山形県酒田市で開催される「酒田まつり」をご存知でしょうか?江戸時代から続く歴史と、「巨大な獅子頭」と「山車」そして「花魁道中」が見られることで有名なお祭りです!今回は、酒田まつりの日程や歴史、人気のイベントである花魁道中や獅子パックンの場所や時間についても解説します。
酒田まつりとは?
出典;https://www.pref.yamagata.jp
酒田まつりは、山形県酒田市内にある日枝神社のお祭りで、庄内三大祭りのひとつとして数えられています。
お祭りでは、酒田市のシンボルである巨大な獅子頭(獅子舞の頭の部分)をはじめ、傘福山車や山鉾など、50団体の山車・神輿が街中を練り歩きます。
また、人気イベントのひとつ「花魁道中」や「黒森歌舞伎」も登場することでも有名です。
これを一目見ようとカメラを手にした観光客からは、大きな拍手と歓声が沸き上がります。
華やかな渡御行列は勇壮で美しく、毎年全国から25万人以上もの観光客が訪れ、かつての栄華の歴史を堪能しています。
酒田まつりの歴史
酒田まつりは1609年に始まり、当時は「山王祭」と呼ばれていましたが、1976年に起こった酒田大火から復興するため、街の防災と発展を願い、1979年に「酒田まつり」へと名称が変更されました。
酒田大火の原因は、映画館「グリーンハウス」のボイラー室からの出火で、酒田市中心部の商店街約22万5000平方メートルを焼き、大きな被害を生んだそうです。
起源から400年以上もの歴史のあるお祭りですが、その酒田大火や、鳥海山噴火や庄内地震などの災害があっても、一度も休みことなく続けられてきました。
たくさんの苦難を乗り越え、酒田まつりは江戸時代からの歴史を繋いできました。
2019年 酒田まつりの日程・開催時間など
今年の酒田まつりは、
5/19(日),5/20(月),5/21(火)の3日間行われます。
お祭りの簡単な情報をまとめました。
雨天時の場合は?
雨天決行です。お天気が不安定な場合は雨具を持って行きましょう!
荒天の場合は中止です。その場合は、ハーバーラジオ(FM76.1MHz)でお知らせしてくれるそうですので、チェックしてみて下さい。
問い合わせTEL:0234-24-2233(酒田観光物産協会)
酒田まつりのイベント情報
酒田まつりが開催される3日間の中で、それぞれのイベントが開催されます。
2019年の宵祭り、本祭り、そして裏祭りの全スケジュールをご紹介します。
5月15日(水)神宿開き
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酒田まつりは5月19日から3日間と紹介しましたが、毎年5月15日に、その準備段階となる「神宿開き」という神事が行われます。
「神宿」とは、神様のおもてなしをする場所のことです。
それぞれの地域に伝わる貴重な品物などが展示されますので、酒田まつりを含む酒田市の歴史や工芸品などを見ることができます。
夜は20:00まで開いていますので、お祭りの前に神宿に行ってみるのもいいですね!
5月19日(日)宵祭り
2019年の宵祭りは、中心市街地など3つのエリアを舞台に開催します。
いずれのエリアもさまざまな演目が披露されますが、特に街中を巡行する「立て山鉾エリア」は必見です。
人気の酒田花魁道中は、今年からこの宵祭りに変更されましたので、見逃さないように時間や場所をチェックしておきましょう。
開催時間順に3つのエリアを解説します。
5月20日(月)本祭り
酒田まつりのメインとなる「本祭り」。
この日は、獅子頭の巡行・獅子パックン・立て山鉾など、酒田まつりの見どころをたくさん見ることができます!
5月21日(火)裏祭り
大きな催し物は無いそうですが、屋台などは引き続き出店しているので、酒田まつりの余韻を楽しむことができます。
また「旧鐙屋」にて開催されている「しつらい展」や「献花展」などの無料展示会もこの日まで行われています。
最終日ともあり、日枝神社へ参拝をする方も多いようです。
酒田まつりの見どころは?
