東京下町の夏の風物詩「ほおずき市」が浅草寺で開かれます。この日一日お参りするだけで4万6000日、日参したのと同じ御利益があるとされています!今回は浅草寺の「ほおずき市」をご紹介します。
浅草ほおずき市とは?
出典;http://www.senso-ji.jp
梅雨も明け、夏空のまぶしい7月。
浅草寺の境内には、ほおずきを売る屋台がずらりと立ち並びます。
その数およそ120店舗以上!
お店を覗くと、赤く色づいたものやまだ青いもの、オレンジ色の鮮やかなものまで、鈴なりになったほおずきがたくさん売られています。
浅草ほおずき市は7月9日、10日の2日間開催されます。
この両日は、浅草寺の本尊・観音様の功徳日「四万六千日」です。
この日一日お参りしただけで、四万六千日、日参したことと同じ効果があるという事で、御利益にあずかろうという参拝者で大変な賑わいです。
さらにお寺の本堂では「雷除け」のお守りが授けられ、こちらも参拝する人の人気を呼んでいます。
浅草寺ほおずき市には毎年全国から58万人以上もの参拝者が訪れ、江戸風鈴の涼やかな音色と、ほおずきの朱色に彩られた光景を楽しんでいます。
浅草ほおずき市の歴史
浅草観音の縁日である「四万六千日」は、元禄の頃から始まったとされています。
「四万六千日」は関東地方の社寺では広く行われている風習ですが、浅草寺では最初は境内で雷除けの赤トウモロコシを売るのが特色だったそうです。
のちにこれが茶筅に変わり、現在ではほおずきが呼び物となりました。
ほおずき市の起源は諸説あり明らかになっていませんが、明和年間(1764〜1772年)に始まったとされています。
ほおずきは薬草の効果があり虫がつかないことから、子どもの「虫封じ」にもいいとされ、厄除けの意がこめられるようになりました。
当時は普段の数万倍の参拝者が訪れ、薬草として売られていたほおずき市は大いに賑わったといいます。
現代では、ほおずきは主に観賞用として楽しむことが主流になりました。
お盆の季節でもあるので、盆棚飾りに用いる人も多いようですね。
2019年 浅草ほおずき市の日程・開催時間など
今年の浅草ほおずき市は、
7/9(火),7/10(水)の2日間行われます。
行事の簡単な情報をまとめました。
日別混雑状況
浅草寺は浅草を代表する観光名所として、普段から国内だけでなく海外からの観光客も多く訪れ、慢性的に混雑しています。
ほおずき市ではさらに混み合いますが、時間によって若干の違いがあるようです。
雨天時の場合は?
法要、ほおずき市ともに雨天決行です。お天気が不安定な場合は雨具を持って行きましょう!
ほおずき市は雨の場合、早仕舞いする露店もあるようです。
荒天の場合は中止となりますので、お天気によってお出かけ前にお問い合わせください。
問合わせTEL:03-3842-0181(浅草寺)
浅草ほおずき市の見どころは?
浅草ほおずき市の見どころをご紹介します。
まずはほおずき市の雰囲気を動画で見てみましょう。
色鮮やかなほおずき
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浅草寺境内には、緑と赤の二色の実をつけた「丹羽ほおずき」と、小さな実をたくさんつけた「千成ほおずき」を売るお店が立ち並びます。
かつては薬用で実の青い「千成ほおずき」がほとんどでしたが、現在では観賞用として実が大きくて赤い「丹波ほおずき」が主流になっています。
ほおずきを選んでいると時折、葉の付け根にクリーム色の小さな花がやや下向きに咲いているのを見つけることができます。
この花は2日ほどで散り、ガクの部分が大きくなっていき、紙風船のようにめしべの元を包み込んでいきます。
この風船がオレンジ色に色付く頃、中にある赤い丸い実も、大きく膨らんでいきます。
そんな様子を楽しめる面白い植物です。
ほおずき市で購入したほおずきは、冬には枯れてしまいますが、地下部は越冬できる多年草ですので、春にまた育ち始めます。ぜひトライしてみて下さい。
赤いちょうちんがぶら下がったような姿が可愛らしいほおずきですが、むかし子どもの頃はよく、母親に教わってほおずき人形や、口で音を鳴らすなどして遊んでいましたね。
そんな幼い頃の追憶を辿りながら、朱色に彩られた夏の風景を歩いてみるのもいいですね。
活気あふれる雰囲気
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鈴なりになったほおずきは、ガラスの風鈴のついた籠にのせられ、売り子の威勢の売声が浅草の夏空にこだまします。
色とりどりの浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむ人々も多く来場し、江戸風鈴が「チリン、チリン」と涼しげな音を立てるよしず張りの店先で、境内は朝から晩まで夕涼み客と参拝客であふれます。
また、風鈴、つりしのぶ、回り灯籠、金魚、すだれなどの露店も多く出店し、下町の縁日といった夏の風景が現出されます。
今も昔も変わらないその活気と賑わいは、江戸の下町風情を楽しめる夏の風物詩といわれています。
ほおずきの値段の相場は?
