「敬老の日」は日本の祝日のひとつです。
おじいちゃん、おばあちゃんがいる家庭では、この日のためにプレゼントを用意する方もいることでしょう。
しかしそもそも、敬老の日はなぜ生まれたのかご存知でしょうか?
今回は、敬老の日の由来や意味、また海外の敬老の日事情などについても、ご紹介したいと思います。
敬老の日とは?
敬老の日は、『多年にわたって社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日』と定められた日です。
1966年(昭和41年)に制定された、比較的新しい祝日です。
まだ歴史に浅い行事なので、特別なしきたりはありませんが、家庭では、祖父母をねぎらってプレゼントを贈ったり、ごちそうを作ってなごやかに会食をしたりするのが一般的です。
また各地域の学校や自治体などでは、敬老にちなんだ行事が全国的に行われます。
2022年の敬老の日はいつ?
9月第3月曜日が敬老の日
「敬老の日」は法律によって、毎年「9月・第3月曜日」と決められています。
したがって2022年は、9月19日(月・祝)が敬老の日です。
秋分の日が4日後の23日(金・祝)になっているから、今年は通常通り、土日月と3連休だね!
ちなみに昨年は、翌日が秋分の日になっていたため、4連休でした。
過去には、シルバーウィークが発生したことで大型連休になった年もありました。
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9月15日に固定されていた過去もある
あれ?敬老の日は9月15日だったような・・・。
そう思い浮かべる方も多いはずです。
実は2002年(平成14年)9月15日までは、敬老の日として固定されていました。
しかしその後、祝日法改正(いわゆるハッピーマンデー法)によって、翌年の2003年から「敬老の日」が9月の第3月曜日に変更されたのです。
敬老の日の由来とは?
では、敬老の日はなぜ生まれ、現在までどのような経過を辿ってきたのでしょうか?
敬老の日の由来をご紹介します。
敬老の日のはじまり
敬老の日の由来は、1947年(昭和22年)、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)の村長と助役が、「お年寄りを大切にし、その知恵をお借りして村作りをしよう」と提唱したことがきっかけです。
ちょうど農作業も一段落し、気候も良い9月15日を「としよりの日」として村独自の祝日にし、敬老会を開いていたそうです。
そんな小さな村ではじまった慣習は全国的に広まっていき、1951年(昭和26年)に、当時の中央福祉協議会が「としよりの日」と制定しました。
しかし、「としより」の呼び方に各界から異議が起こってしまい、その後「老人の日」をへて、1966年(昭和41年)、「敬老の日」が国民の祝日になりました。
聖徳太子が関係している説もある
かつて2002年(平成14年)までは、敬老の日は9月15日でした。
実はこの9月15日という日は、聖徳太子にちなんだ数字だったとも伝えられています。
593年(飛鳥時代初期)の9月15日、聖徳太子が大阪市の四天王寺の境内に、「非田院」を建立しました。
非田院とは、身寄りのない人や老人を収容する、救護施設のことです。
今でいう、孤児院や老人ホームの先駆けとも言われており、それにちなんで敬老の日を9月15日にしたといわれています。
敬老の日は何歳からお祝いするの?
ところで、敬老の日は何歳からお祝いするものなのでしょうか?
敬老の日を祝う対象の年齢は特に定められていませんが、一般的に高齢者とは65歳以上のことを指しているようです(老人福祉法)。
しかし高齢者の捉え方は人それぞれ。
ちなみに高齢者の定義を調べてみると、
となっていました。
こうして見てみると、65歳以上であれば、敬老の日をお祝いする対象と考えて良さそうですね。
国民年金の受給資格をもち、法令でも65歳以上を「高齢者」としていますので、これがひとつの目安になりそうです。
ただ、「孫から」お祝いをするのであれば、年齢はさほど気にしなくても良いでしょう。
敬老の日は世界にもあるの?
敬老の日ができた由来を見ると、日本独自の祝日ですよね。
では、海外にも同じような日はあるのでしょうか?
世界の敬老の日の文化について、調査してみました。
アメリカ
9月の第2日曜日に『National Grandparents’ Day(祖父母の日)』という日が定めらています。
日本と同じ月だなんて偶然ですね!
その意味も日本の敬老の日と同じで、「年長者を敬う日」「孫が祖父母に感謝・尊敬の意をあらわす日」という意味がこめられている日です。
祖父母へは孫からグリーティングカードと、勿忘草という花が贈られるという、素敵な風習があるようです。
しかし、この行事は歴史が浅いこともあり、残念ながらまだまだ定着していないようですね。
イタリア
公的な祝日ではありませんが、年に2回、日本の敬老の日のような日があります。
まず7月26日。カトリック教会で、聖母マリアの父母を記念した、宗教的な意味合いの強い「敬老の日」があります。
次は10月2日。アメリカと同様に「祖父母の日」があり、アメリカと同じように、勿忘草をプレゼントする風習があります。
イギリス
敬老の日のような定められた日はありませんが、100歳、105歳の誕生日以降には、女王陛下から祝電が届くそうです!
それも、101歳以降は毎年届くというから驚きですよね。
公的に敬老の日は定められていないものの、街中では、100歳を祝うバースデーカードなど多く売られており、高齢者を祝う風習は盛んに行われているようです。
ポーランド
ポーランドには「祖母の日」と「祖父の日」が別々にあります。
1月21日が「祖母の日」、1月22日が「祖父の日」とされていて、どちらも祝日ではありますが、学校や会社も休日にはならないそうです。
日本の敬老の日と同じように、孫たちが祖父母に日ごろの感謝の気持ちを伝えたり、プレゼントを渡したり、離れている場合は電話をするようですよ!
中国
中国での敬老の日は、『重陽節』と呼ばれる日のようです。
「敬老の日」でもあるこの日は、家族でご先祖様のお墓参りをしたり、山などの高いところにハイキングに出かけたりするそうです。
山に行くのは、重陽節の日は「高台に昇ると幸運が訪れる」とされているためです。
また中国各地でも、お年寄りのためのさまざまな行事が行われるそうです。
韓国
韓国にも老人の日があるようですが、残念ながら国内でも知名度が低いようですね。
これは決して、韓国の人々が高齢者を軽く見ているわけではありません。
韓国の人々は「年長者を敬うのは当たり前のこと。気持ちの上では、毎日が敬老の日のようなもの」という考えのようです。
国が違っても、人生の先輩を敬い尊重する気持ちは、万国共通なんだね!
おわりに
敬老の日は、長年、社会に尽くしてきた年長者をねぎらうとともに、長寿を祝う日です。
おじいちゃんやおばあちゃんと毎日顔を合わせる人も、合わせる機会がない人も、この日は特別に、ゆっくり話す機会を作ってみてはいかがでしょうか。