「土用」といえば、うなぎを食べることで有名ですよね。
ではその土用期間中に、「やってはいけない」とされることがあるのはご存知でしょうか?
それは一体、どんなものが禁止とされているのでしょう?
また「間日」「土用殺」の意味についても、わかりやすく解説してみたいと思います!
土用は年に4回ある
土用といえば、夏の暑い時期に、うなぎを食べることを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
土用とは、古くから季節の変わり目を知らせる大切な目印となっていました。
したがって本来、土用とは、春夏秋冬で年4回「土用」があります。
土用は、立春・立夏・立秋・立冬の直前の、約18日間を指します。
4つの土用はそれぞれ、「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」と呼ばれています。
土用の意味や由来の詳細については、以下の記事にまとめています。
2025年の土用はいつ?
2025年の土用の期間は、このようになっています。
冬土用 | 2025年1月17日(金)~2月2日(日) |
春土用 | 2025年4月17日(木)~5月4日(日) |
夏土用 | 2025年7月19日(土)~8月6日(水) |
秋土用 | 2025年10月20日(月)~11月6日(木) |
春夏秋冬の土用のそれぞれ「食べるもの」については、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧になってください。
土用期間に「やってはいけない」こととは?
昔から、縁起を担いで「土用期間中は禁止」とする風習がありました。
もちろん、現在これらは、”絶対にしてはいけない”というわけではありません。
一体どんなものが禁止といわれているか、まずは見てみましょう。
①土を動かすこと(土いじり・草刈り・地鎮祭・井戸掘りなど)
古来より、土用期間中は『土公神(土を司る神様)が支配する期間』と考えられていました。
ですので、土用期間中は土を動かしてはいけないと言われています。
具体的には、このようなものです。
このような行為を「土動かし」と言い、土用期間には禁止とする風習がありました。
土動かしを行うと、土公神からの祟りをうけて、災厄が身に降りかかると考えられていたようです。
昔はお葬式があっても、土用の期間(18日間)が終わるまで、お墓に埋めるのを待っていたそうです。
②新しいこと(転職・就職・結婚・新居購入・開業など)
土用とは、それぞれ季節の変わり目の時期を指し、体調に気をつける必要がありました。
医学が発達していない昔の人たちが健康でいるには、季節の動きに合わせて生活を守ることが大切だったのです。
そのため、土用期間には「新しいこと」は避け、静かに過ごしたほうが良いとされていたようです。
具体的には、このようなものです。
③場所を移動すること(旅行・引っ越しなど)
現在、土用期間の移動の吉方位については、風水と気学で意見が分かれているようです。
しかし昔から土用期間の移動は、どの方角も良くないとされていました。
こちらも上記の「新しいこと」と同じで、土用は季節の変わり目であることから、体調も崩しやすく、気持ちも不安定になりやすくなります。
このことから、土用期間には「移動すること」は避け、静かに過ごしたほうが良いとされていたようです。
土用期間中にある「間日」とは?
土用期間は、年に4回もありますから、そのあいだに、前章のような「土を動かすこと」「新しいこと」「移動すること」ができないとなると、ちょっと困ってしまいますよね・・・。
そんなわけで、じつは土用期間中には「間日」と呼ばれる、「土を動かしてもOKな日」があります!
間日とは、土公神(土を司る神様)が土を離れて、天上界へ行く日です。
ですので、間日には土いじりをしても大丈夫とされているのです。
2025年の土用の間日はいつ?
土用それぞれの間日は、下記となります。
これをもとに、2025年の間日は、以下のように当てはめられます。
冬土用 | 2025年1月17日(金)~2月2日(日) |
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冬土用の間日 | 1月21日、1月22日、1月24日、2月2日 |
春土用 | 2025年4月17日(木)~5月4日(日) |
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春土用の間日 | 4/18日、4月19日、4月22日、4月30日、5月1日、5月4日 |
夏土用 | 2025年7月19日(土)~8月6日(水) |
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夏土用の間日 | 7月21日、7月22日、7月26日、8月2日、8月3日 |
秋土用 | 2025年10月20日(月)~11月6日(木) |
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秋土用の間日 | 10月21日、10月29日、10月31日、11月2日 |
土いじりから引っ越しまで、験を担ぐなら「間日」を選んで、昔ながらの風習を取り入れてみるのもいいですね!
土用期間の「土用殺」とは?
土用殺っていう名前、ちょっと怖い雰囲気がありますよね。
土用殺とは、土用に「凶」とされる方位のことです。
そもそも土用期間はすべての方位が良くないとされていますが、その中でも更に注意が必要な方角です。
この土用殺方位は、まさに「大凶」方位であり、うっかり引っ越しや旅行は避けるべきだと考えられていました。
でも考えてみると、春土用はゴールデンウィーク、夏土用は夏休みと被っているんだよね・・・。
これはあくまで「吉凶付け」という風習であり、占いと同じなのであまり気にし過ぎる必要はないようです。
日本古来の風習であると頭に入れておいて損はないでしょう。
科学的な根拠は別として、昔の人は「行ってはいけない方位」を作り、体調が揺らぎやすい時期を、静かにゆっくり過ごすことを促したのかもしれませんね。
おわりに
季節の変わり目の土用の期間をじょうずに乗り切るためには、食い養生だけでなく、「してはいけない」ことも大切だったようです。
もちろん、これらは古代からの思想によるものですので、現代において「絶対」ではありません。
季節の変わり目の時期は体調も崩しやすく、気持ちも不安定になりやすくなりますので、静かにゆっくり過ごすことも覚えておくと良さそうです。