「柿が赤くなると医者が青くなる」
医者が青ざめてしまうほど、健康になってしまう、という意味のことわざです。
昔から、柿はそれほどまでに栄養価が高く、健康にいい果物だと言われてきました。
そこで、柿は本当に栄養豊富なのか、また食べ過ぎるとどうなってしまうのか?なども含めてご紹介いたします。
柿の栄養と効能は?
柿は体に良いと聞きますが、具体的にはどんな成分が含まれているのでしょうか?
主な栄養成分はこのようなものです。
ビタミンAが豊富
ビタミンAは美容のビタミンとも呼ばれており、主要な成分であるレチノールは、目や皮膚の粘膜に効能があります。
最近では「レチノール配合のクリーム」などの化粧品もあるほどですが、柿は体内から効果効能が期待できます。
ビタミンCが豊富
柿は、ビタミン剤と言われるほどビタミンを多く含んでいる果物です。
ビタミンの中でも特に、ビタミンCの含有量は果物の中でトップクラスです。
引用;食品成分データベース|文部科学省から作図
みかんのナント2倍のビタミンC!
柿1個(可食部166g)ではビタミンCは116mgですので、1個で1日に必要な摂取量(100mg)を超えていますね。
しかも柿に含まれるビタミンCは強い抗酸化作用があるとされており、活性酸素を抑制します。
したがって柿は、疲労回復、風邪の予防、ガン予防、老化防止に効果があります。
柿の旬の時期は風邪が流行る時期ですので、柿を食べて感染予防したいですね!
カリウムが豊富
カリウムは、塩分を体外に排出させる「利尿作用」があります。
したがって、むくみの解消や、動脈硬化予防、血圧を安定させる効果があります。
タンニンが豊富
タンニンは、赤ワインなどでお馴染みのポリフェノールの一種です。
渋柿を口にしたことありますか?あの強烈な渋味のもとが、タンニンです。
渋抜きした甘柿は、タンニンが不溶性のものに変化したため渋味を感じなくなっています。
近年の研究によるとタンニンは、インフルエンザ・ノロ・O-157などの病原菌を不活性化させる効果があることがわかっています。
その他にも、柿の持つ植物由来のタンニンは、多彩な有用性を持っていることで注目を集めています。
また柿に含まれるタンニンは、アルコールの有害な作用を抑える作用があります。
秋が深まると、焼酎のお湯割りや燗酒が美味しい季節になりますね。
「飲む前にまず柿」で、二日酔いの予防や緩和に役立ててみて下さいね。
柿は、風邪や美容効果だけでなく、命に関わるような病気まで予防してくれる果物なんだね!
柿は皮ごと食べると美容に良い!
柿の皮はむいて食べる人がほとんどですよね。
でも捨てるのはちょっと待ってください!
じつは皮の部分が、柿の中で一番栄養成分が豊富に入っているのです。
柿の皮は美白効果がある
皮は美容効果、とくに美白効果が高いとされる研究結果が報告されています。
柿の皮の成分には、一般の化粧品の美白成分「コウジ酸」よりも強いメラニンの生成抑制作用があったことが確認されたそうです。
このことから、最近では「柿の皮のエキス」が入った化粧品やハンドクリームなどが販売されています。
皮を食べることで、外側からではなく内側から、効果を実感することができる美容食品なのです。
柿の皮を食べる方法は?
柿は皮は硬いので、リンゴのように丸かじりする人はあまりいないかもしれませんね。
柿をむいた後の皮は、天日干しや、レンジを使ってカラカラになるまで乾燥させましょう。
乾燥させることで、柿の甘みとうまみがギュッと濃縮されていきます。
乾燥させた柿の皮の食べ方は、このようなものがあります。
そのまま食べても良し、お料理、お菓子など、色々なものに使えて、しかも栄養もしっかりとれる万能な柿の皮。
今まで捨てていたのがもったいなく感じてきますね!
甘く熟した柿なら、よく洗ってそのまま丸かじりすることもできるよ!
柿を食べ過ぎるとどうなるの?
柿が健康にも美容にも良いことがわかりましたが、だからといっても「食べ過ぎ」には注意が必要です。
柿の食べ過ぎNGな理由を解説いたします。
①柿胃石になる
胃石という病気は、食べ物がうまく消化されず、胃の中に塊となって残ってしまう病気です。
柿を食べ過ぎることで発症するケースが報告されており、柿胃石という名前がつけられました。
主な症状としては、嘔吐や胃痛で、柿胃石から腸閉塞に移行してしまうケースも報告されています。
柿胃石の原因はまだはっきりとわかっていませんが、タンニンが胃酸によって変性し、それが胃の中にあるタンパク質と結合することが原因ではないかとされています。
②便秘になる
もともと便秘気味の人は、食べ過ぎると便秘を悪化させてしまう可能性があります。
理由は、柿に含まれるタンニン。
タンニンという成分は体に良いとされる栄養素ではありますが、便を固める働きがあったり、摂り過ぎることで腸内菌の働きを妨げてしまうデメリットがあります。
これによって便秘を引き起こす原因になってしまうのです。
③貧血になりやすい
また、タンニンは体内の鉄分と結合することで、鉄分の吸収が阻害されてしまう側面もあります。
したがって、貧血気味の方、妊娠中、授乳中の方は食べ過ぎないようご注意くださいね。
④体を冷やす
柿に含まれるカリウムは、余分な体内の塩分を排出してくれる働きがありますが、そのぶん利尿作用によって体を冷やすデメリットがあります。
柿がおいしく実る秋は、気温も下がっているため、食べ過ぎることでさらに体を冷やすことになります。
⑤花粉症の人は注意。アレルギー反応がでることも
柿にはタンパク質が含まれています。
そのタンパク質の構造が、花粉症の原因となるタンパク質と良く似ていることがわかっています。
そのため、花粉症の人が柿を食べると、体の免疫機能がアレルゲンであると錯覚し、症状が現れることがあるそうです。
花粉症がある人は食べ過ぎないよう気をつけましょう。
⑥太る原因になる
柿1個のカロリーは100kcal、糖質は23.7gです。
カロリーはそれほど高くありませんが、糖質はかなり高めですね。
そのため、柿を食べ過ぎるとカロリー過多になるだけでなく、体が冷えることで基礎代謝も落ち、太る原因になってしまいます。
とは言っても、食べ過ぎなけれ心配はいりません。
ダイエット中の方は、1日1個までにしておくことをおすすめします。
柿は1日何個まで?
柿はとっても美味しいですが、食べ過ぎると様々な悪い症状が引き起こされるとわかりました。
では1日の適量はどのくらいにしたら良いのでしょうか?
柿は1日に2〜3個まで
柿の1日の適量は2~3個と言われていますが、毎日2~3個では良くありません。
なぜなら、柿2~3個でも柿胃石を発症したケースがあるようです。
もし毎日柿を食べたいとしたら、さらに量を減らして1個ずつにしておくことをおすすめします。
とくに、妊婦さんや小さなお子さんは食べ過ぎないよう心がけてあげたいですね。
おわりに
柿はまさに健康万能食品。医者が青くなるのも理解できるほど、豊富な栄養素を含んだスーパーフルーツです。
肌寒くなるこの季節、柿を食べる習慣があれば病気知らずの秋になりそうです。
食べ過ぎることで健康を損ねないよう、適量の柿を美味しく味わって食べましょうね。