都内最大級といわれる重さ約4トンもの千貫神輿で有名な「鳥越祭り」。例年喧嘩も絶えないほど荒々しく迫力満点のお祭りですが、平安時代からの長い歴史を持っています。今回はそんな鳥越祭りについてご紹介します。
鳥越祭りとは?
出典;https://www.gotokyo.org
鳥越祭りは、約1360年の歴史を誇る「鳥越神社」の例大祭で、千貫神輿と呼ばれる大神輿を担ぎ、江戸の街を練り歩くお祭りです。
この大きな神輿「千貫神輿」は、なんと重さ約4トンで、東京最大級の重さがあるとして有名です。
そんな千貫神輿を氏子の若い衆が500人ほどで担ぎ上げ、掛け声とともに勇ましく街を進む姿は壮観です!
正式には「鳥越神社例大祭」といいますが、神輿が夕方暗くなってから宮入りすることから「鳥越の夜祭り」の名もあります。
特に、鳥越祭りのフィナーレを飾る「宮入り」は、このお祭りの最大の見せ場です。
夕闇が迫るころ、千貫神輿のまわりの細提灯に灯がともり、闇の中に神輿が美しく浮き上がると、お祭りは最高潮に盛り上がります。
毎年全国から30万人もの見物客が訪れ、宮入りの幻想的な光景と江戸っ子のキップとに酔いしれています。
鳥越祭りの歴史
鳥越神社は651年、日本武尊が東征したとき、しばらくこの地にとどまったので、その遺徳を慕い、土地の人々が「白鳥明神」として創建したのが始まりです。
その頃は海辺の神社でした。
後に源義経がこの地を訪れたときに、「鳥越大明神」に改名されたといわれています。
お祭りの歴史も大変古く、平安時代末期から行われたという記録も残っています。
平安の終わりが1185年と考えると、実に800年以上も昔から行われているお祭りということがわかりますね!
鳥越祭りは、長い年月のなかで強い思いと誇りをもって守り続けられてきた、深い歴史のロマンを感じさせられるお祭りです。
2019年 鳥越祭りの日程・開催時間など
今年の鳥越祭りは、
6/8(土),6/9(日)の2日間行われます。
お祭りの簡単な情報をまとめました。
雨天時の場合は?
雨天決行です。お天気が不安定な場合は雨具を持って行きましょう!
梅雨の時期と重なる鳥越祭りは、例年雨が多いようですので、雨対策を忘れずにしてお出かけください。
鳥越祭りのイベント情報
鳥越祭りが開催される2日間の中で、それぞれのイベントが開催されます。
雨が降っても行われる熱いお祭りですので、ぜひ詳細日程を把握して楽しみましょう!
6月7日(金)
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鳥越祭りは6月8日から2日間と紹介しましたが、前日の6月7日に、その準備段階となる神事が行われます。
境内の紫陽花が満開の中とても厳かな雰囲気の中で行われ、一般の人は境内の後ろから見学することができます。
鳥越祭り限定御朱印はこの日から頒布開始されます。後ほどご紹介します。
宵宮清祓式
- 日程 2019年6月7日(金)
- 時間 17:00~
- 場所 鳥越神社
6月8日(土)
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東京の夏祭りの始まりです。
この日は町内から繰り出した神輿が勢ぞろいします。
下町情緒の残る町並みに祭り囃子が響き、威勢のいい掛け声がほとばしります。
時間 | イベント |
---|---|
10:00~ | 大祭式 |
13:00~ | 御神前太鼓演芸奉納大会 |
町御神輿渡御(各町計画による) | |
15:00~ | 二長町稚児行列・山車大中小神輿宮入参拝 |
夕方頃 | 三筋三桂四ヶ町・南部六ヶ町他連合参拝宮入 |
6月9日(日)
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この日はこのお祭りの主役「千貫神輿」が登場します。
宮出しの後、天狗や手古舞連、五色の旗を持つ子供たちが連なって千貫御輿の列を先導し、鳥越の町内を渡御します。
19時頃から、道中で本社神輿の周りのちょうちんに灯がともる「鳥越の夜祭り」が行われ、クライマックスの宮入となります。
時間 | イベント | 場所 |
---|---|---|
6:30~ | 千貫神輿渡御 宮出し | 鳥越神社を出発 |
19:00頃~ | 鳥越夜まつり | |
21:00頃 | 千貫神輿渡御 宮入り | 鳥越神社に到着 |
鳥越祭り「千貫神輿」のルートについて
今年の千貫神輿のルートマップ(朱引き)は、毎年6月1日から、鳥越神社の「社務所」にて、100円で販売されます。
社務所の場所は、鳥越神社の拝殿の右手前にあります。
もしくは鳥越神社の公式Facebookや、お祭り間際になると町内掲示板などでも公開されますので、チェックしてみて下さい。
鳥越祭りの見どころは?
