本格的な寒さへの準備の日である「冬至」。
冬至には、ゆず湯に入るとか、かぼちゃを食べる習慣がありますが、一体なぜなのでしょうか?
今回は、冬至の由来や食べ物などの意味や、日の出、日の入りの時間などについてもご紹介します!
冬至とは?
冬至とは、季節をわけて考える二十四節気のひとつです。
この日は、一年で昼がもっとも短く、夜がもっとも長い日です。
一年でもっとも昼が短い日、というと、「これから冬なんだなぁ…嫌だなぁ」と思いがちですよね。
ですが、この日を境に日の当たる時間が少しづつ増えていくのですから、「太陽の誕生日」なんて呼ぶ人もいます。
そう考えると希望が湧いてきますね!
ただし、暖かさにおいては冬至の日から復活してくるわけではありません。
これより1ヶ月後には本格的な寒さが到来し、立春まで続きます。
すなわち、冬至とは「本格的な寒さへの準備の日」です。
冬至の日は何をするの?
この日は、風邪をひかないように「ゆず湯」に入ったり、「かぼちゃ」を食べる風習があります。
食べ物に関しては、地域によっては「小豆粥」を食べるとこもあり、これは小豆を恐れる疫鬼を退散させることが由来です。
「かゆ食うも、物知りらしき、冬至かな」
小林一茶も、冬至には小豆粥を食べていたようですね。
面白いことに、中国では、ワンタンや餃子を食べる風習があるようですよ。美味しそうですね。
どの国も冬至には家族が集まり、温かな食事と団らんを楽しむ様子が目に浮かびますね!
2024年の冬至はいつ?
今年の冬至はいつなのでしょうか。
2024年の冬至は、12月21日(土)です。
冬至は毎年日にちが違います。
太陽が地球に最も南へ偏る日のことですので、その結果、毎年12日22日頃にあたります。
今年の日の出日の入り時間は?
冬至の日の、日の出と日の入りの時間は、地域によって若干違います。
東京を基準にすると今年は、
となっています。
お住いの地域の日の出日の入り時間は、以下のサイトで調べることができます。
知りたい方はぜひチェックしてみて下さいね!
なぜ冬至の日から日照時間が長くなるのに寒くなるの?
普通に考えて、「冬至の日」を境に日照時間が少しづつ増えていくなら、この日から暖かくなるはずですよね?
それなのになぜ、これから寒くなっていくのでしょうか?
それは、地球が太陽の暖かさを吸収して、地上が暖まるのに、45日くらいかかるからです。
したがって、冬至のときに受けた雀の涙ほどの太陽の熱の効果は、立春ころにようやく現れ始めるというわけです。
これが「冬至を過ぎると寒くなる」といわれる理由です。
家も同じで、寒い家が暖まるまでには時間がかかるよね!
冬至の食べ物の意味とは?
冬至には、かぼちゃを食べる習慣が今も行われていますね。
地域によってもさまざまな、冬至ならではの食べ物とその意味をご紹介します!
かぼちゃ
冬至の食べ物といえば、かぼちゃですよね。
ところで、なぜ冬至にはかぼちゃなのでしょう?
