1月の行事(七草がゆ・鏡開き・小正月・寒中見舞い)伝統的な由来や風習を紹介します

穏やかに新年を迎え、気持ちも新たに1月が始まりました。

1月はさまざまな行事がありますが、昔からの奥ゆかしい風習が残されていて、どれも遠い記憶で味わったような懐かしさが感じられるものばかりです。

どことなくお祝いムードが続く1月の代表的な行事を、わかりやすくご紹介します!

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1月は美味しい行事がいっぱい!

雪と神社

忙しい現代では、お正月も年中行事も関係なく、せわしない毎日を送っている方もたくさんいると思います。

少し立ち止まって季節を感じてみませんか?

1月は、疲れ気味の体や、胃腸を落ち着かせる美味しい行事が中心です。

あまり堅苦しく考える必要はないと思います。ぜひ楽しみながら気楽に、日本の素敵な伝統をおさらいしていきましょう。

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1月7日の朝は「七草がゆ」

七草がゆ

1月7日の朝に、「春の七草」と呼ばれる、7種類の野菜を炊き込んだおかゆ「七草がゆ」を食べる風習があります。

この日の朝にこれを食べると、今年は病気にかからず寿命ものびると言われています。

この頃になると、スーパーにはきれいにパックされた「七草セット」が並びますね!

七草がゆの由来は?

これは平安時代に中国から来た風習で、「七草は邪気を払う」とされ、当時は宮中行事として七草を汁に入れて食べていました。

おかゆにしたのは室町時代からと言われています。

一般庶民に定着したのは江戸時代以降からです。

七草は日本のハーブともいわれるほど栄養素が高く、真冬の1月は野菜が不足がちになるため、栄養を補うという効用があります。

そしてお正月のご馳走続きで疲れた胃腸を休ませるために、七草がゆを食べて無病息災を願うようになったのです。

七草の種類は?

春の七草、聞いたことはあると思いますが、7種類全てご存知でしょうか?

  • セリ
  • ナズナ
  • ゴギョウ
  • ハコベラ
  • ホトケノザ
  • スズナ(カブ)
  • スズシロ(大根)

この7種類を現代流に言えば「春のハーブ」ということになります。

七草の効能は?

七草がゆの風習は迷信でもなく、医学的にも効能があることがわかっています。

セリ健胃・食欲増進・解熱・利尿・去痰など
ナズナ止血・消炎・鎮痛・解熱・利尿など
ゴギョウ咳止め・利尿・扁桃腺炎の予防など
ハコベラ歯痛・消炎・利尿など
ホトケノザ健胃・食欲増進など
スズナ(カブ)消化促進・解毒・咳止めなど
スズシロ(大根)消化促進・利尿・咳止めなど

お正月のごちそう三昧で疲れた胃腸には、なるほど、「七草がゆ」なら消化が良いですね。

飽食といわれる現代、漢方薬や生薬が見直されるのと同じように、七草の効用について考えてみるのも意義深いものですね。

強い生命力を体に取り込む儀式として、ぜひ取り入れて頂きたい1月のイベントです!

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1月11日は「鏡開き」

おしるこ

自然の恵み、神さまの賜物である餅米でつくられ、お正月飾りの華だった鏡餅。

その飾った鏡餅を、1月11日に割って食べる行事が「鏡開き」です。

鏡開きの由来は?

もとは中国で、元旦に固い飴を食べて、延命長寿を願う儀式がありました。

それが日本に伝わり江戸時代には、飴が固いに変わり、固いものを食べ、歯を丈夫にして、年神様に長寿を祈るという「歯固はがため」と呼ばれる行事になりました。

当時は「刃柄はつか」にかけて、20日前後に行われていましたが、 徳川三代将軍家光が4月20日に亡くなったことから、月命日の20日を避けて、11日に改まったと言われています。

当時、鏡餅は武家の風習だったため、「切る」「割る」という、武士には縁起の悪い言葉を避け、縁起の良い末広がりをイメージし、運を開くという意味を込めて「鏡開き」と言われるようになりました。

食べ方は?