酒田まつりの見どころをご紹介します。
まずは酒田まつりの雰囲気がわかるこちらの動画を見てみましょう。
勇壮で巨大な「立て山鉾」
出典;http://blog.livedoor.jp
巨大な立て山鉾は、酒田まつりの見どころのひとつです。
山鉾が動き出すと、沿道に集まった観客は一気に盛り上がります。
立て山鉾はもともと、1762年に京都の祇園祭の山鉾を参考に、山王祭の「亀傘鉾」として作られました。
細かい部分までこだわった高いクオリティーは大いに賞賛され、山王祭はますます賑わっていったそうです。
そこから現在のように背の高い「立て山鉾」が作られました。
この立て山鉾は「神が宿る」といわれ、立て山鉾を一目見るために、江戸や大阪からも多くの人々が酒田まつりに訪れました。
人々の幸せを願い、まるで高さを競い合うかのように、立て山鉾は高く高く成長していきました。
現在の立て山鉾の高さは約20m以上にも及ぶといい、集まった観客を楽しませてくれます。
巨大な獅子頭の「獅子パックン」
出典;https://www.pref.yamagata.jp
お祭りを訪れると、目と耳と歯に塗られた金色を光らせた巨大な獅子頭(獅子舞の頭の部分)が、街中を練り歩く姿を見ることができます。
獅子頭は、1976年に起こった酒田大火の後に新たに加わったもので、復興のシンボルとされています。
山車行列では、子どもを獅子の大きな口の中に座らせ、「ワッショイ」の掛け声とともに、3回噛んでもらう「獅子パックン」が人気です!
まるごとパックンされるので、ほとんどの子どもが怖さのあまり大泣きです。
(ですが、全く痛くないので大丈夫。)
厄除けや無病息災を願って、毎年多くの親子連れが集まります。
艶やかな「酒田花魁道中」
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観光客や地元の人々にとても人気なのが「酒田花魁道中」というイベントです。
「酒田花魁道中」とは、女性が美しく着飾った花魁の衣装をまとい、揚屋や引手茶屋まで馴染み客を迎えに行く様子を再現し、街中を練り歩く行事です。
しゃなり、しゃなりと山車行列に美しい彩りを添える花魁道中は、酒田まつりを華やかに盛り上げてくれます。
実はこの行事、2008年から2015年までは行われていませんでした。
(過去行われたのは1994〜1996年、2005年〜2007年)
しかし2016年から若手美容師の有志で「花魁道中」を9年ぶりに復活させ、本祭りの華として人気を集めてきました。
2019年からは主体組織が「酒田花魁会」に変わり、実施日が従来の本祭りから、宵祭りの19日夜に変更となります。
19日(日)18:00から、マリーン5清水屋前周辺で予定する「立て山鉾巡行」に続き、花魁道中は行われますので、ぜひ見逃さないよう足を運んで見て下さい!
酒田まつりと花魁の関係とは?
山形県酒田市は江戸時代、物流によって栄えた歴史があります。
北前船の往来として栄えた湊町酒田は「西の堺、東の酒田」といわれるほど、全国から集まる商人や船乗りをもてなす華やかな花街があり、大いに賑わっていました。
その繁栄によって「酒田新町遊廓」と呼ばれる遊郭が作られました。
酒田市の歌「酒田甚句」で、
ほんまに酒田はよい港、繁盛じゃおまへんか
という関西弁での一節があります。
この事からも上方文化の影響が色濃い土地だったことや、当時の繁栄ぶりがよく表されていますね。
当時全国的に有名で繁栄していた町遊郭と、酒田市の上方文化との繋がりによって作られた遊郭で働く遊女のことを「花魁」と呼びました。
現在も、かつての遊郭や花街だったであろうと感じる建物も見ることができ、その歴史が醸し出す港町の艶やかな風情を感じることができます。
2019年 獅子パックンまっぷ!
20日(月)本祭り山車行列での獅子パックンは、大通りの南進車線で行われます。
場所と時間の詳細は、こちらの獅子パックンまっぷをご覧ください。
出典;http://www.city.sakata.lg.jp
屋台の出る場所・日程・種類は?
出典;http://thecrystalskull.blog135.fc2.com
お祭りといったら屋台ですね!
