水郷の町・千葉県佐原市で、夏と秋に開催される「佐原の大祭」。
関東三大祭りの一つともいわれ、さらにユネスコ無形文化遺産にも登録されるなど、日本だけでなく、世界にその文化が評価されています。
今回は、江戸時代の面影を残す伝統行事、佐原の大祭「秋祭り」についてご紹介します。
佐原の大祭 秋祭りとは?
出典;https://event-checker.blog.ss-blog.jp
小野川をはさんで「本宿地区」と「新宿地区」にわかれる千葉県香取市(旧佐原市)では、春と秋の年に2回、佐原祭りが行われます。
夏は本宿の八坂神社の氏子町内が、秋は新宿の諏訪神社の氏子町内が中心となります。
佐原の大祭秋祭りは、新宿の「諏訪神社」の秋祭りです。
佐原の大祭は、山車に豪華な飾り物をつけ、日本三大祭囃子の佐原囃子を演奏しながら町内の引き廻しを行うものです。
小江戸の町並みで豪華絢爛な山車の前では手古舞を踊り、夜になると、ちょうちんやぼんぼりが灯って一層華やかさが加わります。
江戸情緒をいまに伝えるこの伝統行事は、関東三大祭りの一つに数えられ、秋祭りだけでも毎年全国から38万人以上もの観光客が訪れています。
さらに2016年には、ユネスコ無形文化遺産に登録されたことから、世界からも新たな注目を集めているお祭りです。
佐原の大祭の歴史
佐原の大祭で見られる豪華な山車は、廻米や酒造を中心に、利根川の水運に恵まれ、商業が盛んだった名残を感じさせられます。
その山車の華やかさは、1732年の関戸町のものから始まったといわれています。
現在も存在する最古の山車は、1830年に作られたものです。
水郷の風土に詩情を醸し出す佐原囃子は、1573年頃から、田楽や散楽(猿楽)、神楽囃子に源を発し、江戸文化の影響を受けて発達し、現在まで愛好者によって長く保存されています。
2022年 佐原の大祭秋祭りの日程・開催時間など
今年の佐原の大祭秋祭りは、
10月7日(金)〜9月(日)の3日間行われます。
お祭りの簡単な情報をまとめました。
名称 | 佐原の大祭秋祭り(2022年) |
日程 | 2022年10月7日(金)~9日(日) |
開催時間 | 10:00~22:00 |
開催場所 | JR佐原駅周辺(新宿地区) |
料金 | 無料 |
住所 | 千葉県香取市佐原イ1020-3(諏訪神社) |
お問合せ | 0478-54-1111(香取市商工観光課) |
公式HP | http://www.city.katori.lg.jp |
駐車場 | あり(収容台数:約1,000台/無料 ) |
レンタカー | 格安レンタカーの料金比較・予約 |
グルメ | 成田・佐倉・佐原のおすすめグルメ情報 |
遊び・体験 | 香取市の遊び・体験スポット |
周辺宿泊先 | 成田空港周辺のホテル・旅館 宿泊予約 |
▼会場周辺(JR佐原駅)の地図はこちらです。
会場案内図
2022年の佐原の大祭秋祭りの会場案内マップはこちらです。
出典;https://www.city.katori.lg.jp
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雨天時の場合は?
雨天決行です。お天気が不安定な場合は雨具を持って行きましょう!
