「指切りげんまん、嘘ついたら針千本の~ます、指切った」
子どものとき誰しもが、約束をするときに小指を引っかけて口ずさんだあの歌。
実は、とっても怖い意味が込められていたことはご存じでしたか・・・?
今回は「指切りげんまん」の由来や歌詞の意味についてご紹介いたします。
指切りげんまんとは?
指切りげんまんは、約束事をする際に歌われる「わらべ歌」です。
誰かと約束を破らないことを誓うための風習として昔から親しまれています。
お互いの小指を絡め合った状態で上下に振りながら、このような歌を歌います。
指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます 指切った
約束を破らないことを誓い、破った場合は罰があるよ、ということを示しています。
指切りげんまんの本当の意味が地獄すぎる!
子ども達が指切りする姿は可愛らしいですが、歌詞を見るとどうでしょう?
歌詞には「指きり」以外にも「げんまん」「針千本飲ます」といったフレーズがあります。
指切りげんまんの由来や意味をご紹介します。
「指切り」の由来
出典;https://ja.wikipedia.org
最初のフレーズ「指切り」ですが、これは実は江戸時代の遊郭で行われていた儀式的な風習です。
吉原などの遊郭の遊女が、意中の男性客に「変わらない愛を誓う証」として、自らの小指の第一関節を切断して渡していたことに由来しています。
小指を絡ませるのは、このためです。
相当な苦痛を伴うことで「それくらい愛している」という意味を表し、髪や爪と違って切るともう生えてこないため、生涯の誓いの強さを示していたとされています。
私たちには「行き過ぎた愛情表現で重たいな・・」と思ってしまうのが率直な感想かもしれませんね。
ですので、指をもらう男性客も、遊女の思いに応えるくらいの気構えが必要だったようです。
ただし、本当にこのような行為が行われていたかといえば、ごく少数の遊女だけで、非常にレアなケースだったようです。
実際は、小指の模造品が出回っていたという話もあります。
やがてこの「指切り」が庶民にも広がると、約束を必ず守るしるしに、お互いの小指を引っかけるようになったといわれています。
「げんまん」の意味
指切りげんまん。漢字では「指切拳万」と書きます。
「拳万」とは字のごとく、約束を破ったときには、げんこつ(握り拳)で1万回殴るという制裁の意味がこめられています。
つまり、「1万回殴るに値するほど許さないよ」という意味です。
げんまんは、「指切り」のあとに付け足されたものです。
「針千本飲ます」の意味
「嘘ついたら針千本飲ます」
この針とは、裁縫用の針です。
フグ目の魚「ハリセンボン」と思っている方もいるようですが、違います。
千本とは、きっちり1000本という意味ではなく、”本数がとっても多い”という意味です。
千本ノックとか、千本桜とかが良い例えです。
「約束を破ったら、裁縫用の針をいっぱい飲ませるぞ!」と言っているわけです。
こちらも「げんまん」と同様、指切りにあとから付け足されたものです。
それにしても、指切り・・拳万・・針千本飲ます・・・
可愛らしい子どもの指切りと思いきや、まるで脅迫まがいに残酷な行為を要求されているのですね。
約束は死守したほうが良さそうです。。
「指きりげんまん」海外にもあるの?
映画『ミニオンズ』の作中に、指切りのシーンがあったことをご存じの方もいるかもしれませんね。
日本の「指きりげんまん」に似た慣習は、海外にもあるようです。
実は指切りは日本が発祥で、19世紀(1800年頃)に東アジアに広まり、ペリー来日以降アメリカにも広がったという説があります。
国によっては「仲直りの動作」だったり「友情の証」だったりと、いろいろな意味があるようです。
また、指切りの動作にも違いがあります。
アメリカの指切りは日本と同じく小指を絡ませます。
ベトナムでは人差し指で指切りを行います。
台湾、中国、韓国では、親指を立てて(goodの動作)親指同士をタッチさせます。
これで”約束を交わした”という合図になるそうです。
文化の違いは面白いですね!
「指切りげんまん」英語では?
英語では、
- pinky promise(小指の約束)
- pinky swear(小指の誓い)
などと呼ばれています。
指切りの歌詞はいろいろありますが、次のようなフレーズが有名です。
I’m not lying to you. Cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye.
あなたに嘘をついてないよ。(胸の前で)十字を切って神に誓うよ。破ったら死んでもいい。針を自分の目に突き刺すよ。
日本と同じく「針」が出てきましたね。
pinky promise(小指の約束)なんて可愛らしい名前のわりに、子どもにこれを言われたら顔が引きつりそうです。。
おわりに
指切りげんまんは、お子様とおまじないのように一緒に唱えることで、お約束の意思を確認し合える便利なツールではないでしょうか?
もともとは遊女の愛情表現だったものですが、現在では、約束を破ったときに課される「名目上の罰」といったところです。
やむにやまれぬこともあるかもしれませんが、どんな小さなことでも約束は守り、人との信頼関係を築き続けることが第一かもしれませんね。