いつでもどこでも誰でも、気軽にできるシンプルな運動「ウォーキング」。
通勤や買い物中などに、ちょっと意識を変えるだけで、健康・ダイエット効果、ストレス解消効果が得られます。
今回は、ウォーキングの健康効果や、病気予防できる歩数の目安など、すぐに実践できるようわかりやすくご紹介いたします。
ウォーキングがもたらす健康効果とは?
健康でなくてどうやって人生をエンジョイできるのでしょうか。
人間にとって、健康は最大の武器です。
人生に花を咲かせるために、自分の健康管理にもっと時間とお金をかけるべきだと、誰もが感じているのではないでしょうか?
そこで、ウォーキングの提案です。
お金もかからず、忙しい人でも、運動が苦手な人でも、誰でもすぐに始められるシンプルな運動です。
ウォーキングには、身体にとって嬉しい効果がたくさんあります。
ダイエット効果
ウォーキングは、「有酸素運動」の代表格です。
有酸素運動は、体内に脂肪を燃焼するために必要な酸素をじっくり取り入れながら運動することによって、体脂肪を減少させる効果が期待できるものです。
ウォーキングは、ランニングや水泳などのスポーツより体への負担が少なく、運動が苦手な方でも無理なくダイエットすることができます。
生活習慣病の予防
生活習慣病は、肥満症、糖尿病、高脂質血症、高血圧など、現代では他人事とはいえない程ありふれた病気です。
これらを予防していくためには、運動、休養、正しい食生活などを習慣づけていく必要があります。
なかでもウォーキングは最も推奨されている運動であり、誰でも日々の生活に取り入れやすく続けやすいことが理由です。
習慣的にウォーキングを続けることによって、以下のような生活習慣病の予防・改善効果があります。
- 血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きをよくする作用があり、糖尿病の改善につながります。
- 善玉コレステロール(HDLコレステロール)が増加し、動脈硬化を予防します。
- 血液の循環が良くなることで血管が柔らかくしなやかになり、高血圧を予防します。
- 脂肪を燃やし代謝がよくなることで血中脂質や血糖値、血圧の状態の改善にも貢献します。
ウォーキングを始めたことで健康への関心も高まり、暴飲暴食やタバコの吸い過ぎに注意するようになった、という声も多いようです。
このようにウォーキングすることは、意識的にも生活習慣病のリスクを一段と減らすことができるといえます。
骨が丈夫になる
足腰が強い人ほど、自力で日常生活を送る能力を長く維持できるといわれていますね。
足腰の強化に適しているのは、やはりウォーキングです。
ウォーキングは骨に適度な刺激を与えてくれるため、カルシウムの吸収が高まって骨密度が強化され、骨粗しょう症予防に良いといわれています。
さらに太陽を浴びることで、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で生成されるダブル要素があります。
がん予防が期待できる
日本人の死亡原因の第1位は「がん」です。
悲しいことに、日本では3人に1人ががんで亡くなるといわれており、もはや国民病ともいえるかもしれません。
アメリカで実施された144万人を対象とした研究では、ウォーキングを継続的に行うことによって、がんの発症リスクを低下でき、また死亡しにくいということが明らかになりました。
ウォーキングの習慣がある人は、13種類にも及ぶさまざまな部位のがんの発症リスクを下げることができるのです。
さらに運動を続けると、がんの発生を誘発する「活性酸素」などの産生を減らし、細胞の老化をおさえる効果があることもわかっています。
免疫力アップで感染症予防
体の健康維持には、免疫力が必要です。
空気中にはさまざまなウイルスが浮遊しているため、免疫力がなければ、私たちはすぐに病に侵されてしまいます。
ウォーキングを行うことで血液の循環がよくなり、NK細胞(免疫細胞)が活性化され、免疫力が上がるといわれています。
外でウォーキングすると、空気中にある数々のウイルスが自然と体内に侵入しやすくなりますが、NK細胞は適度な負荷を与えることで攻撃力が鍛えられるといわれています。
また、体温が上がると血流がよくなり、NK細胞が集中している白血球が体の隅々にまで行き渡り、免疫の本来の力が存分に発揮されます。
心肺機能を高める
空気をじゅうぶんに取り込むことで心肺機能が鍛えられます。
また、全身の血液を循環させることが自然にでき、心臓や血管の負担も軽くなります。
ウォーキング習慣のある人ほど、心血管疾患のリスクが低いことが明らかになっています。
認知症予防になる
新鮮な酸素が脳内に運ばれることによって、細胞が活性化され、認知症のリスクが低減されることが明らかになっています。
また、歩くことで得られる足裏への刺激は、脳の活性化に良いとされています。
ウォーキングを始める準備をしよう!
ウォーキングの素晴らしい健康効果がわかったところで、さっそく歩きに行きましょう!
とはいえ、やみくもに歩けばいいというものではありません。
ウォーキングに適した時間、歩数など、効果的なウォーキングの知識をまずは身につけましょう。
ウォーキングに最適な時間帯は?
最もおすすめの時間帯は、朝の、食後30分~1時間後からです。
朝のウォーキングで浴びる太陽の光は、体内時計をリセットする絶好の機会です。
朝食を食べて体が温まり始めた頃にウォーキングをすることで、さらに体温が上昇し、活動的な体を作ることができます。
また、朝の日光をたくさん浴びることによって、リラックスと幸福感をもたらすセロトニン(幸せホルモン)が活性化されるため、ストレス解消にもつながるでしょう。
さらに朝の運動は、1日の代謝を良くするとされ、ダイエット効果を期待している人にもおすすめの時間帯です。
朝食後30分~1時間経過後にウォーキングを始めると、ちょうど食後の血糖値上昇を抑えられるベストなタイミングになります。
ウォーキングに最適な歩数は?