鏡餅を開くときは、包丁を入れずに、手や木づちで割って「開く」のがしきたりとなっています。

だいぶ固くなっていますので、大きいものは少しレンジで温めてから、手で小さくちぎるという人もいるようですよ。

ぜんざいやおしるこで美味しくいただきましょう。

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1月15日は「小正月」

1月1日を「大正月」というのに対して、1月15日を「小正月こしょうがつと言います。

旧暦では月の半ばを1ヶ月としていたので、「旧正月」とも呼びます。

15日にもなると、女性はお正月のおせち作りや年始の接待など、その忙しさから解き放たれるので「女正月」とも言うそうですよ。

小正月は、主役の大正月の良き脇役として、特殊な意味の行事があります。

餅花・まゆ玉

餅花

1月15日前後になると、街や商店街などで、木の枝に赤と白のピンポン玉のようなものがついた飾り物を見かけたことはありませんか?

このピンポン玉状のものは、餅をまるめて作った「餅花」といい、小正月の飾りものです。

餅花は柳や樫の木などの枝先に挿して、神棚に供えたり、室内に飾り、豊作を願う習慣があります。

養蚕の盛んだった地方では、餅花をまゆの形に作ったものもあり、それは「まゆ玉」とも呼ばれます。

小豆がゆ

小豆粥

前述の「七草がゆ」と同様、平安時代に中国から来た風習で、宮中や公家の正月行事として小豆がゆが食べられていました。

小豆の赤い色は、「太陽・火・生命を司る血の色」というイメージから、小豆は霊力を秘めた物と考えられていました。

滋養豊富な小豆がゆを炊いて、五穀豊穣を祈り、一家の健康を願う習わしがありました。

今もその風習が残っていて、現在では、これを食べる1年の邪気が祓われると言われ、家族の健康を祈って食べ続けられています。

どんど焼き

六郷どんど焼き

出典;http://daiyen005pecopon.blogspot.com

どんど焼きとは、神社などで火を焚き、お正月飾りとして使ったものや書き初めなどを家から持ち寄って、一斉に集めてお焚き上げしてもらう行事です。

  • 書き初めをくべて火が高く燃え上がると字がうまくなる
  • この火で焼いた餅を食べると病気にかからない
  • どんど焼きの煙をあびると若返る

などという言い伝えがあります。

このどんど焼きに立ち上る煙に乗って、年神様が天に帰っていくと言われています。

したがって、年神様をお迎えするための行事「お正月」もこの小正月をもって終了となります。

おめでたい気分一色のお正月から、小正月は豊作祈願や健康祈願で、癒しの行事でいっぱいですね!

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寒中見舞いとは?

氷柱

最後に、この時期に送りたい「寒中見舞い」についてご紹介いたします。

寒中見舞いとはもともと、寒さ厳しい時期に、相手の健康に差し障りないかどうか気遣う挨拶状の事をいいます。

しかし現在では、年賀状を出しそびれてしまったり、喪中欠礼をいただいた場合などに、年賀状の代わりに出すというのが主流になってきていますね。

出す時期はいつ?

寒中見舞いを出す時期は、1月5日頃(小寒)~2月4日頃(立春)までの間です。

ただし喪中の相手へは、1月7日(おめでたい松の内)までに手紙を出すのは、緊急以外はタブーです。

どんな時に出すの?

  • 年賀状を頂いていたが、出しそびれて1月5日以降に新年の挨拶をする場合
  • こちらの喪中を知らずに年賀状をくれた人への返事
  • 相手が喪中と知らずに年賀状を送ってしまったときのお悔やみとお詫び
  • 喪中はがきへの返事
  • 季節のたよりとして挨拶をする

このようなケースのときに、寒中見舞いが活躍します。

季節ごとに相手を思いやる気持ちを大切にする、日本人らしい素敵な風習ですよね。

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まとめ

お正月のお祝いムードから少し落ち着いて、平穏な癒しを感じる行事の数々。

こうして見ると、ひとつひとつ深い意味を成して受け継がれていて、独特の風習がたくさんあることがわかりますね。

お粥ひとつ作ってみるだけでも構いません。

ご先祖様が受け継いできた新たな生命力をもらって、今年も健康な1年でいられるよう祈願しましょう。

 

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