子ども達に大人気のサンタさんは夢のような存在ですが、もともと、モデルとなった歴史上の人物がいます。
なぜその彼が世界的・超有名スター「サンタクロース」となったのでしょうか?
そこで今回は、クリスマスに世界中に現れるサンタさんの由来、なぜ赤い服なのか、なぜトナカイがいるのかなどもご紹介いたします!
サンタクロースとは?
世界中の誰もが知る超有名人「サンタクロース」。
スペルは「Santa Claus」と書きます。
クリスマスの前夜、世界中の全ての子どもたちに贈り物を届けるという伝説上の老人です。
子ども達に大人気で、世界中の寒い国、暑い国でも、この日ばかりはおなじみの赤い扮装で登場します。
もじゃもじゃと白いひげを生やし、丸々と太った明るくて善良なおじいさんです。
サンタクロースのモデルとなった人物とは?
出典;https://pasadenaweekly.com
サンタクロースは、もともと実在していた歴史上の人物です。
それは大昔の、紀元前4世紀。
どんなときでも優しさを失わず、子ども達を愛した『聖ニコラウス』という人がモデルです。
聖ニコラウスはこんな人
キリスト教が普及してきたころ、小アジア(現在のトルコ)に「子どもの守護神」として仰がれていた一人の聖人がいました。
それが『聖ニコラウス』(270~342年)です。
彼の生前といえば、姿を変えては人知れず貧しい子どもたちに救いの手を差し伸べ、自分の持ち物は惜しまない、そんなとても優しい人でした。
彼は両親を若いうちに亡くし、両親の遺産を神の喜ぶ方法で使おうと決め、キリスト教に入信しました。
そして修行して、キリスト教の司教を務めました。
彼が亡くなってからは、キリストを真の神とする教理を伝えたことで教会の守護神として崇敬され、「聖人」に認定されました。
そして生前のたくさんの善い行いが讃えられ、今の「サンタクロース」の原像となったのです。
聖ニコラウスの伝説
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ここで、聖ニコラウスの伝説をご紹介したいと思います。
ある貧困な家庭に3人の姉妹がいましたが、生活に困窮していたため、父親が娘を売ろうとしていました。
それを聞きつけたニコラウスは、夜にこっそりと窓から金貨を投げ入れました。
そのお金で家族は救われ、1人目と2人目の娘を、無事にお嫁に行かせてあげることができ、父親は、恵み深い神に感謝していたのだそうです。
そしてニコラウスは3人目の娘のために、3度目の金貨を投げ入れたところ、暖炉に干してあった靴下に金貨が入ってしまい、ニコラウスは思わず「あ!」と叫んでしまったのです。
ついに父親に見つかってしまい、父親はニコラウスに心から感謝したのですが、ニコラウスは「他の人には秘密にしておいて欲しい」と頼んだのだそうです。
この伝説によって、クリスマスプレゼントは靴下に入れる風習が生まれたと言われています。
また、一人の貧乏人がニコラウスからの贈り物を受け取らないので、煙突から金貨を投げ入れたら、暖炉に干してあった靴下に入ってしまった、という説もあります。
これは、クリスマスに靴下を下げておくと、サンタさんが煙突から入って贈り物を入れてくれるというストーリーの由来にもなっています。
ニコラウスにまつわる伝説や奇跡は、この他にもたくさん残ってます。
彼は、日頃から子どもたちや貧しい人、弱い立場にある人と共に寄り添って生きていたので、「子どもの守護神」とされているのです。
子どもにプレゼントを送る習慣が誕生
彼は亡くなったあと聖人と認定され、オランダやベルギーなどを中心に、彼の命日の12月6日に「子どもたちへのプレゼント」を贈るようになりました。
そして子どもたちの間ではこんなお話が噂されていました。
12月6日の前夜には、ニコラウスおじさんは赤い服を着て、白い馬に乗り、キリストの使徒ペテロを連れて、私たちのところへ日ごろの行いを調べに来るんだよ。
良い子にしていた子には、翌日にたくさんのプレゼントを持ってやってくるんだよ!今年も楽しみだなぁ~!