意外ですが、冬至のかぼちゃは、明治以降に生まれた比較的新しい習慣といわれています。
冬になると野菜が少なくなるので、昔の農村では農作業の再生を願って、神さまに貴重なかぼちゃをお供えしていたことが由来です。
また、かぼちゃの収穫時期は夏(6~9月)ですが、保存がきくかぼちゃで栄養をつければ、風邪や中風(脳血管疾患)にかからない、と考えられていました。
実際に栄養学的からみても、かぼちゃはビタミンがとても豊富ですので、風邪の予防に役立ったようですね。
かぼちゃの主な栄養素
- βカロテン 抗酸化作用で免疫力アップ
- ビタミンB群 疲労回復
- ビタミンC 風邪の予防
- ビタミンE 血行促進
- カリウム 血圧の安定
- 食物繊維 整腸作用・便秘予防
栄養価の高いかぼちゃは、冬至の時期に食べる野菜として最適だったのです。
また、昔から黄色は「魔除け」とする信仰があったことから、かぼちゃを食べて邪をはらう意味もあったそうです。
小豆粥
地域によっては、小豆粥を食べるところもあります。
古代中国神話に登場する「共工」という凶暴な水神がおり、その息子が、冬至の日に死んで疫鬼となり、人々を苦しめたという言い伝えがあります。
その疫鬼は赤い小豆を嫌うので、冬至の日には小豆粥を食べることで、病気にかからないようにしているのだそうです。
ちなみに洪水の「洪」の字は、この共工の名前が由来とされています。
こんにゃく
栄養価はあまりありませんが、整腸作用があるこんにゃく。
そんなこんにゃくは「砂払い」とも言い、身体にたまった砂(老廃物)を排泄する食品として、僧侶が好んで食べていたそうです。
一年間ためこんだ煩悩を洗い流す、というような考え方です。
その習慣が、冬至にこんにゃくを食べる習慣につながったとされています。
冬至には「ん」のつく食べ物が良い
かぼちゃは別名「なんきん」といいますが、「こんにゃく」も然り、「ん(運)」のつく食べ物を食べるとよい、とも言われています。
なぜなら、体に良いとされる野菜・柑橘類には、にんじん・れんこん・だいこん・いんげん・ぎんなん・きんかんなど、「ん」がつく名前が多く、幸運を運んできてくれると言われているからです。
つまり、幸運とは健康であることです。
さまざまな食品をバランスよく食べることで健康につながり、それは幸運であるという、昔の人々の願いが感じとれますね。
超簡単!冬至に食べる美味しいかぼちゃレシピ
かぼちゃ料理はさまざまですよね。
冬至には、定番の「かぼちゃの煮物」が食卓に上がる家庭が多いのではないでしょうか。
そこで、特別な材料も器具もいらない、超簡単なかぼちゃ料理のレシピを2つご紹介したいと思います!
かぼちゃの煮物で「パンプキンポタージュ」
寒い時期ですので、今年はからだがポカポカ温まるスープなんていかがでしょうか?
料理上手として知られる北斗晶さんが、かぼちゃの煮物で作る超簡単なレシピ動画を公開していますので、チェックしてみて下さいね。
【材料:2人分】
- かぼちゃの煮物 100gくらい
- 牛乳 150ml
- バター ひとかけ
- 黒コショウ お好みで
ミキサーがなくても作れるのが嬉しいですね!
パックのお総菜や、作って余ったかぼちゃの煮物を活用しても良いと思います。
甘くてホクホクのかぼちゃの煮物と牛乳が溶け合って、ちょっと和風なポタージュスープという感じで好評のようですよ。
煮るだけで簡単「いとこ煮」
冬至にはかぼちゃとあずきを使った「いとこ煮」を食べる地域もありますね。
材料を全て入れて煮るだけの超簡単なレシピですので、ぜひ作ってみて下さいね。
【材料:2人分】
- かぼちゃ 300g
- ゆであずき 1缶(165g)
- しょうゆ 大さじ1
- 水 ひたひた
材料全部入れて弱火で煮るだけなので、誰が作っても失敗なしです。
砂糖を使っていませんので、あずき缶とかぼちゃの自然な甘みが楽しめますね。
ぜひ我が家の冬至の定番料理にしてみてはいかがでしょうか?
冬至にゆず湯はなぜ良いの?理由と効能!
冬至の日にゆず湯に入れば風邪をひかない、なんていいますが、なぜ冬至にゆず湯なのでしょうか?
