今や3人に1人がペットを飼っているといわれているペットブーム。
動物には癒し効果もあって、ペットセラピーとしての需要も高まっていますね。
しかしその裏側にある、動物の飼育や殺処分の現状についてはご存知でしょうか?
今回は「動物愛護週間」の意味や由来、また全国規模で行われる楽しいイベントに関してもご紹介します!
動物愛護週間とは?

近年は「空前のペットブーム」とも言われており、内閣府の調査によると、現在ペットの数は子どもの数の1.2倍以上にのぼります。
実際に、国民の約3人に1人がペットを飼っているともいわれています。
しかしその一方で、飼い主に捨てられた犬や猫が、毎年およそ10万匹も殺処分されているのをご存じでしょうか。
単純に一日に換算すると、約274頭もの命が失われていることになります。
さらに、野良犬や野良猫に対する虐待の事例も後を絶たず、大きな社会問題となっています。
こうした状況を踏まえ、日本には動物虐待を防止するための法律「動物愛護法」が定められています。
この法律に基づき、動物への理解を深め、人と動物の絆を大切にすることを目的として設けられたのが『動物愛護週間』です。
この期間中は、私たちが動物との向き合い方や命の尊さについて改めて考えられるよう、全国の自治体でさまざまな動物愛護イベントが実施されます。
動物愛護週間では何をすればいいの?

動物愛護週間と聞くと、不幸な動物を救うことなど、ちょっとハードルが高くて身構えてしまうかもしれません。
しかし期間中、特別に難しいことをしなければならないわけではありません。
普段よりも動物たちに優しく接すること、または地域で開催されるイベントに参加してみるのも良いでしょう。
例えば、以下のことをしてみませんか?
- あなたのペットや身近な動物をいつも以上にかわいがってあげる
- 地元の動物愛護イベントや譲渡会に参加して、動物の命の大切さを学ぶ
- ペットの健康管理について今一度見直す(食事、運動、予防接種、しつけなど)
- 災害時にペットと安全に避難するための準備を考える
- 動物について学べる施設(動物園やふれあい動物園など)に行き、命の尊さを実感する
- 地域の動物愛護に関する情報をチェックし、ボランティア活動など参加できることを探してみる
動物愛護週間は、動物への思いやりや命を大切にする心を育む良い機会です。
日々の忙しい生活の中で少し立ち止まり、動物と共に生きる社会について考えてみましょう。

僕はこれからペットを迎え入れる前に、最後の瞬間まで一緒に過ごせるのか、もう一度家族と考えてみるよ!
動物愛護週間ではどんなイベントが行われるの?
出典;https://prtimes.jp
動物愛護週間の期間中は、国や地方公共団体、そして民間の動物愛護団体が連携して、全国各地でさまざまなイベントを開催します。
環境省がまとめたところによると、この期間に行われるイベントは大小あわせて200件以上にのぼると言われています。
内容は、保護された動物の譲渡会、動物愛護に尽力した人への表彰式、長寿動物の飼い主表彰、犬のしつけ教室、慰霊祭、講演会、映画上映、愛護ポスターの展示など多彩です。
地域によって特色ある催しが展開されており、楽しいイベントを通じて誰もが動物と共に暮らすために必要な大切なことを学べる機会となっています。
動物という社会的に弱い存在に対して優しい心配りができる社会づくりを目指し、こうした普及活動が各地でしっかりと行われています。
お住まいの地域でどんなイベントがあるのか、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
最も盛大なイベントは「動物愛護フェスティバル」
動物愛護週間に開催されるイベントの中で、最も大規模なものが、東京・上野公園を中心に行われる「動物愛護フェスティバル(動物愛護週間中央行事)」です。
多くの動物関連団体や地方自治体がブースを出展し、動物愛護の普及啓発活動を展開しています。
フェスティバルでは、パネル展示のほか、ペットとの暮らし方教室や獣医師によるペット健康相談コーナー、子ども向けの楽しいイベントなど、多彩な催しが用意されています。
屋内行事としては、動物愛護ポスターデザインや日本動物児童文学賞、動物愛護に関する標語、ペット写真コンテスト、動物愛護キャッチコピーの表彰式が行われ、優秀作品の紹介もあります。
さらに、講演会やパネルディスカッション、コンサートなども毎年開催され、来場者が楽しみながら学べるプログラムとなっています。
2025年の動物愛護週間はいつ?
動物愛護週間は、毎年9月20日~26日までの7日間です。
2025年は、9月20日(土)~26日(金)となります。

全国各地のイベント開催日は、ほぼこの期間の中で行われることになります。
動物愛護週間の由来は?

動物愛護週間は、もともとアメリカで始まった動物愛護運動が発端です。
日本では1927年(昭和2年)に、日本人道協会のバーネット理事長の提唱で動物愛護週間が始まりました。
1937年(昭和12年)には、動物愛護に貢献した人々を称える表彰式も開催されるようになりました。
その中には、オリンピックの競技を、年老いた愛馬を思って辞退した騎兵中佐や、犬のフィラリア症に関する研究者が表彰された記録もあります。
この行事は戦時中に一時中断しましたが、1949年(昭和24年)に再開されました。
当初は春分の日を中心とした一週間でしたが、学校の休みと重なってしまうことや愛鳥週間と時期が近かったため、秋分の日を中心とした期間に変更されました。
以来、70年以上にわたり、人と動物が共に幸せに暮らせる社会について考え、動物への思いやりを深めるきっかけとなっています。
殺処分の現実を知ろう。大人にもおすすめの絵本
『ある犬のおはなし』という絵本をご存知の方も多いでしょう。
この絵本は、殺処分される犬や猫の多くが、実は二酸化炭素ガスによる苦しい死を迎えているという現実を描いています。
決して安楽死ではなく、苦しみながら消えていく姿をリアルに伝えているため、その結末はとても悲しく重いものです。
物語を通して、私たちはこの現実を知り、自分に何ができるかを考えさせられます。
また、本の最後には子どもたちからの純粋で真っ直ぐなメッセージも掲載されており、心に響く内容となっています。
この絵本は年齢を問わず読むことができるので、親子で手に取って、まずは「知る」ことから始めてみるのも良いかもしれません。
この絵本は、殺処分の現実を見つめるきっかけとして多くの人に支持され、命の大切さを考える重要な作品となっています。
おわりに
動物愛護という名称から、単なるペット好きの私たちはあまり立ち入ってはいけないような雰囲気がありますが、そんなことは全くありません。
この一週間、特別なお金をかけなくても、私たちと動物たちが心身ともに健康で暮らせるよう工夫することを、考えてみてはいかがでしょうか。