おみくじの内容は理解できる?縁起の良い順番や待ち人の意味など解説!

おみくじの吉と小吉と末吉はどっちが上だっけ?

待ち人ってなんのこと?おみくじは持って帰るの?結ぶの?

おみくじの文面は面白いけど、いまいち意味がわかりにくいですよね。

そこで今回は、ちょっと気になるおみくじの様々な疑問ついて解説していきます。

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おみくじの縁起の良い順番は?

おみくじ

今年の運勢はどうかな?と、初詣の参拝で楽しむおみくじ。

大吉が出たら嬉しいですが、2番目以降の順番はどうなっているのでしょう?

実はとても意外なのですが、おみくじの順位は神社によって違います。

それは、それぞれの信仰による解釈が違うためです。

つまり、おみくじの順序のパターンは複数あるということです。

ここでは、最も多く使われているものをご紹介します。

最も一般的な「7段階みくじ」

2種類あります。

大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶

大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶>大凶

日本全国にある神社を包括する宗教法人『神社本庁』によると、「おみくじの順番は各地域の神社によって異なっており、一概にどの順番かは明言できない」という答えでした。

ですが、「最も多くは上記のような解釈がある」ということです。

吉の位置が違うだけなのですが、解釈も大きく変わってきますね。

とはいえ、一般的なおみくじの順番が必ずしも正解とは言えませんので、おみくじを引いた際に神職や住職に聞いてみることが良いようです。

もっと細分化された「12段階みくじ」もあります

さらに細かく分けられたものがこちらです。

大吉>中吉>小吉>吉>半吉>末吉>末小吉>凶>小凶>半凶>末凶>大凶

吉や凶の種類が多いですね!

もっと細かくして17段階もある神社もありますし、そもそも吉凶がない、という神社もあります。

なぜ神社によって異なるの?

神社やお寺によって、順番も違えば、おみくじの種類も様々。

なぜこうも違うのかというと、実はおみくじの源流を探っていくと説明がつきます。

日本のおみくじの創始者である「良源りょうげん元三大師がんざんだいし)」(919~985年)というお坊さんが、おみくじのルーツとなった元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょうという書物を作りました。

その内容によると「吉凶の80%が大吉・吉・凶。残りの20%は各所好きに決めてよい」といった内容が記されていました。

詳しく書くと、「大吉16%、吉35%、凶29%、その他20%」となっているようです。

これを参考にしている神社やお寺が多いため、大吉・吉・凶以外は、各寺社の考えや解釈によって違いが出てくるのです。

現在、全国にはその当時の形式を残したまま、独自の解釈によって進化を遂げた、さまざまな形式のおみくじも多く存在しています。

また最近では、縁起が悪いという声を受けて「凶」をつくらない寺社も増えているようです。

角大師

余談ですが、新型コロナウイルス禍で、平安時代に疫病を鎮めたと伝わる「元三大師がんざんだいし」のお札が注目されました。

上の絵を見たことがある。という方も多いのではないでしょうか。

この元三大師こそ、おみくじの創始者である良源りょうげんの通称です。

良源は、世に疫病が流行すると、角の生えた鬼の姿(角大師つのだいしとなって、疫病神を退散させたという伝説があります。

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凶の割合

おみくじを開く

では、凶の割合はどのくらいになるのでしょう?

現在、多くの神社やお寺で「凶」が出る確率は、およそ10~20%と推測されています。

本来であれば、おみくじの原典『元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょう』にならって、「大吉16%、吉35%、凶29%、その他20%」という割合でつくられていました。