雨の場合は山車にビニールをかぶせて行うことになります。
問い合わせTEL:0478-54-1111(香取市商工観光課)
佐原の大祭秋祭りのイベント情報
佐原の大祭秋祭りは、新宿地区を13台の山車が曳き廻されます。
2022年の佐原の大祭秋祭りの会場案内図はこちらをご覧ください。
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お祭りが開催される3日間、おまつりステージ広場でのイベントも開催され、伝統芸能の披露や、飲食物や特産品などの販売が行われます。
10月7日(金)
初日の山車の運行は『乱曳き』です。
各町山車前では若連による手踊りが披露され、千葉銀行前など指定場所6ヶ所で豪快な「のの字廻し」が随時披露されます。
時間 | イベント | 場所 |
---|---|---|
10:00~ | 山車乱曳き(13台) | 各町内 |
11:00〜16:00 | 年番前後三町(仲川岸区・下川岸区・下分区) 代表巡行 | 〃 |
15:00〜 | 神輿の渡御 | 諏訪神社〜御旅所 |
随時 | のの字廻し | 千葉銀行前、他 |
随時 | 佐原囃子と手踊り | 佐原信金ステージ広場、随所 |
10月8日(土)
今年は3年に一度の「本祭」(年番引継ぎの年)にあたるため、15時半頃までに全ての山車が「年番引継行事」のため仲川岸通りに整列します。
通し砂切(お囃子曲)演奏後、全13台が行列を組んで川岸通りへと練り歩きます。
日が暮れる頃になると提灯の灯がともった山車が曳き回される光景は見どころのひとつです。
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時間 | イベント | 場所 |
---|---|---|
10:00~ | 山車乱曳き(13台) | 各町内 |
15:30~ | 山車13台整列完了 | 仲川岸通り(ほていや前〜樋松前) |
17:10~ | 年番引継行事(通し砂切〜) | 先頭山車より13台演奏 |
18:10~ | 川岸通りへ山車巡行 | 山車13台揃い曳き |
19:00~ | 各町順次曳き分かれ | 忠敬橋上 |
随時(夜間) | 佐原囃子と手踊り | 佐原信金ステージ広場、随所 |
10月9日(日)
最終日は9時頃、御旅所を出発したお神輿は町中を練り歩き、18時頃には諏訪神社に戻ります。
また、千葉銀行前など指定場所で豪快な「のの字廻し」が随時披露され、おまつりステージ広場にて佐原囃子が披露されます。
時間 | イベント | 場所 |
---|---|---|
9:00~ | 神輿の渡御行列 | 御旅所~諏訪神社 |
10:00~ | 山車乱曳き(山車13台) | 各町内 |
随時 | のの字廻し | 千葉銀行前、他 |
随時 | 佐原囃子と手踊り | 佐原信金ステージ広場、随所 |
佐原の大祭秋祭りの見どころは?
佐原の大祭秋祭りの見どころについてご紹介します。
山車の曲曳き「のの字廻し」
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佐原の大祭の最大の見どころといえは、「のの字廻し」ですね!
佐原の大祭では、通常の曳き廻しの他に、「曲曳き」と呼ばれる、曲芸技があります。
その曲曳きの種類は「のの字廻し」「そろばん曳き」「小判廻し」の3つがあり、その代表格が「のの字廻し」です。
「のの字廻し」とは、約4トンもの重い山車を、男衆が渾身の力を込めて後輪を担ぎ上げながら、回転させるものです。
あたかも山車の大人形が能を舞っているように魅せる、そしてちょうちんもできるだけ揺らさない、さらに軸をずらさずに回転させることが、上手いとされています。
のの字廻しの様子はこちらをご覧ください。
のの字廻しを終えた後の地面は、くっきりと車輪の跡が残っていますので、いかに巧みに廻されたかをぜひ確認してみてくださいね。
日本三大囃子!「佐原囃子」
佐原囃子は、哀愁を帯びたメロディーを奏でる独特の祭り囃子として有名で、佐原の大祭の山車の巡行には、この佐原囃子が欠かせません。
山車には下座連(げざれん)と呼ばれる囃子方が乗り込み、佐原囃子を優雅に奏でます。
この佐原囃子は、大太鼓、小太鼓、摺り鉦、笛、大鼓、小鼓からなっており、その圧倒的な音の厚みから和楽器のオーケストラとも呼ばれています。
佐原囃子はこの地方独特の里神楽が江戸歌舞伎の影響を受け今に至ったもので、曲目は大きく分けて、「役物」「段物」「端物」「俗物」「里謡」からなっています。
山車の出発準備ができると「役物」を囃しだし、進行中や停止中は「段物、端物、俗物、里謡」など、自由に演奏しています。
山車が目的地に到着すると、再び「役物」というように、快速、荘重な曲と変化していきます。
神田囃子、京都祇園囃子と並ぶ日本三大囃子の一つに数えられ、お囃子のみ切り離しても素晴らしい文化遺産です。
日本最大級の「大人形」
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佐原の大祭は、大きな人形を乗せた豪華な山車が有名です。
身の丈はなんと4~5mにも及び、日本最大級の大きさを誇っています。
ですので山車全体の高さは、8m近くにもなるそうです。
山車の大人形はそれぞれ違っていて、神武天王や小野道風、鎮西八郎為朝、源頼義、亀と別れる浦嶋太郎など、各町内ごとに趣向があります。
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また総ケヤキ造りの山車には、一台ずつ名のある彫工たちによって造られた、表情豊かな彫刻が目を奪います。
華やかな大人形と技術の粋を集めた精巧な彫刻を、間近でゆっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。
夜の山車ライトアップ
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お時間に都合がつくなら、夜の佐原の大祭を見物してみてはいかがでしょうか。
闇に包まれるころいっせいにちょうちんに灯がともり、山車は艶やかに浮き上がります。
灯りは闇にゆれながら小野川の川面を照らし、江戸情緒を残す町並みと相まった風景は幻想的です。
水郷の風土に詩情を醸し出す佐原囃子の音色も一段と高まり、その雅な華やかさは、かつてのこの地域の隆盛を、静かに伝えてくれます。
昼とは違った趣が楽しめる幻想的な姿となった山車の様子を、ぜひご注目ください。
屋台の出る場所・日程・種類は?