酒田まつりが開催される3日間、会場周辺には、東北最大級と言われるほどの多くの屋台が立ち並び、これを目当てに訪れる方も多いと思います。
屋台で美味しいものをほおばりながら、お祭りを存分に楽しみましょう!
屋台が出る日程
酒田まつりでは、5/19(日)~5/21(火)の3日間、たくさんの屋台が出店されます。
営業時間は例年、屋台によって違いますが、
12:00頃~21:00頃まで営業しています。
早いところは20時頃に閉店となることもあります。
屋台が出る場所
例年、「日和山公園」から「大通り商店街」にかけての通りに、さまざまな屋台が出店します。
赤いラインの通りに屋台が立ち並びます。長い長いまっすぐな道なので、お祭り会場エリアに行くとすぐに見つけることができます。
ぜひ歩きながらお祭りを楽しんで下さい!
屋台が出る種類
酒田まつりの屋台数はなんと約400店舗以上!
出典;https://yaplog.jp
このお祭りの屋台の特徴は、ドルネケバブ、ビーフン、シャーピン、トッポギ、タイラーメン、タイカレー、台湾ショーロンポー、トルコアイス、タピオカジュースなど、海外の食べ物がよく見かけられます。
さらに定番のお好み焼き、焼きそばなど通常のお祭りで見るような屋台のほか、B級グルメのお店なども揃っていて、バリエーション豊かです。
飲食店も軒下でお祭り限定プランを出しているので、本格的なグルメも味わえますね!
おすすめはというと、特に「タイラーメン」は毎年人気で長蛇の列です。
もちろん食べ物の他にも遊戯系の屋台も充実しています。
屋台巡りを楽しみながら華やかな山車行列を眺め、酒田まつりを存分に楽しみましょう!
酒田まつりの風物詩「お化け屋敷」とは?
出典;http://medaka.n-da.jp
屋台での食べ歩きも見どころのひとつですが、酒田まつりのもうひとつの名物「お化け屋敷」があります。
場所は、前の章の屋台の場所でも紹介した「日和山公園」です。
ろくろ首や幽霊等、日本古来のお化けが登場し、昭和の古き時代を感じさせます。
例年、酒田まつりを怪しいムードで盛り上げてくれる恒例イベントとなっており、これを目的に訪れる人もいるほど名物になっています。
会場はお化け屋敷以外にも小屋掛けの様々なアトラクションがあり、昔懐かしい祭りの風景が広がっています。
興味のある方は足を運んで見てはいかがでしょうか?
お化け屋敷の場所(日和山公園)はこちらです。
アクセス・駐車場について
酒田まつりへのアクセス方法をご紹介します。
電車の場合
JR酒田駅から徒歩17分程で、会場エリアの中町に到着します。
または、駅前からバスで約7分、バス停「本町荘銀前」で下車、降りてすぐが会場です。
車の場合
山形自動車道酒田中央ICから約10分程で、会場エリアの中町に到着します。
お祭り開催当日は、市役所駐車場は利用できませんのでご注意ください。
酒田市が推奨している駐車場
今年、酒田市が推奨している駐車場は、「希望ホール」「市体育館」です。
その2ヶ所の駐車場の詳細をご紹介します。
その他有料駐車場
酒田まつりのメイン会場周辺には、有料駐車場が複数点在しています。
会場周辺は交通規制もかかり大変混雑しますので、早めの現地入りを目指すことをおすすめします。
交通規制について
2019年の交通規制図はこちらをご覧ください。
出典;http://www.city.sakata.lg.jp
酒田まつり開催日の前後を含め、18日(土)~22日(水)の間の5日間、会場周辺の広い範囲に交通規制がかかります。
場所によって規制時間が違うので注意が必要です。
マイカーで訪れる予定の方は、規制時間と規制場所を確認しておき、現地の係員の指示に従いましょう。
まとめ
趣向を凝らし、豪華さを競った山車と祭行列が、春の酒田の町を巡行します。
過去の栄華を現代につたえる山鉾や花魁道中など、
文化や歴史に触れながら、ゆっくりと情緒を味わうのもいいですね。
ぜひ、楽しんで来てくださいね。