このように、プレゼントをくれる不思議なニコラウスおじさんの存在は、子どもたちから大人気だったようです。
こういった聖ニコラウスの伝説やプレゼントの習慣は、海を渡ってニューアムステルダム(現在のニューヨーク)にも伝わっていきました。
聖ニコラウスを意味するオランダ語「Sante Klaas」が、アメリカで訛り、「Santa Claus」になったのです。
サンタクロースはなぜ赤い服?理由と由来は?
サンタクロースそのものは、聖ニコラウスの伝説が元です。
しかしそれからは、さまざまな国や歴史の中で、今のサンタ像が少しづつ重ねられていったようです。
サンタクロースの服が赤い理由をご紹介します。
赤い服は聖ニコラウスの儀式衣装だった説が有名
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赤い服については、生前の聖ニコラウス(270~342年)が、キリスト教の儀式で赤い服を着ていたことがもとになった伝えられています。
これは、自分の命を懸けてでも人々を助けることを意味していました。
すなわち、血を流してでも人々に尽す覚悟を現していたということです。
漫画家による誌上作品で知名度が上がる
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サンタクロースのイメージは1823年(文政6年)、ニューヨークの聖書学者クレメント・クラーク・ムーアが、子供向けにうたった『A Visit from Santa Claus(サンタクロースがきた)』という詩から生まれました。
白いひげを生やし、丸々太ってニコニコ顔の優しそうなおじさんとして生まれたのです。
この詩に1849年(嘉永2年)、画家テオドア・C・ボイドが、赤い服を着たサンタクロースの挿絵をつけたのが最古と言われています。
その後1863年(文久3年)、アメリカの有名漫画家トーマス・ナストが、初めて現代に通じる姿のサンタクロースを描いた作品を、雑誌に掲載しました。
ナストは毎年サンタクロースの絵を描きましたが、最初は茶色かった服が、徐々に赤っぽい色になっていったそうです。
最終的に1890年(明治23年)、赤い服を着たサンタクロースで「トーマス・ナストのクリスマス絵画集」を出版します。
これが大きな影響力となり、その後は赤い服を着たサンタクロースはさまざまなメディアに登場するようになりました。
今でも、トーマス・ナストは現代的なサンタクロース像を描写し、アメリカ社会に定着させた人物として知られています。
日本でも赤い服のサンタさんが誌上に登場
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大正時代に創刊された、子ども向け雑誌や少女雑誌では、12月号にクリスマス特集として、クリスマスにまつわる話や挿絵がたくさん掲載されるようになりました。
1914年(大正3年)には子ども向け雑誌『子供之友』に、赤い帽子、赤い服のサンタさんが登場しています。
現代に通じるサンタクロースのイメージそのものですね!
このようにかなり古くから、サンタクロースには赤い服のイメージが存在していたようです。
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トナカイがサンタクロースのソリを引く理由
雪国で人が乗ったソリを引くことができる動物といえば、犬かトナカイ…あとは北海道のばん馬でしょうか。
クリスマスの物語に登場するのはトナカイですが、なぜ彼らがサンタクロースのソリを引いているのでしょうか?
トナカイを狩猟していた民族「サーミ族」の影響
かつて北方には「サーミ族」という少数民族が住んでいて、彼らは魔法の力を持っている民であるとされていました。
その彼らの相棒であるトナカイも何かしらの神秘な力を持っていると考えられていたそうです。
あたたかな毛皮を持ち、翼にも見える長く美しい角、ゆったりとした優雅な姿は、どこか荘厳で神秘的な雰囲気を感じさせます。
それらがサンタクロースのイメージに合うとして、取り入れられたものと考えられています。
1823年(文政6年)、ニューヨークの聖書学者クレメント・クラーク・ムーアが、子供向けの詩『A Visit from Santa Claus(サンタクロースがきた)』を発表し、詩の中で初めて8頭のトナカイを従えてソリに乗ったサンタクロースのシーンが登場しました。
トナカイは犬と比べて性格が大人しく、吠えることもありませんので、夜中にプレゼントを届けに行っても子どもたちを起こしてしまうことはなさそうですね!