いくつか説がありますのでご紹介します。
無病息災の願い
ゆずの黄色い実が、お風呂にプカプカ浮かんでいる様子を眺めていると癒されますよね。
そして手に取ると爽やかな柑橘系の香り。
そんな香りのよい温かなお湯に入ることが、邪気を祓うみそぎの行事とされてきました。
このお湯につかれば「無病息災」で暮らせると信じられてきたのです。
冬至は冬の始まりでもあり、これから寒さが厳しくなることから、病気などせず無事に冬を乗り越え、春を迎えられるようにという願いを込められています。
語呂合わせ
また、冬至を「湯治」、ゆずを「融通がきくように」という語呂合わせの意味もあるようです。
江戸時代に銭湯ができたとき、客寄せのためにお湯にゆずを入れ「ゆず湯に入って身体が健康になれば融通がきく」と言って客寄せをしていたようです。
融通をきかせて世を渡る、という語呂合わせはさすが江戸っ子!日本人好みな縁起ですね。
柚子の旬は、ちょうど11月~12月。
柚子の果皮には、風邪予防や保湿に良いとされるビタミンCなど、さまざまな健康成分が豊富に含まれています。
昔の人は、旬の柚子が体にいいことを知っていたのでしょうね。
ゆずは成功のシンボル
『桃栗三年、柿八年、ゆずは九年でなりさがる』ということわざがあります。
実がなるまでに長い長い年月がかかるので、ゆずは「風雪に耐え抜いて成就する」という意味で、冬至にゆず湯に入る習慣があるそうです。
ゆずの大馬鹿十八年 もある
実は、『桃栗三年、柿八年』に続くことわざは、地域によってさまざまなパターンがあります。
「ゆずは九年でなりさがる」以外にも、「ゆずは大馬鹿十八年」、「ゆずは九年の花盛り」などとてもバリエーション豊かです。
ちなみに「ゆずは大馬鹿十八年」の意味は、ゆずは9年かかってやっと花を咲かせるのに、実をつけるまでにさらにまた9年かかり、ゆうに18年の年月を要する、という意味だそうです。
不朽の名作『二十四の瞳』で知られる作家・壺井栄さんは、この言葉を好んでおり、記念碑にこのことわざが刻まれているそうです。
ゆず湯の効果はどんなもの?
ゆず湯は昔からの風習ではありますが、実際には一体どんな効果があるのでしょうか?
ゆず湯の主な効果効能は以下の通りです。
さまざまな効果が期待できるようですが、なんといってもゆずの香りによるリラクゼーション効果は最高です。
ゆずのスッキリとしたフルーティーな香りが心を落ち着かせ、日々の疲れを癒してくれます。
この他にも、美容やダイエットにさまざまな嬉しい効果をもたらしてくれることもわかっています。
ゆず湯の作り方は?
ゆず湯の作り方はとっても簡単です。
200リットルのお湯に対して、ゆずをまるごと2~3個くらい入れるだけです。
お肌が弱い方や赤ちゃんのいる家庭では、まるごと入れるのがおすすめです。
もし香りが弱いなと感じるならば、フォークで何ヶ所かさしてみるのも良いでしょう。
輪切りにするとさらに効果的!
輪切りにすると、まるごと入れるよりも香りが強くなり、多くの有効成分が出ます。
しかしそのぶん刺激成分も多く出ますので、肌が弱い方はピリピリすることもありますので、ご注意下さい。
輪切りゆず湯の作り方
輪切りにする場合は、200リットルのお湯に対し、ゆずは半個あればじゅうぶんです。
そのゆずを適当な厚さにカットし、ガーゼやネットなどに入れるだけです。
つまり果肉が出てしまわなければOKです。
その袋をお風呂に入れてお楽しみくださいね!
ゆず湯に浸かった後は、シャワーを浴びましょう。
柚子の刺激成分が体についたままだとピリピリする場合がありますので、きれいなお湯でしっかりと洗い流すと安心です。
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おわりに
冬至が過ぎれば、少しずつ日が長くなっていきますが、寒さはこれからが本番です。
美味しいかぼちゃとポカポカ温かいゆず湯で、元気いっぱいに冬を乗り切りましょう!