「1日トータル」の最適な歩数は、8,000歩が目安です(65才以上の場合は6,000歩が目安)。
そのうち20分を早歩き(ウォーキング)をするのが最も最適であると提唱されています。
1日8,000歩と聞いて「続けられそう」という人もいれば、「きつそうだな」と思う人もいるのではないでしょうか?
あくまでも1日トータルの目標歩数ですから、何気なく動いている歩数も意外とあるものです。
不足分は毎日の習慣として20分のウォーキングを無理なく続けてみて下さい。
1日10,000歩を目標に歩いているという人もいますが、歩きすぎて疲れてしまうと健康に逆効果であることも研究を通じてわかってきています。
歩数が多い=健康に良い、というわけではないという事です。
予防したい病気別!歩数の目安
最近の研究では、1日当たりの歩数と、早歩きの時間によって、予防・改善できる可能性がある病気(病態)が報告されています。
歩数 | 早歩きの時間 | 予防・改善できる病気 |
---|---|---|
2,000歩 | 0分 | 寝たきり |
4,000歩 | 5分 | うつ病 |
5,000歩 | 7.5分 | ・ 要支援、要介護 ・認知症(血管性認知症、アルツハイマー病) ・心疾患(狭心症、心筋梗塞) ・脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血) |
7,000歩 | 15分 | ・がん(結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がん、子宮内膜がん) ・動脈硬化 ・骨粗鬆症 ・骨折 |
7,500歩 | 17.5分 | ・サルコペニア(筋減少症) ・体力の低下(特に75歳~の下肢筋力や歩行速度) |
8,000歩 | 20分 | ・高血圧 ・糖尿病 ・脂質異常症 ・メタボリックシンドローム(75歳~) |
9,000歩 | 25分 | ・高血圧(正常高値血圧) ・高血糖 |
10,000歩 | 30分 | メタボリックシンドローム(75歳未満) |
12,000歩 | 40分 | 肥満 |
天気が悪いとき、時間がとれないとき、体調が優れないときなど、場合によっては無理をせずに休むことは大切です。
そのぶん調子のよい時に少し多めに歩くなどして、平均的な目標値として捉えて下さい。
またウォーキング後の疲労具合を感じてみて、いつまでも疲労が残る場合はすこし目標を下げ、2か月間疲労を残さずに続けられたら目標を上げるなど、自分なりに目標をゆっくり調整していきましょう。
ウォーキングの服装や持ち物
ウォーキングを快適に始めるための、適した服装やおすすめの持ち物をまとめました。
ウォーキングをやってみよう!
最適な時間・歩数・持ち物がわかったところで、さっそくウォーキングをやってみましょう!
音楽やラジオを聴きながら、愛犬に散歩をさせながら、季節のうつろいを感じながら、楽しい新習慣にしていきたいですね。
この項では、ウォーキングの効果的な歩き方や、速度などを解説いたします。
ウォーキングの正しい歩き方
ウォーキングの効果を得るには、正しい姿勢を意識して歩くことでが大切です。
正しい姿勢で、、というと、チョット面倒に感じますね。
つまり、わかりやすくポイントをまとめると、以下の4つということです。
以上のたった4つのポイントを押さえるだけで、全身を使った有酸素運動の力を無駄なく発揮できます。
ウォーキングの速度は?
ウォーキングといっても、のんびり散歩するだけでは効果があまり期待できません。
だからといっても、無理に早く歩く必要はありません。
わかりやすく言うと、
以上のことを意識したペースが、ウォーキングの適した速度です。
いつもの買い物や通勤などで行っている歩行を少し意識すれば、健康効果を高めることができますね。
ウォーキングは、継続することで効果を発揮します。
健康のために、ダイエットのためにと、無理をしてたくさん歩いたり早歩きをしても、疲労とストレスで続かなくなるので、おすすめできません。
あまり距離や時間にこだわりすぎず、自分の体調や体力に合わせてマイペースで「楽しく行うこと」が、継続のコツです。
ウォーミングアップは必要?
ウォーキングするのに準備運動をする、というのは間違いではありません。
しかし、ウォーキングは「歩く」という日常動作の延長線上にある種目のため、特別な準備運動は必要ないといわれています。
ただし、帰宅後の整理体操(クールダウン)は必要です。
ウォーキングが終わった後に、静的なストレッチで体を伸ばし、筋肉をほぐすことで、蓄積した代謝物の排出を促します。
これは、筋肉痛をやわらげて、疲労回復やケガの予防になりますので、帰宅後はアフターケアを心がけるようにしましょう。
おわりに
ウォーキングをすることで得られるメリットはとても多いことがわかりました。
慣れるまでは面倒に思うこともあるかもしれませんが、無理なく楽しみながら続けることで、習慣になっていくはずです。
まずは、いつもの歩行の「質を高める」意識を持ちましょう。
清々しい気分になったり、リラックス効果はすぐに実感できるはずです。
気持ちのいい汗をかいて、心身ともに健やかな毎日を送る習慣をつけていきましょう!