春と秋の時期になると、街角にはたくさんの警察官が立ち、パトランプを光らせた白バイやパトカーを普段より多く見かけるようになりますね。
交通安全週間(全国交通安全運動)は、私たちの安全を守るために行われている、とても大切な行事なのです。
そこで今回は、交通安全週間の時期や、春と秋に行われる理由についてもご紹介していきます。
交通安全週間とは?
交通安全週間は、正式名称で『全国交通安全運動』といいます。
毎年、春と秋に2回、「交通事故の撲滅」のために全国で行われている活動です。
内閣府・警視庁・交通交通省など多くの主要省庁だけでなく、各都道府県・市町村も協力して交通安全運動が行われます。
交通安全週間はどんな運動が行われるの?
期間中、警視庁ではたくさんの警察官と、パトカー、白バイを総動員して、いつもより厳しく取り締まりにあたります。
活動をするのは警察だけではありません。
交通安全協会、バス・タクシー・トラックなどの輸送系統の会社の協会、各自治体なども参加し、街角にテントを張って交通安全を呼びかけます。
また期間中は、子どもやお年寄りが交通事故に巻き込まれないよう、交通の知識やマナーを理解してもらうための「交通安全教室」が行われたり、「警察署の見学」なども行われます。
その他にも、安全対策の浸透をはかるための様々なイベントも各地で催されます。
このように、社会全体で「安全」に向けて意識を高める運動が、全国で行われるのです。
2022年の春・秋の交通安全週間の日程は?
2022年の「春・秋の全国交通安全運動」の日程は以下の通りです。
参考資料;交通安全普及啓発事業等|内閣府
毎年「交通事故死ゼロを目指す日」も1日制定されており、この日はより一層気を引き締める日です。
なぜ「春」と「秋」に行うの?
交通ルールやマナーは常に守るべきものですよね。
しかし特に注意を払わなくてはならない時期があり、それが「春」と「秋」です。
春は入学シーズン
春は新入学の季節ですね。
大きなランドセルを背負った小学1年生が登下校することになります。
また、春から自転車通学が始まる学生などもいます。
朝の登校時間帯・夕方の下校時刻には、まだ「通学」に慣れていない子どもたちによる、急な飛び出しやはみ出しがあることが想定されます。
このように、交通ルールに不慣れな子どもが事故に巻き込まれやすいのが、この時期です。
春の交通安全運動では、新入学生に対する交通ルールとマナーの認識に重点をおかれて運動が行われるのです。
僕らの学校に、警察官が来て「交通安全指導」が行われるよ!
通学路では警察官や大人たちが立って見守ってくれるんだ。
運転する僕らには、通学路や事故の起こりやすいところなどで、取り締まりが強化されるよ。
秋は夕暮れに注意
秋口は日没時間が急激に早まる時期ですよね。
そのため車からは視野の確保が難しくなり、夕暮れ時は交通事故が起きやすくなります。
夏の頃に比べ、日没ですでに視認性は悪くなっているのに、つい習慣でライトの点灯が遅れてしまいやすいのが一因です。
さらにこの時期の夕暮れ時は、学校や会社からの帰宅のラッシュと重なるため、必然的に交通事故が増えてしまうのです。
秋の交通安全運動では、夕暮れ時の早めのライト点灯が呼びかけられます。
夕暮れ時は、特に人と車がぶつかって起きる死亡事故が多いんだって。
だから僕は、カバンに反射材をつけて工夫するよ!
薄暗いなと感じたら、迷わず点灯しなくちゃね。
その時はスモールランプではなく、前照灯を点灯だそうだよ。
交通安全週間は取り締まりが厳しくなるの?
春と秋の交通安全週間は、年内で最も取締りの多い期間になります。
この時期は、警視庁では一斉に召集がかかり、交通安全週間に携わる警察官の人員を増やしています。
増えているのは人数だけではありません。
少しでも死亡事故を減らすべく、少しでもその原因に繋がりそうな行為が見つかった場合は、指導や取り締まりなどが行われています。
スピード違反はもちろんのことですが、ありとあらゆる違反の取り締まりが、日頃より強化されます。
交通安全週間では罰金が2倍も取られるの?
交通安全週間では、「警察官にはノルマが課せられている」と聞いたよ。
「普段より罰金を多く取られる」って聞いたけど本当かしら・・・。
交通安全週間になると、そんな話を耳にしたことはありませんか?
答えはいずれもNOです。
交通安全週間で取り締まりは厳しくはなりますが、罰金や違反点数が通常より多く取られるということはありません。
なぜなら、罰金等の違反の罰則については、法律によって定められているからです。
また、警察官にノルマが課せられている、なんてこともありません。
全国各地でこのような話を信じている人がいるようですが、一体なぜこんな噂が広まったのか、真相は分かっていません。
ただ、この噂があるおかげで、いつもよりも安全運転に勤しむドライバーがいてくれていることは確かですよね!
自転車の取り締まりも強化するの?
取り締まりされるのは車だけではありません。
例え自転車であっても、悪質な違反行為や危険な運転をしている自転車に対しては、厳しい交通指導や取り締まりが実施されます。
具体的なものを挙げれば、信号無視、一時停止違反、スマホ操作、酒気帯び、イヤホンなどです。
自転車は免許もいりませんし、小さい子どもからお年寄りまで、誰でも使用している生活に密着した乗り物ですよね。
しかし自転車は、道路交通法上では「軽車両」。いわゆる車両です。
普段から親御さんの安全運転の呼びかけは、非常に大事なことなんだと感じますね。
車両の運転者としての責任を自覚してもらい、安全に利用するよう声をかけていきたいですね。
自転車事故の加害者の約4割がナント10代!
自転車での交通事故の「加害者」として、相手に大きな障害を負わせたり、命を奪うなど悲惨な事故が多発してるようです。
警察庁のまとめによると、自転車による死傷事故の加害者の約4割が10代であるというデータが出ていました。
これにより刑罰だけでなく、高額な損害賠償を請求された事例が少なくありません。
それは被害者のみならず、加害者本人やその家族にも、大きな影響を及ぼしますよね・・。
家族を自転車事故の加害者にしないために、普段から家族で呼びかけ合いましょう!
交通安全週間の目的を考えよう
交通事故はほとんどの場合、1人で起こすものではないですよね。
1人1人が交通安全への関心を持ち、それによって社会全体が安全に向けての意識を高めることができたら、安全で安心な街にすることができますね。
事故をおこしてはいけない、危険に近づいてはいけない、などといった禁止の気持ちを持つのではなく、
日頃から思いやりのある交通行動をし、安全な生活に必要な習慣を養っていくことが、実は大切なようです。
大切な家族が被害者にも加害者にもならないよう、家族で話し合う良い機会です。
少しでも悲しい事故を減らすためにも、私たち1人1人が交通安全を心がけていきましょう。
おわりに
交通安全週間になると、街角では1日中、交通事故防止のために多くの人々が活動しています。
自分の安全な生活は、いろいろな機関や人々、施設によって守られていることが実感できる期間でもありますね。
事故というものは、加害者になっても、被害者になっても、その後の人生に大きな影響を及ぼします。
1人1人の心がけがとても大事なものになります。
交通事故を身近に考え、もっと意識も深められるよう、年に2回の交通安全週間を活用していきましょうね!