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お祭りといったら屋台ですね!
この項では、佐原の大祭秋祭りの屋台の出店場所などに関して、ご紹介していきたいと思います。
屋台で美味しいものをほおばりながら、お祭り気分を楽しみましょう!
屋台が出る日程
佐原の大祭秋祭り開催中の、10月7日(金)〜9日(日)の3日間、たくさんの屋台が出店されます。
営業時間は例年、屋台によって違いますが、10:00~22:00頃まで営業しています。
屋台が出る場所
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佐原の大祭秋祭りでは、主に上記4ヶ所の各特設広場にて、地域の方々による飲食物や特産品の販売コーナーが設置されます。
広場では特産品などの販売や休憩スペース、各町による手踊りの披露など各種イベントが行われていますので、賑やかなお祭りらしい雰囲気も同時に楽しむことができますね。
なお、
- ⑥小江戸かなえ広場(小野川沿い本宿側)
の1ヶ所は休憩所のため、飲食物の販売はありません。
屋台が出る種類
佐原の大祭秋祭りの屋台数は約150店舗以上!
このお祭りの屋台の特徴は、地域主催の屋台が多いため、本格的なご当地グルメなどに出会えることができます。
さらに飲食店でも軒下でお祭り限定プランを出しているので、お腹いっぱい食べられますね!
もちろん屋台の他にも、佐原名物の「芋ようかん」や「すずめ焼き」「うなぎ」のお店も常時営業しています。
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また観光施設「上川岸小公園」内にある「Cafe NETAIMO」の「芋ペチーノ」は人気を集めていますね。
香取市特産のさつまいもと牛乳、コーヒーなどで作る飲み物で、フローズンドリンクにホイップクリームを載せ、芋けんぴとストローを刺していて、見た目も可愛らしく好評のようです!
美味いものがいっぱいの佐原を楽しみましょう!
佐原の大祭 夏祭り・秋祭りの違いは?
同じ佐原の大祭ですが、夏と秋ではどんな違いがあるのでしょうか。
一番の大きな違いは「お祭りが行われる神社が違う」ことです。
夏祭り | 秋祭り | |
---|---|---|
神社 | 「八坂神社」の祇園祭 | 「諏訪神社」の大祭 |
地区 | 本宿 | 新宿 |
山車の数 | 10台 | 14台 |
今回ご紹介している「秋祭り」は、佐原駅がある「新宿地区」で行われます。
駅前がメインのお祭り会場となるため、なんといってもアクセスがとても便利です。電車で行くなら秋祭りが断然おすすめです!
また夏より涼しく過ごしやすいので、佐原の町を歩いて散策するのも楽しいですね。
「夏祭り」は歴史のある「本宿地区」で行われます。
本宿地区は伝統的建造物が多いことから、小江戸の名残がある町並みの中を進むさまは風情に溢れ、江戸時代の情景を彷彿とさせてくれます。
歴史的風情を重視するなら、夏祭りがおすすめです!
山車の位置がわかるGPSサイト!