鳥越祭りの見どころをご紹介します。
超ヘビー級の「千貫神輿」
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浅草で神輿といえば、浅草神社の「三社祭」が有名ですが、鳥越神社の例祭の繰り出す本社神輿も見逃せません。
千貫神輿、別名「お化け神輿」とも呼ばれるこの神輿は、重さがなんと千貫(約4トン)もあるといい、戦前より都内の神輿の中では最大級の重さといわれています。
これを氏子の若い衆が総勢500人ほどで担ぎ上げます。
初夏の日差しを浴び、この重い神輿を担ぐ若者の額には、玉のような汗が出てきます。
いなせな半てんは、水をかぶったようにびしょ濡れで、見ている側も思わず力が入ります。
しかしこの神輿の特徴は重さだけではありません。
下町特有の狭い路地を渡御していくために担ぎ棒が短く、普通の神輿と比べて担ぎ手一人当たりの負担が大きいのだそうです。
そのため、渡御の難しさも都内随一といわれています!
神輿を彩る「宮入り」道中
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このお祭りのクライマックスは、なんといっても日曜日の夜。千貫神輿の宮入りですね!
氏子の町を終日練った神輿は、あたりが暗くなるころ鳥越神社へと帰ってきます。
手古舞の女性、木やり歌の先導に導かれ、神社を目指して神輿が蔵前橋通りを進んでいきます。
神輿の周囲に吊るされた40個の細提灯には明かりが灯され、神輿が揺れるたびに細提灯がユラユラと揺れ、闇の中に美しい神輿が浮き彫りになります。
神社の参道には、氏子各町の掲げる高張提灯がびっしりと並び、蔵前橋通りからやってくる神輿を出迎えます。
神輿の屋根にある鳳凰が、高張提灯の光に照らされきらきらと輝き、その勇壮で幻想的な光景に、通りを埋め尽くした見物客が酔いしれます。
このように、鳥越祭りのフィナーレを飾る宮入り道中は、通称「鳥越の夜祭り」ともいわれ、お祭りの最高の見せ場です。
鳥越祭りは喧嘩っ早くて有名!
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鳥越祭りは別名「江戸の喧嘩祭り」と呼ばれるほど、喧嘩がよく起きることでも有名です。
その頻度も、もはやお祭りの見どころのひとつといってもいいほどです。
毎年この喧嘩騒ぎはユーチューブや新聞等でも多数掲載されているようですね。
その詳細について、注意点も併せてご紹介いたします。
喧嘩の原因は?
4トンもの重たい千貫神輿を担ぎながら歩く、またこの千貫神輿を担いでのバランスがとりづらく、担ぎ手の全員が呼吸を合わせなければなりません。
難しいがゆえに担ぎ手はとても真剣に成らざるを得なく、非常に荒っぽくなるようです。
また、四方から人の波をかき分けて押し寄せてくる、担ぎ手たちの担ぎ棒争奪戦になってしまうこともあるようですね。
また、喧嘩ではありませんが、たくさんの見物人が押し合うなかで、担ぎ手たちは大声を張り上げて道を開け、神輿を担ぎます。
その怒鳴り散らした声があちこちから聞こえてくると思いますので、ぶつからないように少し離れた場所から見学するようにしましょう。
喧嘩はいつ起きるの?
江戸っ子ならではの喧嘩もまた風物詩とも言えますが、これを知らずに行くと驚いてしまう事でしょう。
最も喧嘩が起きやすい日は、「千貫神輿」が登場する9日(日)です。
この日は、朝からいたるところで勃発しています。
出典;https://nostalji.exblog.jp
特に神輿を隣町に引き継ぐときに、頻繁に神輿渡御バトルが起こっているようです。
更に夜の宮入りになるとよその町会の担ぎが乱入し、担ぎ棒の奪い合いの喧嘩になるのが恒例となっています。
有終の美を飾らんと担ぎ手争いはますます激化し、毎年宮入りは非常に危険な状態になるため、たくさんの警官達に囲まれて担ぎます。
危険性はあるの?
喧嘩祭りといわれるものの、暗黙の決めごとを守った喧嘩の傾向にあり、見物人が巻き込まれることはありません。
鳥越祭りの喧嘩は、こうした火花の散らしあいの中で、お互いに同じ江戸庶民であることを確かめ合うものであり、ある意味ではなれ合い的なものだそうです。
「火事と喧嘩は江戸の花」といいますが、こうした喧嘩も伝統的な江戸っ子文化の一部だということです。
お祭りの喧嘩で日常の不満を発散した担ぎ手は、その後また、平穏な生活に戻っていくのです。
周りの反応は?
