お正月飾りなどを焼く日本の伝統行事「どんど焼き」ですが、東京ではいつどこで行われるのでしょうか。
そこで、東京都区内で行われるどんど焼きの場所と日程を、詳しくご紹介していきます。
東京のどんど焼きスポット
どんど焼きは新年に行われる火祭りの行事であり、古くから日本全国で広く見られる習俗です。
しかし東京の場合は、防火のために徳川幕府が禁止していたことの影響、そして今はダイオキシンや放射能物質問題の懸念で、大々的な開催は非常に少ないです。
そんな希少な東京のどんど焼き。今現在行われている神社やスポットをご紹介します。
鳥越神社(台東区)
出典;http://kanjinchou0425.blog.fc2.com
江戸では防火のため禁止されていたどんど焼きですが、鳥越神社だけが許されていました。
そのため、東京都内の神社の中で最も大規模のどんど焼きです。
ここでは「どんど」ではなく「とんど」焼きといいます。
積み重ねられたお正月飾りに火打ち石で火がつけられると、高く昇る炎の周りを子ども達が「トンドや、トンド」と言って青竹で地面をたたきながら、ぐるぐる歩き回ります。
その火であぶったお餅を食べると「一年間健康でいられる」といわれ、毎年1,000人ほどの地域の人が集まります。
特設納所が3日前から設置されますので、お飾りやお札などを前もって納めることが可能です。
その際は、飾りのプラスチック類は外し、ビニール袋や新聞紙は持ち帰るようにしましょう。
名称 | 鳥越神社 とんど焼 |
日程 | 2023年1月8日(日) |
開催時間 | 13:00~(天候によって変更することがあります) ※納所は1月5日(木)~8日(日) 午前中まで |
開催場所 | 鳥越神社 |
料金 | 無料 |
住所 | 東京都台東区鳥越2-4-1 |
お問合せ | 03-3851-5033(鳥越神社社務所/9:00~17:00) |
アクセス | 地下鉄「蔵前駅」から徒歩5分 JR「浅草橋駅」西口 から徒歩8分 大江戸線「新御徒町駅」から徒歩10分 |
駐車場 | なし(近隣にコインパーキングあり) |
▼鳥越神社の地図はこちらです。
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花園神社(新宿区)
出典;https://twitter.com
新宿区の中心にある花園神社は、酉の市や例大祭など、一年中賑わいの絶えない人気の神社ですね。
しかし花園神社のどんど焼きは、鳥越神社ほど大規模ではありません。
上の写真のように缶がいくつか設置されており、その中で燃やします。
ここでは昔から「どんど焼き」ではなく、「湯の花神事」や「湯花祭」と呼ばれています。
この火で沸かしたお湯を神様に供え、同じお湯でつくった甘酒が参拝者にふるまわれます。
たくさんのご利益がありそうな甘酒は、毎年多くの参拝者から好評のようです。
古札納所がありますので、そちらでお札や熊手などを納めることができます。
可燃物以外の持ち込みは禁止となっていますので、ビニールや燃えない飾りがついている場合は、外してから持っていくようにしましょう。
煙への苦情や会場難などでその多くは行われなくなった東京のどんど焼き。
規制が厳しい新宿で、小規模ながらも毎年続けてくれているのはありがたいですね。
名称 | 花園神社 湯の花神事(湯花祭) |
日程 | 2023年1月8日(日) |
開催時間 | 11:00~ |
開催場所 | 花園神社 |
料金 | 無料 |
住所 | 東京都新宿区新宿5-17-3 |
お問合せ | 03-3209-5265(花園神社) |
アクセス | 東京メトロ丸の内線・副都心線・都営新宿線「新宿三丁目駅」E2出口すぐ JR・小田急線・京王線「新宿駅」東口 徒歩7分 |
駐車場 | なし(近隣に有料駐車場あり) |
▼花園神社の地図はこちらです。
多摩川河川敷(世田谷区)
喜多見地区で恒例となっている、多摩川河川敷でのどんど焼きです。
河川敷に組まれた高さ約15mにもなる大きなやぐらに火がつけられると、あっという間に白い煙が広がり、激しい勢いで小屋が火に包まれます。
その天も焦がすような炎の迫力と、やぐらから離れて見ていても感じる熱気に、集まった人々からは驚きの声と歓声が上がります。
火が弱まる頃になると、お餅が結び付けられた竹の棒が子供たち優先に配られ、そのお餅を火で焼いて食べることができます。
さらに会場では来場者に甘酒とお神酒が振る舞われるのが恒例で、毎年2,500人ほどの来場者が集まります。
門松やお飾りに付いている塩ビ・プラスチックや金属等は外してから持って行くようにしましょう。
首都圏のど真ん中でこんなに大きなどんど焼きができるのも、広大な多摩川の河川敷のおかげですね。
名称 | 多摩川河川敷 どんど焼き |
日程 | 2023年1月15日(日) |
持込受付 | 当日10:00まで |
開催時間 | 【点火】10:00頃の予定 |
開催場所 | 二子玉川緑地運動場内ピクニック広場 北側 |
料金 | 無料 |
住所 | 東京都世田谷区鎌田1-3-5(二子玉川緑地運動場) |
お問合せ | 03-3709-7945(鎌田南睦会) |
アクセス | 東急田園都市線・東急大井町線「二子玉川駅」から徒歩15分 または二子玉川駅からバスで成城学園前行き吉沢下車、徒歩5分 |
駐車場 | あり(土日祝のみ有料 100円/30分) |
▼会場周辺の地図はこちらです。
六郷どんど焼き(大田区)
出典;http://daiyen005pecopon.blogspot.com
こちらも多摩川河川敷で行われる、六郷のお正月の風物詩「六郷どんど焼き」です。
