大型台風、集中豪雨、大地震・・・。
あなたは災害の対策はできていますか?
災害は突然やってくるため、あわてないために今から日頃の備えが肝心ですね。
今回は、災害時の生活主体である『食』に目を向け、「非常食の備えのポイント」をご紹介していきます。
非常食は何日分必要なの?
私たちは、自分を守るために、
まず災害が起きて、3日~5日目くらいには、国や自治体から食糧支援が届く予定ですが、それがすぐに取得できるかは状況によります。
そして過去の経験によれば、災害から1週間ほどで、物流が回復してきます。
しかしだからといって、すぐにいつものように食材が並ぶわけではありません。
これが大災害ともなると、更に復旧が遅れるとともに、近隣市町村も同じ状況の場合なら食料の配給も途絶えてしまうことも想定に入れなくてはいけません。
非常食を備えるなら、効率よく準備していきましょう。
日にち別!非常食の選び方
家に留まった方が安全と判断した場合、物流機能が回復するまでの間に使用する非常食を解説します。
災害が起きた当日
まず最初2日間は、冷蔵庫内にある食品を中心に食べてしのぐことになります。
生鮮食品、冷凍食品、野菜、パンなど。
しかし災害当日は、電気・水道・ガスが止まってしまう可能性があります。
緊張感や不安な気持ちが最も高まっている時であり、ここでは調理不要の食品を準備しておくことが賢明です。
災害発生してから3日目~
災害が起きて、3日目以降には、国や自治体から食糧支援の流入も徐々に開始されます。
また被害状況によりますが、3日目以降となると、電気・水道・ガスが復旧している可能性もあります。
しかしスーパーやコンビニは閉店していたり、開いていても行列ができてしまいます。
この時期は精神的な負担はかなり大きいはずです。
ここでは調理は無理せず、簡単に食べられて栄養のあるものをプラスするのがおすすめです。
※ライフラインが復旧していない場合は、カセットコンロを使用して、洗い物の出ない簡単に食べられるものがおすすめです。
災害発生してから7日目~(物流回復まで)
電気・水道・ガスが復旧し、スーパーが販売再開しても、すぐにいつものように食材が並ぶわけではありません。
特に、日持ちの少ないもの(豆腐、納豆、牛乳、パンなど)といったものが、入荷したとしてもすぐに売り切れになってしまいます。
日頃から長期加工されたものを備蓄しておくととても助かります。
備蓄のコツ!「ローリングストック」とは?
ローリングストックとは、「いつも食べているものを非常食にしよう」という意味です。
つまり、防災用に特別な食品を用意するのではなく、いつも食べているものを多めに買って、消費しながら備蓄していく方法です。
備蓄量の目安は、最低でも1週間分です。
はっきり言って、非常食だけで家族人数分を備蓄するのは大変です。
防災用に特別な食品を大量に買わずとも、普段食べ慣れているものを利用すれば無駄も出ないため、農林水産省でも最も推奨されている方法です。
毎日の食事の材料には、ライフラインが停止しても食べられるものがたくさんあります。
家にある食品が非常食にならないか、次の項目からチェックしてみましょう!
備蓄におすすめの非常食とは?
