する必要があります。
これは革製品にもいえることですが、経年変化していくビンテージな色合いを楽しむのも、押し花の味わいのひとつなのです。
押し花がきれいなまま保存できる期間は?
押し花をまだ作品にせず、単品で保存できる期間の目安は、乾燥シートや置き場所などの工夫をして、約1年ほどです。
押し花を作品にし、空気を触れさせていない状態でも、2~3年もすれば色褪せが見えてきます。
押し花はどんなに丁寧に処理をしたものでも、時間の経過と共にだんだんと色褪せててしまうのは免れません。
ただその色合いの変化も、押し花の風情のひとつとして、ゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか?
おわりに
散歩の途中で見つけた草花を摘み、帰宅したらすぐに始められるほど、簡単にできる押し花。
最近は時間をかけなくても、簡単に高速で押し花ができる技術が知られるようになり、ますます身近なものになりました。
押し花は色々なお花で楽しめますので、ぜひ挑戦してみて下さいね!