サツマイモ、みかん、甘酒、おしるこなどが振舞われ、毎年2,000人以上の人が楽しみに訪れています。
サツマイモはアルミホイルで包み、針金で竹に吊るして、火が弱くなった時に火の中に入れて焼き芋にして食べることができます。
また、六郷の郷土玩具である「とんび凧」の凧上げも、13時から行われます。
子供用の凧も配られますので、親子で参加してお正月らしいひとときを楽しむことができます。
名称 | 六郷どんど焼き |
日程 | ※毎年1月の第2日曜日ですが、2023年は中止 |
開催時間 | 12:00~ |
開催場所 | 東六郷三丁目先 多摩川六郷橋緑地 |
料金 | 無料 |
住所 | 東京都大田区東六郷3丁目地先 |
お問合せ | 03-3734-9534(六郷どんど焼きを守る会) |
雨天 | 小雨決行、凧あげは雨天中止 |
アクセス | 京急本線「六郷土手駅」から徒歩5分 |
駐車場 | あり(500円/1日) |
▼会場周辺の地図はこちらです。
こまえ初春まつりのどんど焼き(狛江市)
出典;https://www.city.komae.tokyo.jp/
同じく多摩川河川敷の上流では、狛江市でもどんど焼きが行われています。
こちらは『こまえ初春まつり』として、「多摩川ロードレース」「狛江市消防団出初式」「どんど焼き」の三つのイベントを同一会場で開催されるものです。
狛江のどんど焼きは、てっぺんが細長く、先端にだるまがぶら下がっているという形状が特徴で、点火すると炎が勢いよく音をたてて燃え上がっていきます。
会場では、温かい甘酒やお汁粉のふるまいもあり、毎年1万人以上の人が楽しみに訪れています。
このお祭りはどんど焼きだけでなく、人気のイベントとして消防団によるレインボー放水も見ものとなっており、一年の始まりを感じさせるように華やかさを演出してくれます。
また、はしご車体験乗車(先着15組)や、飲食販売ブースなどもあり、イベント盛りだくさんです。
狛江市のどんど焼きは、家族でお出かけすると楽しそうなお正月行事ですね。
名称 | こまえ初春まつりのどんど焼き |
日程 | 2023年1月8日(日)9:30〜 |
持込受付 | 1月7日(土)13:00〜16:00、 もしくは当日の8:00〜10:00まで可能 |
開催時間 | 【こまえ初春まつり】10:00〜15:00 【どんど焼き開会式】9:30〜 【点火】10:00〜 |
開催場所 | 多摩川緑地公園グラウンド |
料金 | 無料 |
住所 | 東京都狛江市猪方4-1 |
お問合せ | 03-3430-1149(企画財政部 秘書広報室) |
雨天 | 小雨決行、荒天中止 |
公式HP | 狛江市 |
アクセス | 小田急線「和泉多摩川駅」から徒歩5分 |
駐車場 | なし |
▼会場周辺の地図はこちらです。
どんど焼きで焼くもの・焼けないもの
どんど焼きとは、神社などで火を焚き、お正月飾りとして使ったものやお守りなどを家から持ち寄って、一斉に集めてお焚き上げしてもらう行事です。
ですが、中には家庭ゴミとしか思えないようなものをどんど焼きに持ち込む人も少なくない様です。
ここでは焼けるものと焼けないものについての一例をまとめてみました。
焼けるもの
※お守りやお札については、納め所がある所はそこに出しましょう
神社によっては、どんど焼きで燃やすのがNGのところがあります。
焼けないもの
焼けないものの基本は、ずばり神事に関係のないものと、燃やすと有害物質が発生するものです。
焼ける焼けないの線引きは、地域や神社ごとにばらつきがあります。
例えばだるまは焼くと目がつぶれるからNGの神社もあれば、縁起ものなので焼いてOKの神社もあります。
わからない場合は事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
これからも東京近郊でどんど焼きを続けてもらえるように、神社や地域のルールは守るようにしたいね!
どんど焼きに行けない場合
どんど焼きをやってる場所が近くに無い、用事があって行けない、すっかり忘れて過ぎてしまったということもあると思います。
ここでは、どんど焼きに行けない場合の「処分方法」を2つご紹介します。
近くの神社やお寺に持ち込む
お正月期間でしたら、神社やお寺に「古札納め所」という専用の箱を設けているところもありますので、そこに納めることができます。
その際は、いただいた寺社に納めるのが基本です。
旅先で買ったお守りは、どうしたらいいかな?
他の寺社でいただいたものでも預かってくれる寛容な寺社は多いです。
その場合は必ず確認し、了解を得た上で古札納め所に出してください。
ただし、神社に寺の、寺に神社のものはタブーです。
正月飾りもOKな寺社もありますので、こちらも事前に確認してから持って行きましょう。
自宅でお清めして処分する
神社に返納しなくても、自宅で処分することも可能です。
その際は感謝の心を込めて、しっかりとお清めしましょう。
【お清めの仕方】
- 新聞紙や半紙などの大きめの紙に、正月飾りなどのお清めしたい物を乗せます。
- その上からお塩を「左、右、真ん中」と3ヶ所に振ります。
- 紙で丁寧にしっかり包みます。
お清めが終わったら、地域のゴミの分別方法に従って正しく処分してください。
どんど焼き、神社に返納、自宅で処分、どんな方法を取るにしても、大切なことは感謝の気持ちを持って神様に返そうと思う気持ちです。
おわりに
東京では開催地の確保や煙の問題、ダイオキシンなどの環境保全の観点から、どんどん規制が厳しくなっています。
そのため東京でどんど焼きに参加できる機会は貴重ですので、わざわざ足を運んで行く価値がありますね。
ぜひお正月明けのスタートはどんど焼きで、1年間の無病息災を願いましょう。