備蓄におすすめの非常食とは、
日常食として使いながら、常温で保存がきくものです。
ここでは、災害時用に備蓄しておくと便利なおすすめの非常食をご紹介します。
いずれもスーパーで買えるようなものにまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
主食
活動エネルギー源となる炭水化物。
お湯を注ぐだけのカップ麺は、ラーメン以外にもうどんやそばなどもあって、バラエティー豊かですね。
食べる楽しみというには、被災生活のストレスを減らしてくれます。
ただ炭水化物はとても重要ですが、栄養バランスを考慮しないと、体調不良や病気になる可能性もあります。
主菜・副菜をプラスするなどの工夫をしましょう。
主菜
肉や魚、大豆、玉子など、たんぱく質を多く含むおかずです。
缶詰は、サバ、イワシ、サンマ、ツナなどの魚の缶詰のほか、焼き鳥や牛肉の大和煮など、お肉の缶詰も売っていますね。
栄養も豊富で美味しいので、しっかりとおかずになります。
貴重なたんぱく質を補給するなら、やはり経済的で長期保存可能な「缶詰」が最もおすすめです。
副菜
野菜、煮物、汁物などです。
主食と主菜で不足しがちな、ビタミン・ミネラル・食物繊維を補給するのに貴重な栄養源です。
災害時はストレスによって免疫力が低下するとともに、野菜不足から便秘や口内炎など、体調不良に陥りやすいです。
食欲がないときも温かいスープは重宝しますので、乾燥わかめなど栄養をプラスできるものも買い置きしておきましょう。
果物
果物の加工品なども、ビタミン・ミネラルが補えます。
火や水がなくてもそのまま食べられる果物は、災害時に重宝します。
ライフラインが止まってしまっている間のビタミン・ミネラル栄養補給は、果物から摂取することをおすすめします。
缶切りが必要な缶詰なら、忘れずに缶切りとセットで用意しておきましょう。
牛乳
災害時に水しかない状況を考えると、栄養豊富なスキムミルクはとても貴重な補給源となります。
また、災害発生時から物流が回復しても、牛乳はスーパーでなかなか手に入りづらくなる傾向がありますので、牛乳の代わりとなるスキムミルクを備蓄しておくといいでしょう。
シリアルとセットで備えておけば、手軽にバランス良く栄養を摂取することができます。
お菓子
災害後はとにかくストレスの多い環境です。
気分が落ち込んで不安定なとき、甘いものを食べると落ち着くことがあります。
また、避難所に移動する際に持ち出せるものや、歩きながら食べられるものが便利ですので、個包装のものを選ぶのがコツです。
できるだけドライフルーツなど栄養価の高いものを備えておくことをおすすめします。
備蓄量の目安は?(大人2人の場合)
備蓄する食品がわかったところで、その量です。
大人2人が1週間分の備蓄をする場合、その量の目安を解説します
水の必要量は?
生命の維持にもっとも大事な水。
大人1人が、1日に必要な水の量は、1日3L(飲料用+調理用)。
つまり、大人2人が1週間分なら、最低でも42L必要です。
2Lが6本入ったケースなら、4箱必要ということです。
意外に多いなぁと感じる人もいるかと思いますが、確かに日本気象協会(東京)が実施したアンケートによると、その適正量を備蓄できている人は2割しかいなかったそうです。
最低でもこの量はストックしておきましょう。
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お米の必要量は?
日常で食べているお米は、常に備蓄している人も多いと思いますね。
無洗米でなくてもいつものお米で大丈夫です。
現代の日本の精米技術は大変優れているため、かねてから研がなくても問題ないと言われています。
個人差がありますが、1人1食、生米で75g程度といわれていますので、大人2人が1週間分なら、4kgあれば大丈夫です。
まとめ!その他の必要量は?
大人2人が1週間分の備蓄をする場合、その目安量の一例を挙げてみました。
必需品 | 大人2人・1週間分 |
---|---|
水 | 42L(1人あたり1日3Lが目安) |
カセットボンベ | 12本(1人あたり1週間6本程度が目安) |
主食(炭水化物) | 大人2人・1週間分 |
---|---|
お米 | 4kg(1人あたり1食生米75gが目安) |
パックご飯 | 6個 |
カップ麺 | 6個 |
乾麺 | パスタ1200g、そうめん600g |
シリアルなどその他 | 適宜 |
主菜(たんぱく質) | 大人2人・1週間分 |
---|---|
レトルト食品 | パスタソース6個、カレーや丼の素18個 |
