ダイエットの失敗要因は、「食欲を抑えることができない」ことです。
食べたい気持ちを抑えようとすればするほど、とにかくストレスがたまるものですね。
そこで今回は、ダイエットの魔物となる「食欲」を抑える方法を、ご紹介していきます。
なぜ?食欲が止まらない原因
お腹は空いてないけど何か食べたい。
スナックを食べると、今度は甘いものが欲しくなり、ダラダラと次から次へと手が伸びる。
お腹が空いていようがいまいが、おかまいなし。そんな自分が嫌になってしまう・・・。
多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか?
そこでなぜ、多くの人がこのような不自然な食べ方になってしまうのか、原因を探ってみましょう。
ストレス
人間の三大快楽の一つ「食欲」は、食べ物さえ用意すれば、必ず満たすことができる快楽です。
ストレス社会といわれている現代、そんな即効性のある気分転換の方法として「食べる」ことに手を出してしまう人が急増しています。
ですが結局、「気晴らし食べ」をしてもマイナス感情の解消になることはなく、食べ過ぎたことによる罪悪感と嫌悪感にさいなまれて落ち込んでしまいます。
悲しいことに、空腹感を無視した食べ方は、余分なカロリーが体内にストックされるだけでなく、心の健康をも損なってしまうことになり得るということです。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、生理前になると食欲が抑えきれなくなる、という方も多いのではないでしょうか。
そんな感覚は偶然起こるわけではなく、確固たる理由があります。
その理由とは、黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きが活発になることが原因です。
黄体ホルモンとは一般的に「女性ホルモン」とも呼ばれており、女性の体は妊娠に備えて、脂肪・糖分・水分などの栄養を蓄えようと働きだします。
そのことから、空腹でもないのに何か食べないと落ち着かなくなったり、イライラを引き起こしたりすることがわかっています。
普段から「糖質」を摂り過ぎている
甘いものや炭水化物などの糖質。
脳のエネルギー源となるだけでなく、脳内麻薬ともよばれる「β-エンドルフィン」の分泌も促されます。
β-エンドルフィンとは、幸せ感を呼ぶ脳内ホルモンで、糖質をとると幸せな気分になるのはそのためです。
糖質によって快楽を知ってしまった脳は、「あの快楽が欲しい」と、食後であろうが何だろうがお構いなしに、甘いものや炭水化物を要求するようになるのです。
たとえば、缶コーヒーに菓子パン、うどんとおにぎり、カフェでパンやマフィン、などといったメニューをランチにしていたら、即刻見直しましょう。
糖質の摂り過ぎは、あらゆる病気に共通する原因です。
ダイエットの観点からだけでなく、糖質との付き合い方を見直す必要があります。
睡眠不足
人間が睡眠不足になると、食欲が25%増進され、さらに高カロリー・高脂肪の食べ物の欲求が高まる傾向にあるという調査結果が報告されています。
スタンフォード大学の調査によると、
睡眠時間5時間ほどのグループでは、グレリン(食欲増進ホルモン)が14.9%増え、レプチン(食欲減退ホルモン)が15.5%減ってしまうことが分かっています。
さらにアメリカのペンシルベニア大学の調査によると、
徹夜したグループは、高カロリー・高脂肪の食べ物を選ぶ傾向があり、1日の摂取カロリーが最も高かったことが報告されています。
またコロンビア大学の実験でも同様に、
睡眠不足になると、ヘルシーなメニューよりも、ジャンクフードに対して特に脳が活発になってしまうことも報告されています。
その他にも睡眠不足はストレスを感じやすくなっており、代謝も落ちてしまうため太りやすくなる要因が含んでいます。
食欲を抑える方法「ツボ」
今からでも気軽に実践できる、食欲を抑えるツボをご紹介します。
どうにかして食欲を抑えたい!と思ったときにツボを押して、体も心もリラックスして下さいね。
耳のツボ
健康ツボの宝庫といわれるほど、耳にはたくさんのツボがあります。
特に「飢点」と呼ばれるツボは、飢えると書きますが、お腹がすくツボではありません。
食欲を減退させるツボです。
何かを食べる前(食事や間食前)20~30分前にここのツボを押すと、脳内にある満腹中枢が刺激され、過食を防止してくれます。
場所は、耳の穴の顔側にある、軟骨の突起とアゴの骨の間にあります。
指で左右同時に、10回ほど押しながら揉むだけ。30秒ほどでじゅうぶんです。
手のツボ
手のひらにある「胃・脾・大腸区」というツボも、食欲を抑えるのに効果があります。
場所は、親指の付け根から手首までの、生命線に沿ったラインに広がっています。
その部分をまんべんなく刺激することによって、胃腸の働きを抑えて食欲をコントロールしてくれます。
食べ物をつまみたくなったら、少し強めの痛きもちい程度にマッサージしてみてくださいね。
なお、食べ過ぎてしまって胃もたれを飽和したいときも効果的です。
食欲を抑える方法「アロマ」