佐原の大祭では、それぞれの山車がどこにいるのかわからないと楽しめません。
そんなときに役立つのが『山車の位置情報サービスサイト』です。
リアルタイムで14台全ての山車の位置を配信してくれるサイトで、それぞれの山車が今どこにいるのか、それがどういう山車なのかも一目で分かるようになっています。
また、休憩所やトイレの場所も表示されるので、いざというときに探し回らずに済むので、お祭りを余すことなく十分に堪能できますね!
下記URLにアクセスの上、使用端末のGPS機能を有効にしてお楽しみください。
サービスサイトは、10月7日(金)9:30~、使用できます。
アクセス・駐車場について
佐原の大祭秋祭りへのアクセス方法をご紹介します。
電車の場合
佐原の大祭秋祭りは、電車でのアクセスが最も便利です。
JR「佐原駅」で下車して下さい。下車後すぐがお祭り会場です。
臨時列車 「特急佐原秋祭り」に乗ろう!
佐原の大祭秋祭りでは、早くて便利な臨時列車「 特急佐原秋祭り」が運行されます。
区間 | JR新宿駅~佐原駅 |
運転日 | 2022年10月8日(土)・9日(日) |
車両・座席 | E257系5両編成・全車指定席。 |
全車指定席ですので、乗車券の他に、指定席特急券が必要になります。
お祭り限定ですので、記念に乗ってみてはいかがでしょうか。
車の場合(駐車場について)
佐原の大祭秋祭りが開催される3日間、無料の臨時駐車場が設置されます。
約1,000台が駐車可能だそうですので、優先的にそちらへ向かいましょう。
そこからお祭りエリア付近まで「シャトルバス」や「シャトル舟」が運行されますので、乗り換えて移動してもいいでしょう。
詳細は以下の通りです。
利根川河川敷臨時駐車場
名称 | 利根川河川敷 臨時駐車場 |
会場まで | JR佐原駅まで徒歩 約18分(約1.4km) |
住所 | 千葉県香取市佐原粉名口 |
収容台数 | 普通車1,000台(大型駐車可) |
料金 | 無料 |
「シャトルバス」「シャトル舟」に乗り換えよう!
佐原の大祭夏祭りが開催される3日間、利根川河川敷臨時駐車場~お祭りエリア付近区間で、シャトルバス、シャトル舟が随時運行されます。
どちらかお好きな方を選んでみて下さいね。
シャトルバス
シャトルバスは、早くて安くて便利です。
名称 | シャトルバス |
運行時間 | 9:30~21:00頃 |
発着場所 | 利根川河川敷臨時駐車場〜JR佐原駅 |
料金(片道) | 大人200円・小学生100円・小学生未満は無料 |
料金(往復) | 大人400円・小学生200円・小学生未満は無料 |
シャトル舟
シャトル舟は、小野川沿いの国選定重要伝統的建造物を眺めながら、舟の上から曳きまわされる山車を見ることもできます。
名称 | シャトル舟 |
運行時間 | 9:30~21:00頃 |
発着場所 | 利根川河川敷臨時駐車場〜中橋 |
料金(片道) | 大人600円・小学生300円・小学生未満は無料 |
料金(往復) | 大人1,000円・小学生500円・小学生未満は無料 |
その他有料駐車場
佐原の大祭秋祭り会場周辺には、市営の有料駐車場やコインパーキングが複数点在しています。
会場周辺は交通規制もかかり大変混雑しますので、早めの現地入りを目指すことをおすすめします。
交通規制について
2022年の交通規制図はこちらをご覧ください。地図上のグレー色の道路に交通規制が実施されます。
出典;https://www.city.katori.lg.jp
画像クリックで拡大します
規制時間は10:00〜22:00まで。
佐原駅南口周辺、諏訪神社周辺、香取街道周辺、その他周辺町内一帯が通行止めになります。
マイカーで訪れる方は早めに現地入りし、この時間帯は会場エリアに近づかないようご注意ください。
おわりに
哀愁を帯びた佐原囃子が聴きながら、華麗な山車が進む光景を眺める秋のお祭り。
夜になるとちょうちんやぼんぼりが灯って一層華やかさが加わり、幻想的な世界を楽しむことができます。
今年の秋は、風情たっぷりの秋祭りを体感しにお出かけしてみて下さいね。