缶詰(魚・肉) | 18缶 |
副菜その他 | 大人2人・1週間分 |
---|---|
野菜・果物ジュースなど | 適宜 |
インスタントスープ・みそ汁など | 〃 |
乾燥わかめ・のり・梅干しなど | 〃 |
いも類など日持ち野菜 | 〃 |
調味料 | 〃 |
一般的な食材ばかりですので、順次に消費しながら買い足しし、常に上記の量を保つようにすると簡単です(ローリングストック)。
いつもの食べ慣れたものなら、被災生活でも安心につながります。
非常食にあると便利なアイテム
被災中の食生活で、あると便利なお助けアイテムがあります。
カセットコンロ・ボンベ
ライフラインの復旧まで、一番時間がかかるのが「ガス」です。
カセットコンロとガスボンベがあれば、電気やガスが止まってしまっていても温かいものが食べられます。
温かい食べ物は身体も温まり、災害による不安や緊張感を和らげてくれますので、ぜひ用意しておきましょう。
燃料であるカセットボンベは、災害時はあっという間に売れ切れて入手困難になりますので、今のうちに備えておくことをおすすめします。
やかん、深めの鍋
カセットコンロで熱源確保したら、お湯を沸かせるやかんを忘れてはいけません。
また深めの鍋は、レトルトの湯せんやポリ袋調理など、被災生活中の食の選択肢を広げてくれるので便利です。
キッチンバサミ
キッチンバサミは、まな板がなくても食材を空中でカットできます。
ラップ
できるだけ水を使わないよう、お皿にラップを敷いて使えば、お皿を洗わずに済みます。
余ったご飯をおにぎりにする時にも役立ち、丸めればスポンジの代用にもなります。
箸やスプーンも1回ずつ洗わずに、ウェットティッシュで拭いて水の節約に努めましょう。
食品用ポリ袋
手にかぶせて手袋代わり。
折った新聞紙の器にかぶせれば、汁物OKのお皿代わり。
高密度ポリエチレン製のポリ袋なら、米を入れてお湯の中でご飯を炊くことも可能です。
おすそわけ袋にもなり、大きなポリ袋なら水の運搬にも使えます。
※簡単なポリ袋調理はのちほどご紹介します。
アルミホイル・クッキングシート
フライパンに敷けば調理汚れ防止になり、毎度水で洗わずに済みます。
キッチンペーパー、除菌スプレー
キッチンペーパーは、布巾やタオル代わりになります。
手洗い用の水の節約や、身辺の衛生環境を守るため、除菌スプレーや除菌ウェットシートは必需品ですので、必ず用意しておきましょう。
非常食で作るかんたんレシピ
災害時にライフラインが停止しても、カセットコンロで熱源を確保すれば調理ができます。
ここでは、限られた備蓄品でできる簡単なレシピを2つご紹介します。
一度休日に、家族で一緒に作ってみて下さいね。
ポリ袋で炊飯
材料(1人分)
- 米・・・100cc(計量カップ1/2のラインまで)
- 水・・・110~120cc
- 食品用ポリ袋(高密度ポリエチレン製)1枚
- 深めの鍋
- カセットコンロ
作り方
参照URL https://cookpad.com/recipe/3732101
お米は無洗米でなくても、いつものお米でOKです。
現代の日本の精米技術は大変優れているため、研がなくても問題ありません。
1人分ずつポリ袋に入れて炊くことで、炊けたらそのまま袋を持って食べられますし、ポリ袋ごと茶碗に被せて食べれば、食器が汚れませんね。
白菜とさば缶の煮込み
材料(1人分)
- 白菜・・・中葉2枚(約150g)
- さば缶(水煮・味噌煮でも)1/2缶
- 食品用ポリ袋(高密度ポリエチレン製)1枚
- 深めの鍋
- カセットコンロ
作り方
参照URL https://cookpad.com/recipe/5465866
上記のポリ袋でご飯を炊くのと一緒に煮れば、ご飯とおかずが一度にできますね。
さば缶だけでなく、さんまやイワシ缶などでも応用できます。
野菜は白菜、キャベツ、ネギなどでもよく、冷蔵庫にある腐りやすい野菜から使っていきたいですね。
ポリ袋調理は多くのアレンジができますので、ぜひいろいろ試してみて下さいね。
おわりに
大きな災害が発生したとき、ライフラインがストップし、スーパーでは行列や品切れが起こり、日常生活とはかけ離れた環境で生活をしなくてはなりません。
しかしそんな時も、いつもの食生活に近い形で、栄養のある温かい食べ物が食べられたら、心と身体が満たされて心にゆとりができますね。
いつもの食生活の材料から、無理なく備蓄として取り入れていく「ローリングストック」をしていくことで、いざというときも安心です。
今から少しずつ、できることから実践していきましょう。