ただ、このおみくじのルーツを忠実に再現した場合、全体の約30%が凶となりますので、わりと高い確率ですよね。

そこで現代では、初詣の楽しみのひとつにされているおみくじを、神社側の配慮で凶の割合を少なくしているところが多いようです。

また、縁起が悪いという考えから「凶」をつくらない神社も増えているとのことです。

ただし、「凶」は必ずしも悪い意味ではありません。

凶というのは、神様からの「厄災に備えなさい」という励ましのお言葉です。

凶を吉に転じるにはどのようにしたら良いのか、解説文に示されていますので、よく読んで活かすことが大切です。

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おみくじで重要な部分は「和歌」「漢詩」

開いたおみくじ

おみくじで重要な部分は、吉や凶よりも、和歌や漢詩の「お告げ文」です。

実はここが、おみくじの本文です。

神社の場合は「和歌」で、神様からのメッセージ。

お寺の場合は「漢詩」で、仏様からのメッセージになっています。

この内容をさらにわかりやすくするために、吉や凶とランク付けをし、項目別の解説や教訓が付け足されているのです。

でも和歌や漢詩がよくわからないわ・・・

そう思う方も多いですよね。

和歌の場合は、歴史的にも有名な人物が詠んだ名歌がほとんどですので、同じ文章を検索すれば現代訳が出てくるはずです。

漢詩はおみくじの原点であり、仏法の教えを元にした教訓ですので、こちらも検索すると現代訳が出てきます。

現代訳をそのまま解釈してから、現代に生きる自分なりの教訓をそこから読み取ってみましょう。

詩歌にはわたし達が使っている日常言語には置き換えきれない多義性を含んでいるため、深い神秘性があります。

はるか遠い昔に詠まれた古典的な歌ですが、あなたの現代生活に活かす指針となるよう、ぜひ神様のメッセージに耳を傾けてみてくださいね。

 

▼99種の和歌・漢詩をピックアップし、日本宗教史研究家が神様からのメッセージを詳しく読み解いているこちらの本もおすすめします。

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おみくじのひきかたの手順

おみくじコーナー

おみくじは、ただひくだけではもったいないです。

ぜひ正しい作法を心得ておくことをおすすめします。

①お参りしてからおみくじをひく

どこの神社やお寺でも共通しているのは、神様や仏様にお参りしてから、おみくじを引くことです。

おみくじをひくときは、今年は何が出るかな〜ワクワク!という気持ちはできるだけ抑え、先にお参りした際に念じた内容を心に思い浮かべながらひくのが大切です。

②おみくじを読み解こう

「大吉だ!ヒャッホー」「凶だなんて今年一年不安だな」など、吉凶だけを見て一喜一憂するだけではもったいありません。

書かれているお告げ文を、しっかりと自分自身と照らし合わせて読み解きましょう。

③持ち帰る?結ぶ?

実はおみくじは、吉凶に関わらず、結んでも、持ち帰っても、どちらでも良いとされています。

持ち帰る場合

ひいたおみくじは大切に持ち帰り、願い事が叶うまで時折見返しながら生活すると良いそうです。

お守りと違って、1年経ったら返納するというルールはありませんので、ずっと手元に置いても構いませんし、願い事が叶ったら各寺社の『古札納所こさつおさめしょ』に納めても良いです。

大吉だったり良い内容だった場合はお守りとして持ち帰る人が多く、凶だった場合でも、今後の指針となるため持ち帰るという人もいます。

結ぶ場合

大吉や良い内容だった場合は持ち帰り、凶は結んで帰るという風習もあります。

持ち帰らない場合は、境内にある指定された場所に結びます。

境内の樹木に結ぶ人もいますが、枝や樹皮を傷つけてしまいますのでやめるようにしましょう。

おみくじの結び方

結んだおみくじ

おみくじの結び方に決まりはありませんが、一般的に以下のように結びます。

①おみくじを縦半分、さらに縦半分に折り、細長くします。
②それをカタカナの「フ」の形に折り曲げます。
③結ぶ場所に引っ掛けて、端をクロスさせ、できた輪の中に通して結びます。

余談ですが、おみくじの結果が悪かった場合は、利き手の反対の手(片手)だけで結ぶと、困難に打ち勝つとし、運気が上がると言われています。

修行のようで大変かもしれませんが、挑戦してみるのも良さそうですね。

なぜおみくじを結ぶの?

そもそも、なぜおみくじを木に結ぶ風習があるのでしょう?