このお祭りの喧嘩の荒っぽさの迫力は凄まじいため、見物客からすると大変な見どころとなっています。
しかし鳥越祭りの喧嘩は言ってみれば江戸の華であり、それなりにお客さんと担ぎ手たちも、この非日常的な状況をどこか楽しんでいるようです。
普段、大の大人が本気で熱くなって喧嘩をする機会は滅多にありませんし、地上波放送では見ることができない貴重なものです。
そのため迫力満点の喧嘩祭りを写真に収めようと、たくさんのカメラが向けられます。
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もちろん喧嘩はよくありませんが、お祭りに夢中になり熱くなれる場ということで、この喧嘩の活気を楽しむ人も大勢いるようです。
ただし見物する方は、近づきすぎることのないよう、ケガにはじゅうぶん気を付けてお祭りを楽しんで下さいね。
屋台の出る場所・日程・種類は?
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お祭りといえば屋台ですね!
鳥越祭り開催中は多くの屋台が立ち並び、いい香りが食欲を掻き立てます。
屋台の美味しいものをほおばりながら、鳥越祭りを存分に満喫しましょう!
屋台が出る日程
鳥越祭りでは、6/8(土)~6/9(日)の2日間、たくさんの屋台が出店されます。
営業時間は例年、屋台によって違いますが、
6月8日(土) お昼前~21:00頃まで
6月9日(日) 9:00頃~22:00頃まで、営業しています。
遅い時間まで営業しているので、夕ご飯や晩酌として屋台グルメを楽しむこともできますね!
屋台が出る場所
例年、鳥越神社の周りの路地にずらりと屋台が出店されます。
なので鳥越神社に向かうとすぐに屋台を見つけることができます。
また、鳥越神社の西側に位置するおかず横丁の商店街にも屋台が出店されます。
屋台が出る種類
鳥越祭りの屋台数はなんと約250店舗以上!
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このお祭りの屋台の特徴は、例年、焼きそば、りんごあめ、イカ焼きなど、通常のお祭りでよく見るような定番グルメを多く見つける事ができます。
さらに近年では、台湾や韓国料理など海外の食べ物もよく見かけられるようになり、バリエーション豊かです。
また、椅子に座って飲食できるテントスペースも多く建てられるので、お祭りで疲れた足を休ませながらゆっくり食べられるのも魅力です。
飲食店も軒下でお祭り限定プランを出しているので、本格的なグルメも味わえますね!
もちろん食べ物の他にも遊戯系の屋台も充実しています。
お子様連れの方も、お散歩がてらお腹を満たしにお出かけしてみてはいかがでしょうか。
鳥越神社「御朱印」のもらい方
出典;https://www.facebook.com
近年、御朱印を集めている人も多いですよね。
「御朱印」とは、そのお寺や神社(鳥越神社)に「参拝した証」として授与されるものです。
鳥越祭りの期間中、6月7日(金)~6月9日(日)の3日間、通常のときと少し違い「鳥越祭」の印が押されます。
御朱印は「書き置き」と「手書き」の両方あり、どちらも初穂料は500円です。
書き置き版は上の画像のように、見開きタイプとなっています。
右側には「祝 天皇陛下御在位御大典」、そして「千貫神輿」がデザインされています。
鳥越神社の御朱印は、拝殿の右手前にある社務所にてお願いできます。
数に限りがあるため無くなり次第終了となるそうですので、早めに行ってみましょう。
アクセス・駐車場について
鳥越祭りの主会場、鳥越神社へのアクセス方法についてご紹介します。
電車の場合
- 都営地下鉄浅草線「蔵前駅」下車、徒歩6分
- 都営地下鉄大江戸線「新御徒町駅」下車、徒歩8分
- JR総武線「浅草橋駅」下車、徒歩8分
車の場合
お祭り当日は、会場周辺の広い範囲で交通規制がかかり、多くの担ぎ手や見物客で大変混雑します。
臨時駐車場も用意されていませんので、車での来場はおすすめしません。
近隣のコインパーキングを掲載しますが、全て収容台数が少ないですので早めに確保することをおすすめします。
交通規制について
鳥越祭りでは、両日ともに広い範囲で交通規制がかかります。
規制場所は例年、江戸通り・春日通り・浅草通り・蔵前橋通り・清州橋通り・国際通り・左右衛門橋通り・新堀通りやその周辺道路が、一時的に通行止めになります。
マイカーで訪れる予定の方は時間に余裕を持って出かけ、現地の係員の指示に従って下さい。
また、鳥越神社前の蔵前橋通りや一部道路は、18:30~22:00頃まで全面通行止めとなりますので、ご注意ください。
鳥越祭りの交通規制は、こちらの交通規制図でご確認下さい。
ーーー 18:30~22:00頃まで、全面通行止め
ーーー 一時的に通行止め
まとめ
千貫神輿がちょうちんの灯で照らされ、東京の夏祭りの先鞭をつける鳥越祭り。
勇壮で幻想的な光景は、長い歴史の中で時代を超えても、脈々と受け継がれています。
いまも生きる江戸っ子流の粋な光景を体感しに、ぜひ足を運んで見て下さいね。