あなたの運命の赤い糸は、どこの誰とつながっているのでしょう。
運命の赤い糸は見えないものなのに、なぜ「赤色」なのでしょうか?
その意味や由来をきちんと答えられる人は、案外少ないのかもしれませんね。
そこで今回は、気になる「運命の赤い糸」についてご紹介いたします!
運命の赤い糸とは?
いつか結ばれるべき男性と女性は、見えない赤い糸で結ばれているといわれています。
その赤い糸は、小指と小指で結ばれており、その糸は決して切れることがありません。
信じる信じないに関わらず、昔から長く語られている伝説のひとつです。
運命の赤い糸の由来
運命の赤い糸は、日本発祥のお話ではありません。
さかのぼること今から1000年以上前。
中国の北宋時代(960~1127年)に作られた『太平広記』という童話集の中に、「赤い糸」の物語が記載されています。
この奇談を集めた『太平広記』ですが、当時それほど売れ行きもなかったものの、どういうわけか「赤い糸」は有名になりました。
運命の人とは見えない赤い糸で結ばれている、その世界観は、いつの時代も人々の憧れと感心を集めるような力が確かにありますね。
赤い糸の物語のあらすじ
出典;https://zh.wikipedia.org
その赤い糸の物語とは、このような内容です。
ひとりの青年が、縁談相手の女性と会うために出かけると、月明かりの下で不思議な老人と出会いました。
その老人は「その縁談はうまく行かないよ」と言い、「結ばれるべき相手は、赤い縄で足と足が結ばれている」と言うのです。
さらに青年の運命の相手というのは、”貧しい3歳の幼女”であると告げました。
怒った青年は、召使にその貧しい幼女を刺すよう命じました。
幼女は額に刀を突きさされましたが、幸いにも逃げたことで一命をとりとめました。
その14年後、青年が結婚した女性の額にはその傷がついていたのです。
不思議な老人の正体は?
最初に出会った不思議な老人というのは、冥界から来た縁結びの神様でした。
冥界で結婚相手を決め、現世に来て男女の足首に赤い縄を結びます。
この縄が結ばれると、距離や境遇に関わらず、必ず2人は結ばれる運命にあるのです。
日本で伝わった運命の赤い糸
これが日本に伝わり、約束の意味で使われる手の小指に変わり、縄が糸に変わりました。
ちなみに、日本の最古の歴史書『古事記』でも赤い糸の伝説があります。
女性のもとに毎晩通ってくる男性と恋に落ちましたが、その正体を突き止めようと、衣の裾に糸を通し、赤土のついた糸を辿って追いかけたという話です。
しかし現在の「運命の赤い糸」の伝説に近いのは、中国の話の方だと考えられています。
運命の糸が「赤色」なのはなぜ?
見えないのに「赤い」なんて矛盾していますよね。
赤色の理由は諸説ありますが、発祥となった中国では、赤はおめでたい色として最も好まれており、これがもっとも有力な説とされています。
中国では、春節や結婚などの「ハレの日」には必ず赤いもので壁や柱を飾りつけたりと、赤色はさまざまな場面で多用されています。
確かに日本や海外でも、中国といえば赤というイメージがありますね!
また、赤は「血縁」を意味しているという説もあります。
結婚して家族になることで、「血縁」と同じくらい深い関係になることを表したのではないかともいわれています。
運命の赤い糸が「左手の小指」につながっている理由は?
前章でご紹介した物語の中では「足首に赤い縄」でしたね。
しかし日本では「左手の小指に赤い糸」です。
足首から「左手の小指」に変化した背景には、次の2つの事柄が関係していると言われています。
①小指の由来は「指切り」
出典;https://ja.wikipedia.org
「ゆびきりげんまん」のフレーズでおなじみの指切り。
指切りはそもそも江戸時代に、吉原などの遊郭で行われていた儀式的な風習です。
遊郭の遊女が、意中の男性客に「変わらない愛を誓う証」として、自らの小指の第一関節を切断して渡していたといわれています。
小指を絡ませるのは、このためです。
相当な苦痛を伴うことで「それくらい愛している」という意味を表し、髪や爪と違って切るともう生えてこないため、生涯の誓いの強さを示していたとされています。
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②左手の由来は「結婚指輪」
日本には結婚指輪の習慣がありますが、もとは西洋の文化です。
西洋では、心臓は「愛情の象徴」とされており、左手薬指はその心臓に太い血管で結びついついてるとされていました。
このことから、左手薬指に2人の愛の証となる結婚指輪は、まさに「永遠の愛のシンボル」ということになります。
日本では1904年(明治37年)、『服装新聞』に初めて結婚指輪の広告を掲載したことから、結婚指輪の習慣が広まっていきました。
このように、
- 永遠の愛を誓う「左手」
- 約束を意味する「小指」
この2つが組み合わさり、左手小指には運命の赤い糸がつながっている、ということになったようです。
運命の赤い糸。海外にもあるの?
ロマンチックな宿命を感じる運命の赤い糸ですが、海外にも存在するのでしょうか?
調べてみると、赤い糸に不思議な力があるという話は世界各地にあるようです。
例えばユダヤ人の間では、災いから身を守るために「赤い毛糸を左手首に巻く」という習慣があります。
またアメリカなどでは、「赤い糸は幸運のお守り」として広まっています。
しかし、将来結ばれる男女が「赤い糸で結ばれている」とする言い伝えは、主に日本や東アジア諸国特有のものです。
他の地域では、赤い糸が恋愛の話に直結しないようです。ちょっと意外ですね!
運命の赤い糸。英語では?
「運命の赤い糸」をそのまま英語にするとこのようになります。
- red string of fate
- red thread of destiny
- red thread of fate
しかし前述のとおり、英語圏では日本でいう「運命の赤い糸」の概念がありません。
ですので、同じような意味で言いたいなら、
- destined couple
「運命付けられた二人」 - the invisible destined relation
「目に見えない運命付けられたつながり」
という表現を使うのはいかがでしょうか。
おわりに
映画や小説、漫画など、さまざまなものでモチーフにされることの多い「運命の赤い糸」。
結婚式の披露宴でも、中島みゆきさんの『糸』が使われることが多いようですね。
目に見えないもので残念ですが、その不思議な糸の存在を信じることで、運命をもっと身近に感じられるかもしれませんね。