この時期になると、日本各地でもほおずき市が開かれていますね。
情緒ある夏のお供にぴったりなほおずきは、意外にもお手頃な価格で売られています。
価格協定がありますので、ほおずきの値段はどのお店も一律になります。
まとめて買うと値引きしてくれるお店もあるようです。
売り子さんと交流しながらトライしてみるのも良いでしょう。
浅草ほおずき市の「風鈴」のお話
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風がなびくと短冊がゆらぎ、「チリン、チリン」と、どこか懐かしい涼やかな音色がやさしく響き渡ります。
ふとした瞬間に聴こえてくるその音色は、わたしたちに風流な清涼感を与えてくれますね。
夏の風物詩として親しまれている風鈴ですが、浅草ほおずき市ではそんな風鈴とセットで売られているほおずきをよく見かけます。
ほおずきと同様、風鈴には縁起物としての意味があるようです。
風鈴は、もとは寺院の軒の四隅に下がっている「風鐸」が進化したもので、厄除けを目的としていました。
風鈴の音が聞こえる範囲は聖域であるとされ、悪いものを寄せ付けないと考えられてきたのです。
浅草ほおずき市では、風鈴単体でも売られています。
江戸風鈴はガラスの内側に絵が描かれているのも特徴の1つ。気に入ったものがあれば購入してみるのも良いですね。
浅草ほおずき市「四万六千日」とは?
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四万六千日とは観世音菩薩の縁日で、7月10日参拝すると、46,000日間参拝したのと同じ功徳を得られるといいます。
46,000日は、およそ126年に相当します。
つまり一生分の功徳が得られる縁日です。
四万六千日は江戸時代にはすでに定着し、前日9日から境内は大きな賑わいを見せていため、現在では9日、10日の両日が縁日とされています。
一度参拝するだけで46,000回分こなせるのですから、昔は普段の日の数万倍の参拝者が訪れたそうです。
現在ではそうした信仰心によるというより、お参りの主な目的は「御利益」のようですね。
また、日常の雑事から離れ、心を専一にしてする祈願そのものに、心の不安や、さわやかな気分の高まりが得られる。そして明日からの仕事に弾みがつく。
心を整える一つの句読点として、お参りに訪れているようです。
めざましい科学の発展をとげている現代でも、信仰心の有無や深浅に関係なく、人々が神や仏にお参りする光景はなくならないように思いますね。
この2日間はこのような特別な意味をもった日です。
ぜひ浅草時の菩薩様に参拝しましょう。
浅草ほおずき市 限定お守り「雷除札」
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「雷除札」とは、浅草ほおずき市が開かれる2日間のみ、授与されるお守りです。
三角形のお守りに、竹ひごが付けられた珍しい形をしています。
この雷除札は、江戸時代にほおずき市で販売されていた雷よけのお守り「赤トウモロコシ」が凶作だったため、代わりに販売したことから始まりました。
夏は雷の季節ですね。高いところに飾ると良いそうです。
なくなり次第終了とのことですので早めに参拝される事をおすすめします。
浅草ほおずき市 御朱印のもらい方
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近年「御朱印」を集めている人も多いですよね。
御朱印とは、そのお寺や神社(浅草寺)に「参拝した証」として授与されるものです。
浅草ほおずき市の期間中の2日間、通常のときと少し違う、限定御朱印が用意されます。
正確にいうと、ほおずき市ではなく、浅草寺四万六千日限定の御朱印です。
通常の御朱印との違いは「四万六千日」という印が左上に押印されるところです。
受付は9:00~17:00となっています。
浅草寺では、ご本尊さまの御朱印と、浅草名所七福神の大黒天さまの御朱印、2種類の御朱印があるので、受付の際に希望を聞かれます。
ご志納金は各300円、もちろん両方頂くことも可能で、その際は600円になります。
ちなみに本来の功徳日にこだわるのであれば、7月10日に参拝するのがよいでしょう。
浅草寺の御朱印は、本堂西側(正面向かって左側)の「影向堂」でお願いすることができますので、浅草寺の境内マップにてご確認ください。
出典;http://www.senso-ji.jp
アクセス・駐車場について
ほおずき市が行われる「浅草寺」へのアクセス方法をご紹介します。
電車の場合
東京メトロ銀座線・東武伊勢崎線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン
「浅草駅」から徒歩約9分。
つくばエクスプレス線「浅草駅」から徒歩約6分。
車の場合
ほおずき市の会場である浅草寺には駐車場がなく、臨時駐車場の用意もないため、特別な理由がない限り公共交通機関によるアクセスをおすすめします。
どうしてもお車を利用したい場合は、有料ではありますが下記におすすめの駐車場を紹介しますので、よろしければご一読下さい。
浅草寺周辺の道路は、都心部の隣接していることから交通量が多く、慢性的に渋滞が生じやすいエリアですので注意が必要です。余裕を持ってお早目にお出かけ下さい。
おすすめ駐車場4選
浅草寺に近く、収容台数の多い駐車場を4つ、ご紹介します。
そのほか有料駐車場
浅草寺周辺の最寄りの有料駐車場はこちらです。普段から混雑のあるエリアな上に、いずれも収容台数に限りがありますので、お早目にお出かけすることをおすすめします。
まとめ
ほおずき、懐かしい響きですね。
子供のころ知恵を絞って遊んだ方も多いのではないでしょうか。
オレンジ色のほおずきを見て、また思い出すかもしれませんね。
菩薩様の功徳に感謝して参拝し、慎ましやかなほおずきの美しさを堪能できる贅沢な2日間です。
ぜひ、楽しんで来てくださいね。