子どもの頃「明日天気にな~れ!」と靴を飛ばした経験はありませんか?
実際は下駄で行うものですが、靴の状態で占うことも可能です!
そこで今回は、この天気占いの由来と、本当に当たるのかについても解説していきます。
「明日天気にな~れ」の正式な名前とは?
「明日天気にな~れ」の天気占いの由来は、諸説あります。
そのため正式名称というよりは、多くの子どもたちから『下駄占い』と呼ばれて親しまれていたものです。
それが戦後になると欧米式の「靴」が普及したため、日本の下駄はほとんど廃れ、かつての『下駄占い』から『靴飛ばし』という名前に変化していきました。
現在では『天気占い』や『明日天気』とも呼ばれて親しまれているようです。
「明日天気にな~れ」の由来とは?
下駄占いの由来にはさまざまな言い伝えがあるため、定かではありません。
わかっていることは、海外にはない日本独自の風習であることは確かなようです。
この項では、下駄占いの3つの諸説についてご紹介いたします。
①「神事」からという説
民具研究家・民俗学者によると、「雨乞い」や「日乞い」の神事に行われていたものが、民間に広がったのではないかと指摘しています。
農耕民族だった日本では、「雨乞い」や「日乞い」は特に重要だったものと推測されます。
下駄は本来、雨の日にぬかるみにはまらないために履くものでした。
そのため、「明日は晴れて欲しい」という願いを込め、神事に下駄が使われていたのではないかと言われています。
②「高下駄=足駄」からという説
平安時代の絵巻物には、すでに下駄が描かれていたようです。
当初は雨のぬかるみにはまらないよう、歯(底足)が高い「高下駄」というもの履いていました。
この高下駄はかつて「雨下駄」や「足駄」と呼ばれていたこともあり、「足駄」を「明日」にかけて、明日の天気を占うようになったと言われています。
③「子どもたちの遊び」からという説
下駄が一般的になったのは大正時代~昭和初期にかけて。
この頃になると、子どもたちは原っぱで下駄を蹴り飛ばし、その飛距離を競って遊んでいたことがわかっています。
朝日新聞のジャーナリストによれば、当時の天気予報はまだ的中率が低かったため、その遊びがいつしか「天気占い」になったのではないかと指摘しています。
やがて戦後になると欧米式の「靴」が普及したため、日本の下駄はほとんど廃れ、かつての「下駄占い」から「靴飛ばし」という名前に変化していったようです。
「明日天気にな~れ」天気占いが公認競技に!
出典;http://m-ichiro-blog.net
長野県飯田市では、1999年(平成11年)から『全日本ゲタ飛ばし大会』が開催されています。
「明日天気になぁれ」などの掛け声と共に下駄を飛ばし、どんなに遠くに飛ばしても、下駄の表(晴れ)が出なければ勝ち上がることができないルールです。
全日本とは掲げてはいるものの、実はかなりローカル感満載でほのぼのとした大会なのが大きな魅力です。
出典;https://blog.goo.ne.jp
また広島県福山市でも、1994年(平成6年)から開催されているイベント「ゲタリンピック」の種目のひとつに下駄飛ばしがあるようです。
こちらは占いではなく飛距離を競うものです。なんと、競技で使われる公認下駄が用意され、広島県はきもの協同組合による公式ルールブックも存在するほどです。
子どもの遊びだった天気占いが、今では老若男女を問わず誰でも楽しめる競技として親しまれているようですね!
「明日天気にな~れ」天気占いのやり方!
下駄占いは、いつもの靴でもOK!昔から伝わる天気占いをやってみましょう。
天気占いはルールが簡単。特別な準備は必要ないのですぐに楽しむことができますよ!
伝統的な天気占いのやり方を解説します。
①掛け声とともに靴を飛ばす。
履いている靴のかかと部分を脱ぎ、つま先にかけるようにしてスタンバイします。
そして「明日天気にな~れ!」と言いながら、遠くに飛ばします。
日頃のうっぷんを晴らすべく、大声で叫びながら思い切り飛ばすのもおすすめです。
掛け声は地域によってさまざま!
飛ばす時の掛け声は、他に以下のようなものがあるようです。
- 明日天気にしておくれ
- 雨か天気か、雪、霜か
- 雨か日和か、提灯か
- 明日、雨か日和か、天行て問うて来い
- 明日の天気はどうじゃ、雨か日和か、もう一度
いろいろありますね!言葉もリズムもだいぶ違いますが、天気を占う意味では仲間ですね。
地域だけでなく、年代によっていろいろ違いがあるようですので、家族や身近な方にも聞いてみてはいかがでしょうか?
②着地した靴の向きを見て天気を占う。
地面に落ちた靴を見てください。
以下の3つのパターンによって、天気を占います。
下駄占いは本当に当たるの?
子どもの遊びごとのために、下駄占いが的中するかどうかはアテにならないという指摘も当然かもしれませんね。
しかし、下駄占いには科学的に信憑性がある、という説も存在します。
理由は、雨が間近になると低気圧が接近し、大気中の水分が増えるため、下駄の鼻緒が湿って重くなり、その鼻緒の重みで下駄がひっくり返って裏になりやすい。
つまり、間もなく雨が降るという理由です。
過去にさまざまなメディアで実験が行われたようですが、統計すると意外と高い的中率といったところのようです。
信じるか信じないかはあなた次第ですが、意外とロマン溢れる遊びであることは間違いないようですね!
おわりに
子どものころ、一日の遊びの終わり際になると、なぜか決まったように靴を放り上げては明日の天気占いに夢中になったことが懐かしく蘇ってきます。
今は安全対策のために、靴を飛ばすことを禁止している園や学校があるほどで、昔の遊びは自然に消滅するのではなく、力尽くで消滅に向かわされているようです。
休日には誰もいない広い公園などで、子どもたちにある溢れたエネルギーを発露させるべく、昔ながらの下駄占いをぜひ楽しんでみて下さいね!