場所や時間の制約もなく、香りをかぐだけで効果を得られる「アロマ」。
アロマオイルに含まれる放香成分の中には、脳に直接働きかけて、食欲という本能的な活動をコントロールできる香りがあります。
お手頃な価格で売っているアロマスプレーなら、ハンカチにスプレーして嗅いだり、マスクにひと吹きしても高い効果を実感できます。
柑橘系
柑橘系の果物の皮から抽出された、フルーティーな香り。
オレンジ・レモン・グレープフルーツ・マンダリンなどがあります。
なかでも「グレープフルーツ」の香りには、ヌートカトンという成分が含まれており、食欲抑制効果、さらに脂肪燃焼を促す効果もあるといわれています。
ほかにも、「レモン」や「オレンジ」に含まれているリモネンという成分には、余分な水分や老廃物を排出するデトックス効果があります。
柑橘系の香りは、美容やダイエットにさまざまな嬉しい効果をもたらしてくれることが、生物化学研究所によって実証されています。
バニラ
甘くて優しい香りが特徴のバニラ。
アメリカの研究では、バニラの香りは食欲を抑える効能があることが実証されています。
また甘いお菓子の香りを想起させるため、その香りだけで満足するという説もあります。
甘いものが欲しくなったら、バニラの香りをうまく使ってみて下さいね。
ペパーミント
スーッとした爽やかな香りでリフレッシュできる、ペパーミントの香り。
アメリカのウィーリンジーザス大学の研究によると、ペパーミントの香りを嗅ぐことで空腹を感じにくくなったという研究結果があります。
ペパーミントの爽快な香りが、食欲を忘れされてくれるという説もあります。
ただし、ペパーミント味のガムや飴の匂いでは、同じ効果は得られにくいとのことでした。
この香りは交感神経を活発にしてくれたり、代謝を高めて脂肪を分解してくれる効果もありますので、ダイエットにはうれしい香りです。
キンモクセイ
ほんのり甘い香りのキンモクセイ。
この香りにも、食欲抑制効果があることが分かっています。
キンモクセイには、脳内にあるオレキシン(食欲増進するホルモン)の分泌を抑制する効果があるためです。
睡眠を促す効果もありますので、寝る前のリラックスタイムにもおすすめの香りです。
フェンネル
甘くてスパイシーな香りが特徴のハーブ、フェンネル。
フェンネルとは、ギリシャ語で「痩せる」という意味です。
また漢方では「ウイキョウ」という名前で販売されていますので、その薬効が期待できます。
古代ローマの戦士たちは健康維持のために、女性たちは肥満防止のために利用していたそうです。
当時から満腹感を感じさせるハーブとして女性に人気があったといわれており、フェンネルには食欲をコントロールする効果があります。
またフェンネルには女子ホルモンに似た成分(植物性エストロゲン)が豊富に含まれており、心を安定させてくれる効果があります。
食欲を抑える方法「音楽」
アメリカのロヨラ大学の研究によると、食事中に聴くBGMによって食欲に大きな影響があることがわかりました。
音楽のテンポ
テンポの速い音楽を流すと、口に食べ物を入れる回数が増えることがわかったそうです。
つまり、テンポが速い音楽だと早食いになり、満足度が感じにくいため食欲が増え、太りやすいということです。
逆にクラシックのようなスローテンポの音楽は、落ち着きのある雰囲気を生み出し、満腹中枢が刺激され、量が少なくてもしっかり満足感を得ることができるということです。
ちなみにファーストフード店などで流されているアップテンポの音楽は、回転率を上げるため(早く食べ終えて席を空けてもらうため)といわれています。
音楽の音量
音量に関しては、大音量のほうが食欲減退につながります。
しかし大音量だと、味の濃いものを食べないと満足しない傾向にあり、塩分や糖分の摂り過ぎにつながる結果となりました。
このことをふまえ、ダイエットには小さめの音量で食事をすることが推奨されています。
クラシック
数ある音楽の中で、クラシックの楽曲は、人間の脳や心理に深く働きかける効果が高く、その効果は科学的に証明されています。
クラシックは、緻密な計算によってロジカルに構成された音楽です。
その構成力によって脳が適度に刺激され、自律神経が整えられることで身も心も健やかな状態を保ってくれます。
そこで血圧や心拍数が安定してリラックス状態になると、脳からはα波が生み出され、食事の満足感が上がって自然に食べ過ぎることを防ぐことが分かっています。
好きなポップミュージックを聴きながら食べるのもいいですが、つい食べ過ぎてしまうことを防ぐなら、クラシックやゆっくりな音楽を流し、落ち着いて食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
食べ過ぎてしまうことは、自分の意思の弱さのせいではないことがわかりました。
食欲と脳は、根深い関係にありますので、こちら側から脳への指令を操作してしまいましょう。
今回ご紹介した方法は、どれも簡単に試せるものばかりです。
食欲だけでなく、リラックス効果も期待できますので、ぜひ楽しみながら習慣のひとつに入れてみて下さいね。
食べる喜びをしっかり味わいながら、無理なく、楽しく、続けていきましょう。