サーミ族の音楽は「アナと雪の女王」オープニングの原曲です。
ちょっと小話ではありますが、ディズニー映画『アナと雪の女王』のオープニングシーンに流れる、民族音楽のような印象的な音楽は、サーミ族の「ヨイク」と呼ばれる伝統的な音楽をもとに制作された楽曲です。
サーミ族による特有の歌唱法で歌われ、自然や人間に対して捧げられるとても霊的な伝統歌謡とされています。
ちなみに、アナを助けるトナカイ飼いの「クリストフ」は、サーミ族がモデルとなっています。
今も地球の北端で自然と共に暮らす彼らの音楽を眺めることで、世界には自分の知らないことがたくさんあるんだなと気づかされますね!
トナカイは何頭いるの?名前と性格は?
夜空を駆け抜けるトナカイのシルエットは、とても格好良いですよね。
サンタクロースのトナカイは、伝統的には8頭いるとされており、それぞれに名前があります。
また、名前から見えてくるような性格の設定もありますよ。
ソリを引く先頭から順番にご紹介します。
名前 | 性格 |
---|---|
ダッシャー (Dasher) | とても社交的 スポーツが得意 仲間を大事にする いつも幸せでエネルギッシュ |
ダンサー (Dancer) | ダンスが好き お祝いするのが好き 友達と遊びに行くのが好き 心が広い |
プランサー (Prancer) | 思い出を大切にしている とても賢い 自発性がある 時間に正確 |
ヴィクセン (Vixen) | 注目されるのが大好き 何でもできる才能がある 物覚えがいい 人々を笑わせるのが大好き |
コメット (Comet) | 友達をリスペクトしている 恩返しが好き 思いやりがある 自分を犠牲にしてまで友達を助ける |
キューピッド (Cupid) | 一番社交的 とてもフレンドリー 安心感を与えてくれる パーティーが大好き |
ダンナー (Donner) | クリエイティブ 個性的 自分を犠牲にしてまで友達を助ける 人といるのが好き |
ブリッツェン (Blitzen) | 冒険心がある エネルギッシュ スリルを求めている 始めたことは必ず最後までやる |
出典;A List of Santa’s Reindeers Names から作図
実は9頭目もいます。
実は、9頭目には「ルドルフ (Rudolph) 」というトナカイがいます。
ルドルフは有名なクリスマスソング『赤鼻のトナカイ』の歌で登場するトナカイです。
この曲は、1939年(昭和14年)に出版された児童書をもとに制作された楽曲で、現在も時代を越えたロングセラーになっていますよね!
したがって、ルドルフは後付けされたトナカイですので、可愛そうですが公式では9頭目にはカウントされないようです。
しかしその人気ぶりはピカイチですね!
真っ赤なお鼻の トナカイさんは
いつもみんなの わらいもの
でもその年の クリスマスの日
サンタのおじさんは いいました
暗い夜道は ぴかぴかの
おまえの鼻が 役に立つのさ
いつも泣いてた トナカイさんは
今宵こそはと よろこびました
サンタクロースが住んでいる場所はどこ?
サンタクロースの家の場所には諸説ありますが、多くの場合、フィンランドのサンタクロース村に住んでいることが知られています。
なぜなら、子どもたちのサンタクロースへの夢を満たそうと1961年(昭和36年)、フィンランド郵政局がフィンランドのサンタクロース村を正式な住所に定めたからです。
これにより、サンタクロース村は、毎年世界中から何十万人もの人々が訪れるフィンランド随一の観光スポットになっています。
村内には、サンタクロースオフィス、サンタクロース郵便局、クリスマスグッズのお店などがメルヘンチックに軒を連ね、サンタクロースに会うこともできます。
ちなみに、サンタクロース事務局では、事前に申し込むと、エアメールでサンタクロースから手紙が届きます。
申し込みの際に、名前の呼びかけやメッセージを指定することができますので、この機会に利用してみてはいかがでしょうか?
- 送付元:サンタクロース村(フィンランド)
- 申込先:サンタクロース事務局
この他にも、カナダのサンタクロースに手紙を書くと、無料で返事が来ます。住所や送り方についてはこちらです。
おわりに
クリスマスは、キリスト教徒でなくても心弾む行事ですね!
子どもたちにとっては、夢のサンタさんから欲しかったものがプレゼントされる最高の日ではないでしょうか。
クリスマスという心あたたまるファンタジーな世界観を楽しみつつ、昔のサンタさんお話やトナカイさんの情報も、お子様と一緒に楽しんでみてくださいね。