あなたの周りに、左利きの人はいますか?
もしくは、これを読んでいるあなた自身が左利きでしょうか?
昔は珍しかった気がしますが、最近はそう珍しくもなくなったと思いませんか?
そこで今回は、日本や世界の左利きの割合はどのくらいなのか、またなぜ左利きになるのか、その理由をご紹介したいと思います!
日本人の左利きの割合は?
日本人の左利きの割合(人口比)
約11%
10人に1人くらいの割合で左利きが存在するようです。
クラスの3~4人が左利きと考えれば、あまり珍しくもないような気がしますね。
実は世界的に見て、日本は左利きの割合が多い国のようです。
さらにその割合は、年々増加傾向にあるというから驚きです。
でも昔はもっと少なかったような気がしませんか?
左利き、昔はもっと少なかったですよね?
さかのぼること第二次世界大戦前は、約6.5%だったという調査結果があります。
やはり今より少ないですね。
これは「左利きを矯正する文化」が根づいていたためで、先天的な左利きを正確に裏付ける数値ではないのです。
左利きを矯正しなくてはならなかった理由も明確です。
主にこの3つの理由から、戦後しばらくまでは、左利きを矯正する家庭が多かったと伝えられています。
戦前までは右利き用の銃が量産されていたから、矯正せざるを得ない兵士も多かったんだって!
左利きで生きるのも大変だったんだね。
いまは多様性の時代!左利きが増えた理由
グローバル化が進展する現代の日本では、異なる文化が接触する機会が飛躍的に増大していきました。
誰もが皆と同じでなければならない社会から、自分らしさを多様性として受容する、多元的な社会への転換が求められている時代です。
そこで、昔には見たこともなかった「左利き用」の文房具や調理道具などが、種類豊富に販売されるようになりました。
かつて右利きに直されていた左利きの子どもたちでしたが、今はそれを個性として尊重し、そのまま矯正をしない家庭が増えてきているのです。
これが左利き増加の大きな理由と言われています。
国別!世界の左利きの割合は?
日本の左利きの割合は11%でした。
では世界の左利きの割合はどうなのでしょうか?
調べてみると、面白い文化の違いが見えてきましたよ!
国別に見ていきましょう。
アメリカ
アメリカの左利きの割合(人口比)
約1.8%
驚くほど少ないですね!100人中たったの1~2人です。
一方、両利きは28%です。こちらはかなり多いですね!
実はアメリカの専門家の間では、子どもを右利きに矯正させることは、ストレスによる脳への悪影響を及ぼすと考えられています。
ですので、右利きの矯正するのではなく、動作によって利き手を変える「クロスドミナンス」という考え方で、両利きに育てる方針を取っているそうです。
イタリア
イタリアの左利きの割合(人口比)
約5.8%
一方、両利きはなんと30%です。これはすごいですね!
イタリアは、キリスト教の中でもカトリックの教徒が圧倒的に多いです。
カトリックでは左利きは禁忌とされているため、右利きや両利きに矯正する人が他国に比べて圧倒的に多いといわれています。
ちなみにイタリアの巨匠「レオナルド・ダビンチ」も両利きだったことが最近の研究で発表されています。
台湾
台湾の左利きの割合(人口比)
約3.0%
世界的に見てもアメリカの次に低い割合ですね。
戦前の日本のように、現在の台湾には右利きに矯正する文化が残っているのではないかと指摘されています。
香港
香港の左利きの割合(人口比)
約9.7%
台湾と比べれば、左利きの割合は高いですね。
もともと香港は、香港はもともとイギリスの植民地であった歴史を持っています。
したがって台湾と違い、左利きに関して欧米の思想が根づいているため、右利きの矯正は行われていないといわれています。
両利きと自称する人のほとんどはクロスドミナンス!?
私たちが抱くイメージと違って、外国の人は左利きが多いと思っていたものは、実は純粋な左利きではなくて、「両利きに矯正された人が人が多い」というものでした。
両利きといっても正確には、動作によって利き手を変える人(クロスドミナンス)が多いということです。
あなたの周りにも、お箸は右手だけど、書く時は左手。なんて人はいませんか?
これは完全な両利きではなく、アメリカやイギリスで用いられている「クロスドミナンス」というものです。
駅の改札、自販機のコイン投入口、カメラのシャッターなどなど、まだ左利きでは社会に適合させるために苦労は生じます。
そのような過程において、左利きの人は非利き手に変え続けたことで、次第にクロスドミナンスとなる傾向が強いようです。
完全なる両利きに矯正するには、長いトレーニングが必要なうえ、大きなストレスと闘うことにもなり、その見返りも少ないものです。
自称「両利き」さんは、実はまだ「クロスドミナンス」の状態である可能性が高いですが、社会に適応するには丁度いいものとして欧米を中心に広く推奨されています。
どうして左利きになるの?その理由とは
世界の人口の約10%が左利きだといわれ、それは50万年も前から変わらないと言われています。
「なぜ10%の人が左利きとなるのだろう?」
その謎は長年科学者たちを悩ませています。
現段階で左利きが存在する理由は、実はまだ全ては明らかになっていないのです。
しかし科学者たちの努力によって、左利きは遺伝的要因が関係していること、それに付随する複数の分野があることがわかっています。
その一部をご紹介します。
左利きの25%は遺伝
右利きか、左利きか、その割合は親の利き手に影響されると言われています。
つまり、遺伝に左右される部分が大きいということです。
父 | 母 | 子が左利きになる確率 |
---|---|---|
左利き | 右利き | 17% |
右利き | 右利き | 10% |
右利き | 左利き | 22% |
左利き | 左利き | 25% |
しかしこれは遺伝に限ったことではありません。
育まれた家庭環境や自分のくせなどで、後天的に左利きになる人も少数存在します。
左利きの75%は環境要因(胎内環境など)
母親の胎内での成長過程や出産時に左脳を圧迫され、その左脳を補おうとして右脳が活発になり、左利きになりやすくなるという説が提唱されています。
また、母親の胎内での姿勢によって聴覚系の発達に影響を及ぼし、左利きになるとも言われています。
それ以外にも、男性ホルモンの影響によって胎児の左脳の発達を遅らせ、右脳が活発になることで左利きが生じるなど、様々な説があります。
左利きかどうかは生まれる前に決まる
このように遺伝であっても環境要因であっても、左利きになるかは出生前に胎内で決まっているという研究結果が発表されています。
「左利き」なんて身近な話題ではありますが、未だに明らかになっていない左利きの要因。
しかし確実に研究が進められている分野ですので、今後の研究に期待したいですね!
おわりに
今までなんとなくミステリアスに感じていた左利き。
しかし世界中の人の利き手の要因を理解するには、もっと調査が必要なようです。
これからも滅亡することもなく左利きは少数派のまま存在し続けていくことでしょう。