おみくじを木に結ぶ風習は江戸時代にはあったようですが、文献上の根拠がないことから、詳しい由来はわかっていません。

現代の解釈ですと、「神様との縁を結ぶ」「悪い運を神社に留める」という意味があるとされています。

とくにおみくじが悪かった場合、おみくじを結んで神社に留め、悪い運気を家に持ち帰らないようにする風習がありました。

ところが、たくさんのおみくじを木の枝に結ぶと生育を妨げてしまうことで、後からおみくじを結ぶ奉納場所が設けられるようになりました。

大吉など良いおみくじだった場合は持ち帰り、財布や鞄などに入れて大切にしておくのが一般的とされています。

また、いつでも神様からのメッセージを読み返せるよう、吉凶関係なく持ち帰ることを勧めている神社もあります。

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おみくじは何度もひいてもいいの?

おみくじの結果が良くなくて気分が晴れないからと、もう一度ひき直したくなるのも人情ですね。

おみくじを引くのは一度だけ、というルールがあるわけではありません。

ですが「再籤さいぜんすればけがれる」という言葉があり、複数おみくじを引き直すのは、あまり良くないとされています。

引き直しは、神様の聖断、つまり神意を疑うことにもつながるので、これを避けたほうが良いということです。

おみくじの本来の目的は、「よい結果」を引くことではなく、自分への戒めを含めて、神様の言葉に耳を傾けることにあります。

おみくじの吉凶にとらわれず、おみくじの言葉をよく読み解き、自分を見つめ直すことが肝心なようです。

明智光秀は何度もひいていたよね?

明智光秀のイラスト

戦国武将・明智光秀も、本能寺の変の前に凶を引いてしまい、何度も引き直したけれど3回とも凶だった、というエピソードが残されています。

これは、わたし達がよく知る「おみくじ」とは全く違います。

戦国時代の頃は前もって作っておいた紙片のくじが用意され、出陣前にくじを何度か引き、攻撃の日時や戦法を占うことをしていたそうです。

今でいう、サイコロを使ったダイス占術のようなものでしょうか。

織田信長の生涯が記録された『信長公記しんちょうこうき』には、本能寺攻めの前の明智光秀の行動が記されており、このとき使用されたくじは、光秀自身が用意したものだったようです。

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待ち人ってどういう意味?

おみくじの項目

おみくじを見てみると、健康や転居、縁談など、さまざまな項目があって面白いですよね。

そのなかでも「待ち人」というのは、一体何を示しているのでしょう?

待ち人はあなたのキーパーソン

待ち人とはその名の通り、あなたを待っている人のことです。

もっと詳しく言うと、「あなたの人生に大きな影響を与える、鍵となる人物」を指しています。

その人は誰かというと、家族、友人、知人、好きな人などが考えられますが、その限りではありません。

まだ会ったことがない人も含めて、あらゆる可能性が込められています。

今後あなたに影響を与えてくれる人、その全般が「待ち人」なのです。

また人そのものに限らず、「人生の岐路となるきっかけ」も含まれており、待ち人はとても幅広い意味を持っていると言えます。

待ち人のあとには、何と書かれてありますか?

「待ち人」のあとに書かれている内容の意味を解説していきます。

来ず たよりあり

たよりとは、「連絡」です。

昔では手紙のことでしたが、今ではSNSまでも含まれているそうです。

姿は見えないけれど、あなたに対して何らかの思いを持っていて、連絡があることを示しています。

来ず さわりあり

さわりとは、「予兆」です。

会えないけれど、その機運が高まっている状態です。

例えば、来年会うきっかけとなる出来事が、今年のうちに起こるかもしれません。

来ず 音信あり

音信とは、「第三者から待ち人の話を聞かされる」と考えてよろしいかと思います。

これから起こるであろう何かに結び付く「予兆」となる様子が示されてます。

来るでしょう(つれがある)

これは文字通り、相手が現れることを表しています。

「つれがある」と書いてある場合は、複数人やって来ることが示されています。

来るが遅い(来るとも遅し)

これも文字通り、来るけれど時期が遅いという意味です。

遅い時期とは曖昧ですが、気長に待ちなさいと意味が込められています。

来る たよりあり

たよりとは、「連絡」です。

昔では手紙のことでしたが、今ではSNSまでも含まれているそうです。

あなたに対して何らかの思いを持ち、連絡があることを示しています。

来る 音信あり

音信とは、「第三者から待ち人の話を聞かされる」と考えてよろしいかと思います。

第三者によって「待ち人」の話を聞き、その存在を知ることになります。

来る 驚く事あり

待ち人が来ると同時に、驚くような出来事があるということです。

来る 喜びあり

文字通り、何か良い出来事やきっかけが起こるということです。

この結果が出たらわくわくしますね。

自分にきっかけを与えてくれる人がいるとわかれば、もっと広い視点で生活をしてみるのも良いかもしれませんね!

