大地震や台風、豪雨など、毎年のように繰り返される天災。
「特別警報」や「緊急速報」を活用して、私たちは命を守る行動をとらなくてはなりませんね。
今回は、「避難勧告」「避難指示」「避難命令」「避難準備」それぞれの避難発令の意味や警戒レベル、危険度の順番などをご紹介していきます。
「避難勧告・避難指示・避難命令・避難準備」とは?
災害時の避難に関する法律「災害対策基本法」に基づいて、市町村長が地域の住民に対して発令する避難情報です。
避難の発令を知らせる方法は、いろいろあります。
テレビ、ラジオ、防災無線、ホームページ、緊急速報メール(エリアメール)、各自治体のSNS、登録制メール、広報車、消防団などがあります。
情報伝達手段はたくさんありますが、近所の方たちによる声がけも、とても大切なものですね。
「避難勧告・避難指示・避難命令・避難準備」の危険度の順番は?
避難情報で使われる「避難勧告」「避難指示」「避難命令」「避難準備」ですが、今ひとつピンとこないことが多いですよね。
危険度レベルは、避難準備→避難勧告→避難指示の順で高くなります。
・・・あれ?「避難命令」がないよ??
実は、法律的には「避難命令」という言葉や制度はないのです。
でも・・・なぜか聞いたことはありませんか?
正式な避難命令という制度はないのですが、避難命令という言葉はわかりやすいため、防災放送などでは「避難命令」という言葉が使われることがあります。
その場合は、一番強い「避難指示」と同じです。
ちなみに海外では避難命令の制度があり、強制的に避難させる意味で発令されます。
「避難勧告・避難指示・避難命令・避難準備」の呼びかけの意味は?
それぞれの避難発令は、何を呼びかけているのか、知りたいですよね。
2019年6月から、避難発令には「警戒レベル」を付記することとなったため、直感的にわかりやすくなりました。
危険度の低い順から解説いたします。
ぜひ参考に、避難準備を始めて下さいね。
警戒レベル3【避難準備】
今後、避難勧告・避難指示が発令される可能性が高いときに、発令されます。
これは2種類あります。
① 避難の準備をして、いつでも避難できるようにしておいてくださいね。と住民に呼びかけています。
② 高齢者や障害者など、避難するのに困難な人は、避難を開始して下さいね。という呼びかけでもあります。
2016年12年『避難準備情報』から、『避難準備・高齢者等避難開始』に名称が変更されました。
警戒レベル4【避難勧告】
災害が起きたことで、人的被害が起こる可能性が高くなったときに、発令されます。
決められた避難場所や、近隣の安全な場所へ、速やかに避難を開始しましょう、と呼びかけています。
高齢者でも障害者でもない人は、この「避難勧告」の時点で避難を開始しましょう。
警戒レベル4【避難指示】
避難勧告よりも状況がさらにが悪化し、より著しい危険が切迫している時に、発令されます。
緊急に避難しましょう。
指定の避難場所に行くことがむしろ危険を及ぼす可能性があると思ったときは、少しでも命が助かる可能性の高い避難行動として、急いでより安全な場所に行きましょう、と呼びかけています。
2016年12月『避難指示』から『避難指示(緊急)』に名称が変更されました。
【避難命令】は?
日本では「避難命令」という制度はありません。
ただし、避難命令という言葉はわかりやすいため、防災放送などでは「避難命令」という言葉が使われることもあります。
この場合は、一番強い「避難指示」と同じ警戒レベルの位置づけです。
速やかに近くの避難所や、安全な場所に避難しましょう。
「避難勧告・避難指示・避難命令・避難準備」警戒レベル一覧!
避難発令を聞いても、いざという時にピンとこないことがあると思います。
そこで内閣府は、避難情報を5段階にレベル分けする指針を定めました。
直感的にわかりやすくなるよう、内閣府が公開している警戒レベルと、私たちがとるべき行動を、簡単にまとめてみました。
警戒レベル | 住民がとるべき行動 | 行動を促す情報 |
---|---|---|
5 | 命を守る最善の行動をする | 災害の発生情報 |
4 | 全員避難する | 避難勧告 避難指示 |
3 | 高齢者・障害者は避難する 他の住民は避難の準備 | 避難準備 |
2 | 避難行動を確認する | 注意報 |
1 | 心構えを高める | 警報級の可能性 |
上記をふまえると、避難のタイミングは、
- 警戒レベル3:高齢者・障害者等避難
- 警戒レベル4:全員避難
となります。
それぞれの警戒レベルに応じた行動を速やかにとりましょうね。
ぼくはおばあちゃんと一緒に、警報レベル3になったら避難を始めるよ!
おわりに
災害など緊急事態発生時には、周囲では様々な情報が溢れます。
そこで、私たちが正しく避難情報の意味を理解しておくことは、災害に備えるうえで非常に重要になります。
「いつか自分の地域で起こるかもしれない」と考えて、ぜひこの記事の情報を利用していただけたらと思います。