一年前のアイスが冷凍庫の奥に入りっぱなしになっている、なんてことはありませんか?
さらに1年以上も前のアイスは、食べても大丈夫なのでしょうか。
アイスには賞味期限がない、なんて聞くものの、何年も前のアイスを食べるのはちょっと抵抗がありますよね。
今回は、アイスの賞味期限に関してや、数年前のアイスの注意点なども詳しくご紹介します。
アイスに賞味期限がない理由
アイスには賞味期限がありません。
そもそも、市販されているアイスには、賞味期限が記載されていません。
凍っているのだから賞味期限は長いと思っていたけど、表示もされていなかった、とは驚きですよね。
アイスには賞味期限の表示がない
出典;https://store.shopping.yahoo.co.jp
私たちがスーパーやコンビニで買えるアイスの種類は、4種類に分かれています。
アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス・氷菓の4種類です。
この4種類のアイスは全て、賞味期限が書いてないのです。
アイスの大手メーカー、ロッテ・グリコ・森永乳業のホームページを調べてみましたが、いずれも「賞味期限はない」という旨の記載がありました。
原材料には、賞味期限が1週間の牛乳を使用しているのに、賞味期限がないなんて不思議ですよね。
なぜ、アイスには賞味期限がないのでしょうか?
アイスの賞味期限の非表示は農林水産省が決めている
アイスの賞味期限は、農林水産省が「表示の義務がない」と決められたものです。
つまりアイスに賞味期限が書いていないのは、法律で省略しているからなのです。
ですから、購入したアイスの裏を見ても、賞味期限が表示がされていません。
アイスには賞味期限はないという表現よりも、正しくは「省略している」ということなんだね!
なぜ表示を省略したの?
アイスは-18度以下で保存されるため、著しい商品劣化や、細菌の繁殖が考えにくいとされているからです。
また、アイスの原料は安定性が高く、製造工程で過熱殺菌をするなど厳しく管理・製造されていることも理由です。
つまり、保存状態がよく微生物の増殖がない食品は、賞味期限の表示の必要はないと考えられているのです。
お米、ガム、蒸留酒のウイスキーやブランデー、日本酒なども、賞味期限の表示の義務がないよ!
何度も常温に戻したアイスは注意
市販のアイスが賞味期限を表示しないのは、-18度以下で保存をすることを前提で考えられているためです。
確かに、アイスの表示には「-18度以下で冷凍」と必ず表記されていますね。
ですので、何度も常温に戻していたり、きちんと冷凍ができていなかった場合は、身体に害はありませんが、風味や食感が損なわれてしまいます。
明治がアイスの賞味期限の表示を開始!
出典;https://www.ssnp.co.jp
上でお伝えした通り、大手メーカーの市販アイスでは、賞味期限を表示していません。
そもそも国の食品表示基準により、表示の省略が認められているからです。
しかし大手メーカー「明治」では、2020年6月から賞味期限の表示がされるようになりました。
明治の賞味期限の設定は、製造日から2年間とのことです。
ただし、明治がアイスに賞味期限を表示したのは、消費者の「食の安心」に応えるために設定されたものであり、2年であることは必ずしも決定付けるものではないそうです。
今のところ、他メーカーでは賞味期限表示に追随の予定はないとのことです。
1年前、10年前のアイスでも食べられる?
賞味期限がないなら、1年前、はては10年前のアイスは食べられるのでしょうか?
結論は、食べられます。
ですが、「食べられるけど、おいしくは食べられない」というのが正解です。
風味が落ちていたり、変色している可能性はあります。
【事例】3年前のハーゲンダッツを食べた人のお話
出典;https://item.rakuten.co.jp
冷凍庫の奥底に、忘れていた3年前のハーゲンダッツを食べた人の報告がありました。
表面がシャリシャリしており、ハーゲンダッツのまろやかさは失っていたそうです。
お腹を壊すことはありませんでしたが、決しておいしくはなく、安物のアイスを買って食べた方がマシだった、とのことでした。
冷凍庫の奥底に閉まってあったのですから、保存は問題なくできていたはずなのに、やはり風味は劣化していたようです。
なぜ、数年前のアイスは風味が落ちてしまうの?