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おみくじで「凶がでやすい神社」5選

おみくじの凶

神社によって確率はバラバラですが、現在「凶」が出る確率はおおむね10~20%と推測されています。

しかし、前章で解説した、おみくじの原典『元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょう』にならっている神社ですと、全体の約30%が凶となります。

ここでは、凶が出やすいとして有名な神社を5つご紹介します。

浅草寺(東京都台東区)

都内有数の観光名所・浅草寺では、凶が出やすいと語り継がれており、ここのおみくじはちょっとした裏名所にもなっています。

ここは1~100番までの数字が書かれた竹棒を振って出す『振りくじ』という方式で、古来の配分を守っているため凶が出る確率は約30%です。

ちなみに大吉は16%ですから、大吉が出たら幸運ですね。

深大寺(東京都調布市)

東京都内では浅草寺に次いで長い歴史を持つ寺院で、ここでもまた、凶が出やすいと有名です。

深大寺のおみくじは、木箱を振り、出てきた棒に書かれている番号を引き出してから取り出すという方式となっています。

こちらも『元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょう』にならっているため、凶を引く確率は約30%です。

近年の世相から凶の少ないおみくじが主流の中、由緒正しく、江戸時代の伝統を守ったおみくじは貴重ですね。

平間寺/川崎大師(神奈川県川崎市)

あらゆる厄除祈願の寺として知られる川崎大師。初詣の人手は約300万人を超え、毎年ニュースでも取り上げられていますね。

ここでも『元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょう』にならっているため、凶を引く確率は約30%となっています。

初詣の人手は毎年300万人ですから、全員おみくじを引いたとすると、約87万人ほどの人が凶を引くことになりますね。

そんなことを考えれば、もし凶を引いてもそれほど落ち込まずに済みそうですが、、いかがですか?

清水寺(京都府京都市)

清水の舞台で有名なこの清水寺も、凶率が高いことで有名です。

こちらも『元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょう』を採用していますので、凶が出る確率は約30%とのこと。

以前は大凶が含まれていたそうですが、現在では廃止されています。

大吉の確率は凶のおよそ半分ですので、大吉が出たらまさに幸運ですね。

厳島神社(広島県廿日市市)

ユネスコの世界文化遺産にも登録されている厳島神社いつくまじんじゃ

現在、こちらのおみくじは35番まであり、大凶は廃止されたので、凶は8本のみとなっています。

しかし計算すると、割合的には23%の確率で凶が出ることになりますね。

ちなみに、厳島神社のおみくじは区分が多く、中には、「吉凶未分きっきょういまだわからず(吉か凶かまだはっきりしない状態)」や「始凶末吉はじめきょうすえきち(最初は凶だけど後に吉になる)」というものがありますが、これを凶と解釈してしまうならば、厳島神社は確かに凶率が高いと言えるのかもしれませんね。

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おわりに

おみくじはここ20年ほどの間に、おみくじの原典である『元三大師御籤帳がんざんだいしみくじちょう』を中心に研究が進展しており、この書物と実際のおみくじを分析し、歴史の変換を辿りながら、その実態を探るさまざまな調査が行われています。

そんな中でわかっていることは、神仏のおみくじは時代とともに変わりつつあるけれど、神仏と人間は切り離せない関係にあるということです。

おみくじはどのような結果であっても、何が語られているかをじっくりと読み、その意味を考え、自分の願いや今の状態と照らし合わせて解釈して、それを自分のこれからに活かすのが、おみくじとの理想的なつきあい方と言えます。

次に引くときは和歌や漢詩をよく読み解きながら、これからもおみくじを楽しんでいきたいですね!

 

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