1年以上前のアイスは、シャリシャリしてまろやかさが無くなったり、冷凍焼けしていたりと、確実においしくなくなります。
一体なぜ、冷凍しているのに風味が落ちてしまうのでしょうか?
そもそも家庭の冷凍庫で、温度を-18℃以下に保つのはなかなか難しいものです。
つまり、温度が-18度以下に保たれていないアイスは、腐ってはいなくともおいしさは損なわれていると考えた方が賢明です。
食べられるが、1年以上前はおいしくない
1年前のアイスは味も風味も変わらずおいしく食べられるようです。
10年前のアイスを実際に食べた人の報告はありませんでしたが、開封した時の匂いや色などを見て判断した方がよいでしょう。
食べかけ・霜のついたアイスは食べられる?
カップのアイスを半分食べてあとで食べようと思っていたら、何か月も経っていた。
なんて経験はありませんか?
食べかけのアイスは食べても大丈夫なのでしょうか?
また、氷菓などでよく見られる霜ができたアイスも食べられるのでしょうか?
食べかけのアイス
結論としては、食べかけのアイスは食べられます。
しかし、食べかけのアイスは一度常温に戻してしまっているのと、一度空気に触れているので、通常よりもおいしさが損なわれる速度は早いです。
おいしい状態で食べる場合は、1週間以内に食べることをおすすめします。
霜がついたアイス
出典;https://twitter.com
霜は、温度が-18度より高くなり、少し溶けてから再冷凍したときにできます。
つまり、アイスの表面に霜がついている場合は、食べるとザラついた食感になっていることが多いです。
ですので、格段に風味は落ちていると考えていいでしょう。
もともとかき氷のようにシャリシャリとした食感のアイスでしたら、違和感なく食べられるかもしれません。
健康被害が起こることはありませんが、どの場合も温度管理ができていないと氷の塊のようになることもあり、食感が非常に悪くなります。
賞味期限があるアイスもあります!
賞味期限の表示がないアイスがほとんどですが、なかには賞味期限があるアイスもあります。
それは、大手菓子メーカーの「シャトレーゼ」のアイスです。
出典;https://www.chateraise.news
シャトレーゼは山梨県甲府市に本社がある、日本のお菓子メーカーです。
シャトレーゼの特徴は、無添加にこだわった自然素材の商品が多いことです。
原材料と減添加にこだわったシャトレーゼのアイスには、賞味期限があります。
製造日から半年~1年程度の賞味期限になっていて、中には30日というものまであります。
一般的な市販のアイスには、商品を長持ちさせるために、乳化剤・安定剤といった添加物が使われていますが、シャトレーゼのアイスにはこの添加物を使っていないので、繊細で溶けやすく品質が変化しやすいのです。
そのため、賞味期限を設けておいしい状態で食べてもらうことが推奨されています。
一番おいしく食べられるアイスの期限は「1ヶ月以内」
アイスには賞味期限はないとは言うものの、おいしく食べられる期限はあります。
最もおいしい状態で食べることができる期限は、購入してから1週間、最低でも1ヶ月以内が目安です。
そして品質に大きな変化はなくおいしく食べられるのは、購入後1年以内といわれています。
それ以上(1年以上)たった場合のアイスは、霜がかぶっている可能性があり、風味を損なっているはずですので、最低でも1年以内に食べるようにしましょう。
正しいアイスの保存方法
おいしい状態を長く保つためには、正しい保存をすることが大切ですね!
アイスをおいしく保存する方法をご紹介します。
保存方法 | 理由 | |
---|---|---|
1 | 冷凍庫の下の方で保存する | 温度の変化に影響させない |
2 | 他の食材の近くに置かない | 匂いを移させない |
3 | ジップロックなどに入れる | 冷凍焼け防止 |
4 | 冷凍庫の開け閉めはスムーズに | 温度を上げさせない |
5 | 食べかけアイスはラップを敷く | 空気に触れさせない |
いつまでも美味しく、アイスを食べましょうね!
おわりに
アイスに賞味期限はない、とは聞いたことはあるけど、表記すらないことには驚きますね。
ですから、私たち自身が責任を持って「正しい保存方法」と「早めに食べること」を守らなくてはいけないのです。
数年前のアイスが出てきた!なんてことにならないよう、早いうちに食べてしまうのが、最もおいしくて効率のいい食べ方だったようです。